6
すっかり辺りは暗くなった。
合宿所の小さな広場でバーベキューが始まる。
俺と夏目先輩は、二人でせっせと肉を焼いていた。申し訳程度にしか無かった野菜類は、焼いて紙皿に乗せておくと、そのまま冷めていった。やっぱりみんなの狙いは肉やフランクフルトだ。
「敬、お前もちゃんと食べろよ?」
「大丈夫です。食べてますから。すみません、先輩に手伝わせてしまって…」
「仕方ないよ。うちは一番部員数少ない上に、本来なら肉焼くのは一年の仕事なんだけどさ、うちの部の一年はお前だけなんだから。二年の三人なんて塾があるからって合宿来ないし」
「仕方ないですね。俺は夏目先輩と一緒にバーベキューやれて凄く嬉しいんで、全く問題無いです」
「ハハッ、可愛い奴だな!」
「先輩、鼻の頭に炭が付いちゃってますよ」
俺は先輩の鼻の頭を指で拭う。
「何イチャついてんのよ」
「鮎子」
いつの間に来たのか、田中先輩が立っていた。
「私も何か食べていい?」
「あぁ、ここの肉はもう焼けてるぞ」
「あー、私はこの焼き野菜でいいわ。今ダイエット中だし」
田中先輩は紙皿の上で冷めていたピーマンと玉ねぎ、椎茸に焼肉のタレを掛けて食べ始めた。
「炭火で焼くと何でも美味しいわね」
「まあ、鮎子がそれでいいなら」
だいぶみんな食べ終わって、まったりした空気になってきた。
「田中先輩、何か飲みますか?烏龍茶か、オレンジジュース、コーラがあるみたいです」
「常温のミネラルウォーターがあるといいんだけど」
「見て来ます」
俺は荷物が集めてある場所へ見に行く事にした。ガサガサとクーラーボックスの中を探すと、2リットルのミネラルウォーターのペットボトルを見つけた。
「ありましたー」
と言って俺が戻ると、夏目先輩と田中先輩が険悪な雰囲気で見つめ合っていた。
「あ、失礼しました…」
俺は近くのテーブルにペットボトルをそっと置くと、その場を離れようとした。
「敬!待って。俺も行く」
すると、夏目先輩が追って来た。
「大丈夫なんですか?」
「うん。もういい。敬、ちょっと散歩付き合ってよ」
「はい」
すっかり辺りは暗くなった。
合宿所の小さな広場でバーベキューが始まる。
俺と夏目先輩は、二人でせっせと肉を焼いていた。申し訳程度にしか無かった野菜類は、焼いて紙皿に乗せておくと、そのまま冷めていった。やっぱりみんなの狙いは肉やフランクフルトだ。
「敬、お前もちゃんと食べろよ?」
「大丈夫です。食べてますから。すみません、先輩に手伝わせてしまって…」
「仕方ないよ。うちは一番部員数少ない上に、本来なら肉焼くのは一年の仕事なんだけどさ、うちの部の一年はお前だけなんだから。二年の三人なんて塾があるからって合宿来ないし」
「仕方ないですね。俺は夏目先輩と一緒にバーベキューやれて凄く嬉しいんで、全く問題無いです」
「ハハッ、可愛い奴だな!」
「先輩、鼻の頭に炭が付いちゃってますよ」
俺は先輩の鼻の頭を指で拭う。
「何イチャついてんのよ」
「鮎子」
いつの間に来たのか、田中先輩が立っていた。
「私も何か食べていい?」
「あぁ、ここの肉はもう焼けてるぞ」
「あー、私はこの焼き野菜でいいわ。今ダイエット中だし」
田中先輩は紙皿の上で冷めていたピーマンと玉ねぎ、椎茸に焼肉のタレを掛けて食べ始めた。
「炭火で焼くと何でも美味しいわね」
「まあ、鮎子がそれでいいなら」
だいぶみんな食べ終わって、まったりした空気になってきた。
「田中先輩、何か飲みますか?烏龍茶か、オレンジジュース、コーラがあるみたいです」
「常温のミネラルウォーターがあるといいんだけど」
「見て来ます」
俺は荷物が集めてある場所へ見に行く事にした。ガサガサとクーラーボックスの中を探すと、2リットルのミネラルウォーターのペットボトルを見つけた。
「ありましたー」
と言って俺が戻ると、夏目先輩と田中先輩が険悪な雰囲気で見つめ合っていた。
「あ、失礼しました…」
俺は近くのテーブルにペットボトルをそっと置くと、その場を離れようとした。
「敬!待って。俺も行く」
すると、夏目先輩が追って来た。
「大丈夫なんですか?」
「うん。もういい。敬、ちょっと散歩付き合ってよ」
「はい」