「ありがとー!!」


彼女がそう言った時には、私は1歩も動かないまま。

完全に置いていかれてしまった。




「すみません‥‥‥‥」


「大丈夫だよー!!」言いながら、お菓子を取り分けてくれる。


なにからなにまで申し訳ない。




「え!!!!もうやってたのー!?」

「あたしまだなのにー!!」向かい側に座って、持ってきたポテトチップスの袋を開ける。


「まだだよ」

今から始めようかと思って、と桜庭君が少し遠慮しながらも、テーブルの真ん中に置かれたお菓子に手を伸ばす。




「よかったー」


「なんでそれなんだよ」


「ん?」


「や、おれらは、なんか高級そうなヤツじゃん?」


「‥‥‥‥そ?」


視線を飛ばしてくる彼女に、うんうんと頷く。




あたかも高級そうなケーキやお菓子が、テーブルに置かれている。

お皿が重なっていて、一体どういう構造をしているのかと思う。

こんなにあって、食べきれるかな‥‥‥‥。