「あのさ、シノ」
「な、なんでしょ‥‥‥」しばらく話してなかったからか、距離感がつかめなくて声が裏返る。
「それ、いつ終わんの」
「え、と‥‥‥‥この棚に入った本をこの項目通りに入れかえれば、終わりです」
「じゃ、もうちょっと?」
「あ、はい‥‥‥‥‥え?」
いつの間にか後ろに移動して2段目の本を入れかえていく。
「あ、あの、なにを‥‥‥‥」
「仕事、終わらないと話せないし」
「あの、なんで、本‥‥‥‥」
「手伝うよ、これ」
「あ、ありがとう‥‥‥‥‥‥‥‥」
この会話の間にも、どんどんと本を並べかえていく。
すごい速さ。
「お、終わった‥‥‥‥‥‥‥‥」
いつも3倍くらいのスピードで並び替えられた本棚を見ながら、感激する私。
こういうの遅いし、背が低くて2段目はいつも手こずってしまうんだけど。