「あの、なに描いてるんですか?」勉強、と言いながらノートに落書きをしている笑菜ちゃんに聞く。

ヘロヘロしていて、形もよく分からないようなものばかりだ。



「ん?勉強ー」


「こいつ、絵描くからさ」他のヤツには一切分かんない怪奇文字みたいなやつだけど、と付け足す。


「覚えられるんですか?」


「中学の時からだから」


そうなんだ‥‥‥‥。


「すごいですね」斬新なアイデア。



教科書を見て描いてるし、自分なりの語呂合わせみたいなものかもしれない。

私は語呂、苦手だけど。



「もー、勝手に話さないでよー」変だと思われるじゃん!!と言われてしまった。


「すみません‥‥‥」気にしてたのかな。




________そういえば。


「朝、笑菜ちゃんが、言おうとしてたのって‥‥‥‥?」


「んっ?」


「桜庭君が、どうって‥‥‥‥」


そんなのあったかなー、なんて言いながらしばらく考えて、「思い出した!!」と顔を上げた。


「俺のこと?」