「ほんとっ!?」


「あっちに歴史辞典があって、もしかしたら載ってるかなぁ‥‥‥なんて」



取ってきますね、と一旦その場を離れて、近くの歴史書の本棚へ向かう。

ついでに関連のありそうな本も何冊か持ってくる。





「この本の、180ページあたりに載ってます」


「おおー!!ほんとだ!!」さすが図書委員!!と瞳をきらきらさせている。


「ありがと!!」


「‥‥‥麻ちゃん」


「んっ?」


「もうそろそろ移動しないと間に合わなくなるよ?」言われて時計を見ると、移動時間ギリギリだった。


「うっわ、ほんとだ!!」ちょっと貸りに行って来るね!!と慌てて受付に走る。

彼女が手続きをしている間に、荷物をまとめておく。




「ありがとう」


「え‥‥‥‥?」まさか彼から言われると思ってなくて、ちょっと困惑する。


「俺だけじゃ多分、ここまでできなかったから」


「‥‥‥‥いえ」そう言われると、ちょっと嬉しい。


「俺も、頑張らないとなぁ‥‥‥」