「____じゃ、これ掛けてくるよ!!」


「それは、2人に頼めばいいんじゃね?」


「えっ、なんで?」


「お嬢は頑張りたいし、サクもこっち来てから初めての正月だしさ」

記念に行ってくれば?と目配せをしてくる。




「それって理由になるの?」笑いながら、桜庭君が絵馬を受けとる。


「新しい門出みたいな」


「なんで卒業みたいになってんだよ」


「卒業っつか、入学だろ」


「入学って」まあ、そうかと笑う。


「シノも来る?」


「え、あ、はい」指名されてしまったんだから、行くしかない。






「わ、たくさんありますね‥‥‥‥‥‥!!」


「すごいね」



たくさんの絵馬がひしめき合っていて、紐を結べる場所がないくらい。

どうにか掻き分けて、結ぶ場所を確保。

他にも大きい絵馬があるみたいで、
縁結びや健康のお願いがどれも寄せ書きみたいに書かれていた。


空いた場所に結ぼうとしたけど、紐が短くてうまくいかなかった。

絵馬が大きいせいで押さえている人が必要だったから、2人で来てよかったかもしれない。