「シノちゃーん!!」
____当日。
待ち合わせ場所の神社の前に着くと、笑菜ちゃんが手を振っているのが見えた。
「久しぶりー!!」
「すみません、遅れて‥‥‥‥!!」
「大丈夫大丈夫!!いずみんまだだから!!」
「すみません‥‥‥」言いながら、彼女を見る。
「どしたの?」黙り込んだ私に、大きな瞳が映る。
「____おしゃれだなぁ、って」
前にも思ったけど、私服だと、やっぱり大人っぽく見える。
ふわふわの綿菓子みたいな上着に、スキニーパンツとブーツ。
「あ、ありがと‥‥‥‥‥」照れくさいのか、控えめな黄色が浮かぶ。
「あの、桜庭君は‥‥‥‥?」
「ああ、奏なら、さっきトイレ兼立て籠りに行ったよ」
「え、立て籠‥‥‥‥‥?」一体なにが。
「なんか、奏目立っちゃってさ、恥ずかしいらしくって‥‥‥‥‥」
「へぇ」かっこいいからかな。