「シノ?」
「は、はいっ‥‥‥‥‥」
「大丈夫?」
「はい‥‥‥」
周りの人たちが、ちらちらこっちを見ているのが分かる。
視線が痛い。
「奏がそんな格好してるから、シノちゃんビックリしてんだよー!!」
「や、だって私服じゃん?」
「都会感すごいて」
「まじで、恥ずかしいからそういうのやめて‥‥‥‥‥‥」と、マフラーに顔を埋めてしまった。
「奏がそんなおしゃれだと、あたしがダサくないか心配になる____」
「____ごめん、遅れた」
「いずみん、おっそいー!!」
「絡まれて大変だったんだよ‥‥‥‥‥‥」
「え、ヤクザ?」
「ちげーわ、バカ」全然家から出られんかった、とため息を吐く。
妹さんたちに絡まれて、家から出られなかったんだって。
それを聞いて、この間会ったのは弟君だったな、と思い出す。
何人きょうだいなんだろう。