「お互いさ、いろいろあんのよ」
「中学の頃から一緒なんだよね?」
「おー」そうだけど。
「なんか、幼馴染みみたいな口振りだからさ‥‥‥‥」
「ありえねーよ」殺す気か、と返す。
あんなうるせぇヤツが幼馴染みだったら、おれの毎日はもっと大変に違いない。
ただでさえ、毎日4歳児の相手をしているというのに。
「いろいろあんだね、そっちも」
「まぁ、そうだな」
____中学の頃は、特に。
「あいつが言わねぇなら、おれも言うつもりないけどな」
「俺より、いずみんのが秘密主義じゃない?」
「そうか?」
「そーゆーとこ」
「どーゆーとこだよ」ま、いいけど、と階段を下りて図書室へ続く廊下へ出る。
「____あっ!!」
とそこで、噂に出ていた本人が向こう側から駆け寄ってくる。
ふと、4歳の末の弟と比べてしまう。



