「あたしの部屋は、こっちだよ♪」


お家の人がいなかったのでお手伝いさんに手土産を渡し、大理石のタイルが並んだ広すぎるリビングを通り抜ける。

螺旋の階段を上がると、また広い廊下に出る。

足がつくところ以外は透明になっていて、
下の景色が見えるから、ちょっとどきどきする。



白い床、白い壁、白いドア。

一体どの部屋がどこなんだろうか。


地面が淡い色のフローリングになって、少しほっとする。

廊下を曲がった先の奥の部屋に通される。



「じゃ、ここで待っててねー!!」

ぱたん、と扉が閉まると、一気に肩の力が抜けた。



「なんか、緊張しました‥‥‥‥‥‥」


「俺もー‥‥‥‥‥‥」


「分かるわ」泉君もほっとしたような表情になる。


「いずみん、慣れてるんじゃ?」


「んなわけねーだろ。緊張くらいするわ」しかもお手伝いさんとかカンベン‥‥‥‥‥‥。と側にあったクッションに横たわる。


「ほんと、ビックリしたよね」


「‥‥‥‥ですね」


「おれも初めて来たとき、人って見かけによらないなって思った」


うんうん、と桜庭君も同意している。



____びこんっ♪

「あ、おれだわ」悪ぃ、とスマホに目を向ける。