気がついたら、目の前に定食を持った彼女が。

考え込んじゃってたみたい。



「早く食べようよー」


「そ、そうですね‥‥‥‥」ふと、彼がいないことに気づいた。


「あの、桜庭君は‥‥‥‥‥‥?」


「あ、奏ならあそこ」



見ると、食堂のおばちゃんに捕まって、定食のメニューを何倍にも盛られていた。

「お待たせ」とやって来た頃には、お皿に山盛りのしょうが焼きと、ご飯が2杯。

お味噌汁が普通の量だから、余計に目立つ。



「どしたのそれ‥‥‥‥!!」


「や、なんか、男子なんだからもっと食べなさーい!!って言われちゃって‥‥‥‥」と恥ずかしそうにする。


「すごい量ですね‥‥‥‥」私もしょうが焼きにしたけど、普通の量だ。


「いる?」


「いる!!」桜庭君の問いに瞳をきらきらさせて答える。

さっきから凝視してたもんね。





「にしても、4時間目早く終わってよかった~!!」ハンバーグを食べながら、笑菜ちゃんが言う。


「お昼食べれないところだったよ!!」とすごい勢いで食べ進めている。


私が食べ終わる頃には、桜庭君からもらったご飯としょうが焼きを食べ終えていた。