「‥‥‥‥‥‥折ったりするんだ」私が紙コップを折り曲げていると、覗き込まれてしまった。


「残った飲みものがこぼれるといけないので‥‥‥‥‥‥」

変なことだったかな。



「俺もそうすればよかったなー」


「すみません、待ってもらっちゃって‥‥‥‥‥‥」近くのごみ袋に捨てて、彼の側に駆け寄る。


「ううん、行こ」





「遅いよー」


「ごめん」


「2人の世界入っちゃって、話しかけられなくて困ったよ」




笑菜ちゃんが、「聞けた?」と視線を飛ばしてくる。


「聞けてません」と軽く首を降ると、ちょっとがっかりしたような表情になった。

「やっぱり無理だよね」ごめん、とジェスチャーをしてくる。


こういうとき、ちゃんと分かってくれるんだ。






「絵馬ってどこに売ってるっけ?」


「さっきあっちの方にあったよ」

桜庭君が指差すと、「買ってくる!!」と人混みへ走って行った。



「あーあー、もう‥‥‥‥」絶対転ぶぞアイツ、と泉君が呆れている。


よく見てるな、と思う。