淡色の君と、透明なセカイ

「ん、そーだけど。なんかもっと、分かってから付き合いたい」


「以外と慎重派?」


「や、普通じゃね?みんなが顔で選んでるだけだろ」どーせすぐ別れる、と教科書に視線を移した。


「いずみん、結構言うよね」相談役のくせにさ、と笑う。


「本人が傷つかない程度になー。いつも気ぃ張ってたら疲れんだろ」


「____つか、むしろ、よく知らないで付き合った方がリスク高いと思うわ」


「あー、そーかも」いろいろ知らないことばっかりあるから、と桜庭君が言う。


「だろー?」やっぱ彼女いるんだな、という目。


「みんな、普通に誰かと付き合ってるのかと思ってました‥‥‥‥」


「少女漫画か!!」と突っ込まれる。


「でも、そういう訳じゃないんですね」


「それ、おれに言ってる‥‥‥‥?」


「いっ、いえ!!そういうわけではなく!!‥‥‥‥ただ、いなくても、"普通"になれるんだな、って」


「"普通"かー‥‥‥‥」


「そうかもね」


「ちょっと、安心しました」別に誰かを好きとか、そういうのはないけど。





「サクは、顔で選ばれそう」


「あー‥‥‥‥」そういうこともあったりする、と苦笑する。


「やっぱあるんだ、そーゆーの」