普段はふわふわした柔らかい喋り方をする凪咲ちゃんだけど、自分の中にはしっかりと芯があってとても強い一面もある。
そんな姿も私の憧れる一つだ。

「凪咲ちゃんの新しい恋、応援する!」

「え~ほんと?奏葉ちゃんに言われたら私頑張っちゃう!」

「奏葉は何お祈りしたの?やっぱり受験?」

「そうだね。頑張りたいから…」

「奏葉なら大丈夫。毎日毎日頑張ってるんだもん。当日も私達祈ってるから!」

「ありがとう」

愛梨ちゃん達にもお母さんとのことは軽く話した。
みんなは何も否定せずに私が決めた道を応援すると言ってくれて、心強かった。

「山宮は?」

「ん?俺?うーん…内緒」

「はぁ?何それ~」

「こういうの人に教えると叶わないっていうじゃん」

「何それもう山宮以外みんな言っちゃったけど⁈」

「大丈夫だよみんななら」

「また適当なこと言って…」

山宮くんのお祈りしたこと…少し気になるけれど、やっぱり受験とかなのかもしれない。
そんなことを考えていると、柏木くん達はお守りを買いに行っていた。
あまり神頼みとかはしない方だけど、今回ばかりは買っておくべきなのだろうか。
そう思い私もみんなにつられて一つだけお守りを買ってみた。
紫色のそれを、久しぶりに手にする。
どうか、みんなの願いが叶いますように。
もしそれが叶わなくても、みんな幸せに一年を過ごせますように。