淡色の君と、透明なセカイ

「でしょっ!?」もーぉ、ほんとやだぁ!!と言いながら、小腹が空いたのか小さいおにぎりを頬張っている。


「おー。すげーじゃん」萌黄色の声が降ってきて、泉君が隣に座る。


「今回0点ないとか優秀じゃね?」


「でしょー!!」



そうなのかな‥‥‥‥!?

というか、いつも何かしら0点は取ってたんだ‥‥‥‥?



「今回は寝なかったから!!」


「おー、偉いじゃん」


「でしょー!!」


偉いのかな‥‥‥‥‥‥?


「テストどうだったー?」廊下から戻ってきた桜庭君を捕まえて、笑菜ちゃんが連れてくる。


「別に普通だよ」可もなく不可もなく、と笑う。


「サク、今日は人気だな」さっきも別グループに呼ばれてたじゃん、と羨ましそうにする。


「みんな点数に興味あるってだけでしょ」そんな取れてないし、と点数表を持ってきた。


「んなことねーだろ」ちょっと見してみ、と頭の上で用紙を取り上げるのが見えた。


「ほんとだ。普通だ」


「でしょ?」みんな期待しすぎだって‥‥‥‥と私の前の席に座る。