「____あの」
「んっ?」一瞬、スマホから視線を外す。
「なにしてるんですか?」
「え?あー‥‥‥‥‥‥どっか泊まれないかなって」交渉中ー、とまたスマホに視線を落とす。
「仲、悪いんですか」
「んー、かもね」あー、ダメか~とぶつぶつ呟いている。
「少なくとも、普通の家より悪いかなって。家、帰りたくないし」
さっきからずっと、声が灰色だ。
なんだか珍しいな、と思う。
こういうところ、学校では見せないから。
「____あの」
「ん?」
「行くとこ、ないんですよね」
「んー‥‥‥‥、まぁ」
「来ますか?私の家‥‥‥‥‥‥」
「えっ‥‥‥‥‥‥?」