思ったより、複雑な家庭環境だった。
アルバイトたくさんしてるのも、家に帰りたくないから‥‥‥‥?
「なんか、すみません‥‥‥‥」
「‥‥‥‥ん-ん。別に平気。もう慣れてるし」
____その横顔は。すごく、悲しそうで。
「あの‥‥‥‥」
「ん‥‥‥‥?」
こっちを向いて、向かい合わせになったのが、何となく分かる。
「いつでも、来ていいですからね」
ちょっと迷ったけど、布団から出ていた彼女の手を握った。
「‥‥‥‥ありがとう」ふわ、と黄色が浮かぶ。
私の手を、握り返してくる。
「あ、あと‥‥‥」
「うん」
「みんな、笑菜ちゃんと一緒ですから‥‥‥‥いつでも、頼って下さいね?」
「‥‥‥‥‥ん、ありがと」
黄色が、濃く浮かんで。
私の視界にこびりついて、しばらく消えなかった。