「「‥‥‥‥‥‥?」」


「多分、そのうち自分で話すだろ」おれからは言わないどくわ、とやめてしまった。


「そこまで言われちゃうと、気になるんだけど」





「いろいろあったのよ。ほんとに‥‥‥‥‥‥」



その瞳は、どこか遠くを見ているような気がして。

知っていたようで、全然知らないんだと、思い知らされる。




「受験の話も秘密な!!言ったら顔ねじ曲げられて学校来れなくなっから!!」


「そんな怪力じゃないでしょ」


「まぁな」でも多分殴られっから。と笑う。



きっと、彼女との間にはとてつもない信頼があるんだろうなと思う。

そういう秘密を、打ち明けられるくらいの。




「笑菜ちゃんは、幸せですね」


「「‥‥‥‥‥‥?」」


「泉君みたいに良い理解者が、隣にいてくれるなんて。心強いと思います‥‥‥‥‥‥とっても」


「そっかな」だったら良いけどな、と彼女に視線を向ける。薄桜色が、視界に映る。




「まぁでも、頭良いとか言ったからって、嫌いにはならないでくれな?」


「はい」


「当たり前だろー」水くさいなぁ、と肩をつついている。