「____おはよ」
笑菜ちゃんがまた私にすがり付いて来たころ、卯の花色がにじんだ。
「奏!!助けて!!」
「えっ、なになに!?」
「ちょ、ばか、男子に抱きつくのはやめろ!!」
「盾にするだけだもん!!」
「なになに‥‥‥‥」いきなり後ろに回られて困惑している。
「いい加減、入ってきたクラスメイトに抱きつくのをやめろ」泉君に釘を刺されて、ブーブー言いながら椅子に腰を下ろした。
「どしたの?」
「テストの成績が、悪いとのことで‥‥‥‥」
「2人ともひどい!!そんな目で見なくてもいーじゃんっ!!」
「そういえば、来週から2週間前だっけ」俺、こっち来てから初めてだよ。と思い出したように言う。
「ギリギリ期末終わった頃だったもんなー」転校生いいわ、と疲れた表情で泉君が前の席に座る。
「結構範囲違ったけどね」追い付くの大変だよ、と苦笑する。
「そいや、なんでそんな差あんの?」高校ってどこも変わんなくない?と言いながら、鞄からポッキーの箱を取り出す笑菜ちゃん。
「お弁当は‥‥‥‥」今日は、ないのかな。
「さっき食べた!!お腹すいちゃって!!」
食べる?と差し出されたポッキーを受け取っておく。
本当に、彼女の胃袋はどうなっているんだろう。



