「ずーっと、サボってんだもんなぁ、コイツ」寝ている彼女を見ながら言う。


「教えてくれて助かったよ」


「力になれてよかったです」


「バス、何時だっけ?」


「あと20分くらいで出れば、ちょうどいいかと」


「じゃ、ちょっとは寝れるかー」と椅子に背をもたれる。




「麻ちゃん、すごい頑張ってたね」


「分からんとこだらけだしな」ま、やらないからだけどさ、と続ける。


「中学の時から、勉強嫌いなの?」


「あ、こいつが?」


「うん」いずみんは得意そうだけど、と笑う。





「____いや、たぶんコイツには、誰も勝てないと思う」





「え、勝てないって?」


「例えば全校生徒で同じテストしたとすんじゃん」


「うん」


「たぶん、誰も勝てねぇよ」"能ある鷹は爪を隠す"ってやつ?とどこか自慢げに言う。


____それって。


「頭いい、ってことですか?」


「そ」


「麻ちゃん、頭いいんだ‥‥‥‥‥‥」ちょっと意外、と桜庭君が隣でビックリしている。