「____で?結局終わんなかったのかよ」
「‥‥‥‥ハイ」
椅子の上に正座している彼女に深いため息を吐いて、泉君が頭を抱えてしまった。
「どうしたんですか?」
「冬休みの宿題、終わらなかったんだと」
「ええ‥‥‥‥!?」
「や、なくしちゃって‥‥‥‥」他のはちゃんと出せたから!!とあわあわし始める。
「それは言い訳だろー」
「違いますー!!」
「なにが終わってないの?」
「歴史の調べ学習‥‥‥‥」
「あー、あれか」
本当は冬休みの宿題には入っていなかったけど、授業で終わらなかったからって、先生が出したやつだった。
リストにも入ってなかったから、忘れた人が結構いたみたい。
「なんか、あたしハズレ引いたっぽくて」
「うわ、まじかよ」どれ?と泉君がテーマの書かれたプリントを覗き込む。
課題のテーマは、冬休み前の授業でじゃんけんして、みんなで決めたやつだ。
1人ずつテーマが違う。



