はるかちゃん、今、どこにいるんだろう。
 元気にしてるかな。
 母さんもあれ以降、はるかちゃんの母親とは連絡が取れなくなったって言ってたし。
 俺ははるかちゃんの姿を頭に思い浮かべた。
 クリっとした大きな瞳に、スベスベの肌、サラサラの髪……。
 あれは絶対美人になってるやつだよなぁ。
 めっちゃモテてるんだろうな。
 つーか、彼氏出来てたりしたら、どうしよう!
 いや、俺は何を考えているんだ。
 あの子にとって俺は、わずか二年弱一緒にいただけの元・幼馴染のような存在なんだ。
 
 忘れられていて、当然だ。
 
 もし、当時向こうも俺に恋愛感情を持っていたとしたら……
 いやいやだからといって、
 今でも俺のことが好きとは限らないよな。
 そもそも、俺より顔が良くて、中身も良い男なんて、この世にいくらでもいるんだし。
 やっぱり、もしも再会出来たらなんて期待は捨てるべきなんだろうか。
 でも、このまま諦めたくはない。
 俺には、はるかちゃんしかいないんだ……
 俺は今でもどうしようもないくらい、あの子が好きなんだ……

「…のホームルーム、始めるぞ」
 
 俺の意識はそんな担任の声によって、現実へと引き戻された。
 
「今日は、お前らに良い知らせがある」
「え〜、何なに〜?」
「センセー、子供でも生まれたんすか〜?」
「全然違う。今日から、このクラスに新しく生徒が加わる」
 
 転校生……ってやつか。
 
「マジ?」
「えー、イケメンかなぁ」
「何言ってんだよ!お前」
 
 クラスがざわついた。
 まぁ、確かに俺もどんな奴が来るのか、
少し気になる。