「なんか、笑菜ちゃんからしたら、貧乏くさいかもしれないですが」


「んーん。そんなことないよ」前の家、こんなだったしねと付け加える。


「そうなんですか?」


「うん」中学の時に、あの家に引っ越したの。と話してくれる。


「だからなんか、懐かしいなぁ‥‥‥‥って思って」


「そう、ですか‥‥‥‥」

少しだけほっとする。




「あの」


「なに?」


「じつは、あの‥‥‥‥」こんなこと言ったら、馬鹿にされるかな。


「初めてなんです。と、友達を、家に連れてきたの‥‥‥‥」


「そうなんだ」


「なので、あの、上手く、出来ないかも、しれないですけど」





「‥‥‥‥‥‥ありがと」私の言葉にそう言って、黄色い笑顔を向けてくる。

こうやって泊めてくれるだけでうれしいよ、と目を伏せる。




「あっ、じゃ、‥‥‥‥‥‥戻りましょうか」

そういえば、もう荷物は置いたんだった。
こういうの、慣れないなぁ‥‥‥‥‥‥。