趣味とか特技とか、あらかた全部出しきってから、「はじめての人が多いと思うけど、よろしく」と締めくくった。



「次____東雲」


「は、‥‥‥‥ぃっ」緊張で変な声が出る。



立ち上がった私に、みんなの視線が集まる。

なんでヘッドフォンしてるのか、なんで声が小さいのか、言いたいことはいろいろあるだろう。

去年からそういう噂が立っていたことは、私も知ってる。


同じクラスになっても、スタートラインは同じじゃない。




「東雲、彩葉です。美術部です」

よろしくお願いします、と1礼して、椅子に座り直した。




やっぱり耐えられないな、と自分で思う。


心臓が変に波打って、おかしくなりそうだった。

私、また変な風に見られたかもしれない。



「はぁ‥‥‥‥‥‥」


ようやく気を取り直した頃には、もう2、3人終わっていて。

こんなんで部活紹介、大丈夫かな‥‥‥‥。




「東雲さん!!」


「ふぁっ‥‥‥‥、はい!!」突然呼ばれて、顔をあげる。



誰もいない。