そんな時に部下から「金剛田権造」と結婚したいと言う女が現れたと報告があった。

女の家族から多額の結納金など要求があった。

金目当てか…と呆れたが、父から苦言をされている以上悩んだ。
ふと考えた金払って子だけ産ませれば結婚しなくて済むのでは?と。

俺から見れば大した額ではないため受ける事にした。

その場から女が逃げればそれはそれで構わない。
受け入れるなら子だけ産ませて捨てればいい。


会った女は名を「伊澄澪」

数日前に会議室にいた女だった。

金に目が眩んだ家族に騙されでもしたのか怯えて目が死んでいた。
俺にとってはどうでもいい。

ホテルの客室に女が現れシャワーを浴びさせる。

女の体に触れるなど虫唾《むしず》が走る


待ってる間、愛鳥のミオの歌声を大音量でかける
俺の心を癒やしてくれる


シャワーから出た女は結婚破棄を申し出る

女は先ほどまでの目が死んでいたものとは違い、強気な目だった。


(何があった…?)


一生返せない借金背負ってまで俺の子を産みたくないと?

いい度胸だ。