「____なぁ」


「‥‥‥‥ん?」



バスが発車してしばらく経ったころ、いずみんが声をかけてきた。



「なに?」


「いや、あの‥‥‥‥‥‥」珍しく、渋っているところを見ると、言い出したくないことなのかもしれない。




「____どう思った?麻ちゃんのこと」




「どうって」

ビックリは、したけど。

 

「サクにはあいつ、どう見える‥‥‥‥?」

うーん。と少し考える。



「結構激しめ」


「は?んだそれ」

予想通りの反応が返ってくる。やっぱり面白いな、と思う。



「こう、普段と、生活が‥‥‥‥差がありすぎて」


「____ま、そうだよな」ため息混じりにそう言って、椅子に背中をもたれる。


「なんで?」


「や、なんかあいつさ」気にしてるような気がして。と窓に目線を移す。


「気にしてんのは、いずみんじゃない?」


「え、なんで」


「だって、そういう表情《かお》してっし」

心配なんでしょ?と言うと、照れくさいのか、少し遅れて頷く。