「あんまり、人と関われなくて‥‥‥‥。こういうのも、初めてなので‥‥‥‥」


「ごめんな、初めての勉強会がこんなとこで」


「いっ、いいえ!!」


「あんまりこういうとこ、ないと思ってたよ」高級住宅街的な、と桜庭君が荷物を出し始める。


「どこにでもあんじゃねーの?東京とか、こんなのだらけだろ」行ったことねーけど。とワークを開く。


「そうでもないよ」


「んなもん?」


「まぁ、俺も行ったことないけどね」と笑って答える。


「お嬢はもう終わってんだよなー」いいな、と言いながらスマホをいじっている。


「まだ終わってはないですよ、見えかけたくらいで」



2人が勉強道具を開くのを見て、私も持ってきた教科書を出す。

ワークは終わってるから、あとは残ったプリントをやるだけ。



「いやそれ、もうほぼ終わりだろー」いつの間に私の課題一覧表を覗き込んでいる。


「なにもやることがないもので‥‥‥‥」言いながら、なんだか(むな)しくなってくる。


「どうせ、俺らもやるんだし‥‥‥‥」


「まぁなー」




「お待たせー!!」


「おおー」扉開けとくよ、と泉君が立ち上がる。


「ごめんねー!!」


「大丈夫?」桜庭君が、お盆の端にあったコップを持ってくる。