「あの、笑菜ちゃんは‥‥‥‥?」泉君が自分の部屋に入ったのを見計らって言う。
「サクに電話で凸ってから、来ないんだよな」おれも知らんけど、とだるそうにしている。
「俺、話あるってだけしか聞いてないけど」グループに電話して!!とだけ‥‥‥‥と続ける。
「なんか嫌な予感する」
「「え」」
「どうせあれだ、宿題手伝えとかだ」
「分かるんですか?」
「もう冬休みも後半入ったし、そのくらいしか思い浮かばん」部活も忙しそうだしなー、と言うけど特に気にしてなさそうだ。
「逆に、違うのってある?」おれ"宿題手伝って"に1標ー、と勝手に賭け始める。
「話したいだけとか?」
「それもあるなー。いつもそんなんだしな」むしろまともな相談の方が少ないけど、と続ける。
「そうなんですか?」
まともな相談、受けたことあるんだ。
彼女には申し訳ないけど、深く悩んでいるようには思えない。
「競技なにがいー?とか、お菓子なにがいー?とか」
「それ、相談なんですか?」
「話したいだけよりはまともじゃね?」
「まあ、そう‥‥‥‥‥‥かな?」