「おっ!!?東雲さーんっ!!」
廊下を歩いていると、顧問の先生が向こうから走ってくるのが見えた。
嫌な予感がする。
「言い忘れてたんだけどさ!」と前置きして、部活発表、よろしく!!とウインクしてくる。
うぅ‥‥‥‥‥‥。
「わ、分かり、ました‥‥‥‥‥‥」
「先生も一緒に出るからさ!!」頑張ろうぜ!!と元気に言ってくれる。
他の先生から、「廊下走らないで下さい」と怒られている。
今日の部活の予定は、先生と部員勧誘のための作戦会議をすることでまとまった。
非常勤の先生だから忙しくて、話せるのは週に2回くらい。
瞳のきらきらした感じも、海みたいな青色の声も。なんだか眩しくて。
まるで真夏の太陽みたい。
話したのは5分にも満たなかったのに、目が疲れた気がする‥‥‥。
「ひなた先生、元気だよなー」なんであれで体育じゃないんだろ、と私の後ろで泉君が言う。
「どっちかしか選べなかったから、美術にしたって聞きました」
「まじかよ‥‥‥‥」意味分かんね、と窓の外を見る。
「でも、すごい色なんですよね」
「え、画伯なの?」いつも授業のとき、先生だけ絵描かないからさ、ときらきらした瞳の泉君。



