____すごく、懐かしいと思った。
家に入るとき、インターホンを押したら、お母さんが出迎えてくれたり。
家族と一緒にご飯を食べたり。
お父さんと、一緒に話したり。
そういうこと、もう何年もしてないな。と思う。
なんだかずっと、こうしていたいと思う。
背中に伝ってくるシノちゃんの熱が、なんだか落ちつく。
____自分との格差を、見せつけられる。
「____ねぇ」
呼びかけると、びくっ、としてこっちを向くような動きがあるのが分かる。
「ごめん。起こしちゃった‥‥‥‥‥?」
もしかしたら、あたしがいるせいで寝られないのかもしれないな、と思う。
ちょっとだけ、申し訳なくなる。
「やっぱ、やだなぁ‥‥‥‥って」見れば見るほど、思う。
「‥‥‥‥?」
「ごはん、家族であんな風に、手合わせて食べたの‥‥‥‥久々で」