「おれ今日当番じゃん‥‥‥‥」弟迎えにいかねーと‥‥‥‥!!とスマホを見た泉君が慌てて荷物を片付ける。


「じゃ、お開きにしよっかー」片付けてくるね!!とお皿をまとめていく。


「おー」


「ありがとう」


「んーん!!あたしも結構進んだし!!」言いながら、部屋の扉を開けて降りていく。





私も荷物を片付けて____と、そこでお皿が1枚置いてあることに気付いた。


「私これ、片付けてきます」


「あ、んじゃおれらも行くか」どーせ帰るだけだし、と2人も席を立つ。


「やべ、ずっと座ってばっかだったから足しびれたかも」フラフラする泉君を横目に見ながら廊下に出る。








____ガチャンっ!!


下の方で、陶器の割れる音が聞こえた。

夏虫(なつむし)色が見える。




「大丈夫かー!?」


「うん、へーき」




泉君が呼び掛けると、すぐに返事が帰ってくる。

____その声は、完全な灰色で。



「あ、やべーかもな‥‥‥‥」泉君が固い声をこぼした。




「____ちょ、お嬢!?」待てってば!!と後ろから階段を下りてくる音。


バタバタ、と赤紫色が視界に浮かんでいく。