「シノは?」


「え?」


「なんで残ってたのかな~って」


「委員会で‥‥‥‥」


「いつもこんなことしてんの?」


「いつもでは‥‥‥‥学期の始めとかに、してるだけです」


「本、好きなの?」


「おちつくので」


「へー」





「____あ、図書室、ここです」



2階のまんなか辺りにある、木製の扉に手をかける。

きぃ、と薄紫色がにじんで、扉が開く。   





「結構広いな」


「そうですか?」


受付の後ろのボードの下に、貸し出し表を提出する。







「うし、帰るかー」


「あ、あの‥‥‥‥‥‥‥‥非常に、申し上げにくいのですが」








「バス来るの、2時間先です」