「テストですか‥‥‥?」


「うん。‥‥‥‥とか、いろいろさ」



冬休みの時もなにか悩んでるみたいだったし、前の学校のことかな。

なんとなく聞いちゃいけない気がして、聞かないけど。



「お待たせ―!!」本を脇に抱えて、笑菜ちゃんが図書室から出てくる。


「ごめん、時間ギリギリになっちゃって‥‥‥‥!!」


「大丈夫大丈夫」言いながら、3人で家庭科室に駆け込んだ。


教室が近くてよかったけど、走ったせいでちょっと息が苦しい。


いつもは少し遅れてくる先生なのに、今日に限って早めに来ていて、「遅刻だぞ」と怒られてしまった。


「「「すみません」」」とそれぞれの席に着く。




____なんか、【普通】の学校生活だなぁ、とぼんやり考える。


漫画や小説で読んだ憧れの中に自分がいる。

ずっと、自分では辿り着けないと思っていた場所が、いつのまにか足元にあるなんて。なんだか不思議で。



この2人で良かったな、なんて。

少しだけ、嬉しくなった。