「もしかして、興味あったりする?」


「え?」


「俺の点数」


「いえ、別にないです」


「よかったぁ」へにゃ、と笑って机に顔を載せる。



はちみつ色がにじんだところを見ると、あまりそういうところに注目されるのは好きじゃないみたい。

初詣の時も、注目されてて恥ずかしかったみたいだし。




________それにしても。

その表情(かお)は、どうなんだろう。

一瞬、勘違いしそうになる。


私が慣れてない、というのもあるけど。

東京だと、友達の男女のこの距離感は普通なんだろうか。とまで考え始める。



「サクは天然タラシだよなー」


「え、なにが」


「そういうとこが」


「‥‥‥‥?」


「理数系下がってるの最悪なんだけどー」あたし理数系なのに!!といつの間にかポッキーを食べている。


理数系なんだ。


「理数系なんだ」私が思ったと同時に、桜庭君が同じことを言う。