「シノちゃんっ♪」
答案用紙を片付けていると、オレンジ色が視界に浮かぶ。
________あれから数週間。
今日、全教科の答案が返ってきたところだ。
「どーだった!?」私の点数グラフを覗き込んでくる。
「おお!?いいなぁ!!」と黄色い声で言う。
「そうですか‥‥‥‥?」
泉君から頭が良いのは聞いたけど、信じられない。
頭のいい人ってもっと、人と会話をしないものなんじゃないかな、と思う。
‥‥‥‥というのは、勝手な想像だけど。
「あたしの、悪かったもん!!」
特に落ち込んだ様子もない。声も、いつものオレンジ色。
あんまり点数を気にしないのかもしれないな、と思う。
「ねーほら、見てー!!」と私の前に自分のグラフの紙を置く。
歴史が83点、現代文が78点。
その他のグラフが一気に下がって、数学18点、古文8点、生物33点。
他の家庭科や体育の点数に至っては、もはや5点以下。
「す、‥‥‥‥‥‥ごいですね」差が。



