「ここからバス、乗らなきゃですけど‥‥‥‥」


「なんだ」さっき嘘吐いたんだー、とうれしそうに言う。声が、黄色がかってくる。


「シノちゃんも、嘘吐くんだ‥‥‥‥」


「人間ですから‥‥‥‥‥‥」私が言うと、あはは、と笑う。


「なにそれー」


____いつもの色に戻った。





「来ますか?」


「いいの?」


「母に泊めていいか聞いたら、即答でした」スマホの画面を見せる。


「あ、ほんとだ‥‥‥‥」てか、スタンプのセンス‥‥‥‥!!とまた笑う。






「いいんですか?荷物とか‥‥‥‥」



____数分後。

「準備してくるね!!」と家から出てきた割には、肩に小さい鞄が下がっているだけだった。

手には、大きめの紙袋。



「うん。いつも、スマホと充電器と、お財布だけだし!!」


「あの、パジャマとかは‥‥‥‥?」


「べつに、今着てる服でいっかなーって。
____あ、下着はもちろん持ってるよ!!」
そこは安心して!!と()してくる。


「そ、そうですか‥‥‥‥」