「んーん。一般だよ。学校、いろいろ悩んじゃってさ」



今、声がちょっと暗かった。

あんまり、聞いちゃいけないのかな。



「そう、なんですね」


「でも、シノちゃん美術部でしょ?」


「はい」


「ひなた先生大丈夫?」


「‥‥‥‥大丈夫、とは」


「去年とか、先生目当てに女子が殺到したじゃん」イケメンだからさ、と付け加える。


「ま、今年は奏がいるし、派閥ができそうだけど」


「派閥‥‥‥‥」


「そういうときの女子は怖いからねー」




「そいや、シノちゃん知ってる?」


「なにをですか」


「ひなた先生、東京の人らしいよ」


「‥‥‥そうなんですか」


「え、ビックリしないんだ!?」