「泉君、好きな人いるんですか?」
「え、な、‥‥‥‥は!?」
驚いているのか、うれしいのか、
色が浮かんだり、濃くなったりしている。
「だって、それって____」
「にーちゃん」
「ん、どした‥‥‥‥‥‥‥‥!?」弟君を見てぎょっとしている。
「ころんじゃった」ちょっと涙目になっている。
弟君の手に、じわじわと血がにじんでいく。
「いたいぃ‥‥‥‥」
ぼろぼろと泣き出してしまった。
泉君が膝を確認すると、
血は出ていないけど、そっちも赤くなっていた。
「あーあー、もー」
いつの間にか濡らしたハンカチを傷口に当てている。
すごい。
「あんまりはしゃぐとコケるって言ったのに‥‥‥‥」
抱き上げて、休憩所の椅子に座らせる。
「あ、やば‥‥‥‥、絆創膏切らしてたわ」
「なおらないの‥‥‥‥?」
「ちゃんと洗えば、なにもしなくてもすぐ治る」
弟君は治らないと思ったのか、涙が転がっていく。