「はぁ‥‥‥‥‥‥」


「お疲れですか‥‥‥‥‥‥?」席に座ると、お嬢がそう言って心配してくれる。



お前くらいだぞ、おれのこと、ちゃんと心配してくれるの‥‥‥‥。

小動物みたいな顔で見られると、なんだか犬でも見ているような気分になる。

癒される‥‥‥‥‥‥。




「あ、あのっ‥‥‥‥?」


「あ、ごめん」彼女に言われて、ずっと見つめ合っていたことに気づく。


「大丈夫ですか‥‥‥‥?」ぼーっとしてるみたいですけど、と心配してくれる。


「いずみん!!死なないで!!テスト勉強すんでしょー!!」テーブルと一体化するおれの隣で、麻ちゃんが耳を引っ張ってくる。今朝の反撃かもしれない。



「____はい、これ」
その声に目線を向けると、お嬢の隣に座ったサクがペットボトルを差し出していた。いつの間に2本買っていたらしい。


「あ、あとで頂きます‥‥‥‥」とその小さな手に、大事そうに抱えている。


「____なに見てんの?」


「なんも?」


「そんなに、シノちゃん好きなの?」と隣で聞いてくる。


「えっ‥‥‥‥!?」ぼぼぼ、と顔を赤くする。

やめろよ、そんな表情(かお)されたら冗談に聞こえなくなる。



「冗談だって!!」友達としてな、と慌ててフォローしておく。


「そ、そうですか‥‥‥‥っ」ほっとした表情(かお)で、びっくりしたぁ‥‥‥と火照った頬を手で扇いでいる。



もうちょっと、耐性付けた方がいいんじゃないか?

そのうち変なヤツに絡まれたりしないか心配になってくる。


____ま、そんときは守ってやれよ、なんて。

勝手に思ってみたり。