◇
「なんて言うかその…
思ってたより、汚いね…」
勉強会当日。
俺の部屋に足を踏み入れた遥の第一声がそれだった。
「これでも、綺麗にしたんだけどな…」
「いや、そんな風には見えないよ」
まあ、確かにベッドの上には、雑誌が乱雑に置いてあるし、机の上はシャーペンとボールペンだらけだし…
綺麗にした、と言っても実際は掃除機をかけるくらいしかしていない。
「まあ僕は男だから、良いけどさ。
もし、ここに女の子が来たら、マジで引かれるよ?」
遥が眉をひそめ、こちらを見た。
「いや、まず無いだろ。俺の家に女子が来るなんて」
「何でそう言い切れるの?」
「だって…」
はぁー、これ、言わないとダメなのか⁉︎
「その……
俺、遥以外に興味ねぇし」
羞恥からなのか、消え入るような声になってしまった。
「え、それって!僕のこと好きってことだよね?」
さては…こいつ、カマをかけやがったな……⁉︎
卑怯者ぉ……‼︎
「いや、違う‼︎違ぇから‼︎」
何言ってんだ、俺。
俺はいつも、そうやって誤魔化して逃げようとする。
自分の気持ちがはっきりするまでは、遥に告白なんかしないって決めてた。
でも。
でも…‼︎
俺は胸に手を当てた。
鼓動は今まで感じたことのないほどの早さだ。
これが何よりの証拠だろう。
俺は覚悟を決め、体を遥の方へ向けると
その瞳をじっと見つめた。
無言ではあるが、表情の微妙な変化から、
俺の突然の行動に対する遥の戸惑いが、伝わってきた。
俺は大きく息を吸った。
そして、
「好きだ、遥」
その瞬間、
世界が少し変わったような気がした。
「なんて言うかその…
思ってたより、汚いね…」
勉強会当日。
俺の部屋に足を踏み入れた遥の第一声がそれだった。
「これでも、綺麗にしたんだけどな…」
「いや、そんな風には見えないよ」
まあ、確かにベッドの上には、雑誌が乱雑に置いてあるし、机の上はシャーペンとボールペンだらけだし…
綺麗にした、と言っても実際は掃除機をかけるくらいしかしていない。
「まあ僕は男だから、良いけどさ。
もし、ここに女の子が来たら、マジで引かれるよ?」
遥が眉をひそめ、こちらを見た。
「いや、まず無いだろ。俺の家に女子が来るなんて」
「何でそう言い切れるの?」
「だって…」
はぁー、これ、言わないとダメなのか⁉︎
「その……
俺、遥以外に興味ねぇし」
羞恥からなのか、消え入るような声になってしまった。
「え、それって!僕のこと好きってことだよね?」
さては…こいつ、カマをかけやがったな……⁉︎
卑怯者ぉ……‼︎
「いや、違う‼︎違ぇから‼︎」
何言ってんだ、俺。
俺はいつも、そうやって誤魔化して逃げようとする。
自分の気持ちがはっきりするまでは、遥に告白なんかしないって決めてた。
でも。
でも…‼︎
俺は胸に手を当てた。
鼓動は今まで感じたことのないほどの早さだ。
これが何よりの証拠だろう。
俺は覚悟を決め、体を遥の方へ向けると
その瞳をじっと見つめた。
無言ではあるが、表情の微妙な変化から、
俺の突然の行動に対する遥の戸惑いが、伝わってきた。
俺は大きく息を吸った。
そして、
「好きだ、遥」
その瞬間、
世界が少し変わったような気がした。