あっという間に月日は流れ、卒業式後すぐに神楽くんは上京していきました。

すぐ近くに目標とする神楽くんが居なくなって、寂しくもあったし、誰を目標に生活していけばいいのか分からなくなったのですが、それでも僕は、神楽くんと同じ東京の大学へ入るために、2年生になってすぐ猛勉強を始めました。もちろん、神楽くんが僕のために創設してくれた、BL・GL同好会を部長という立場で守り、1年生の女子生徒2人と一緒に活動もして、過ごしていたのです。

神楽くんが進学していった大学は、僕が、高校入学時の学力では到底目指せそうになかった偏差値を誇っているのですが、2年生の冬には余裕で合格できるレベルにまで到達していたのです。すべては自分と神楽くんのため。その思いを抱き続けたまま、僕は残り1年と少しの高校生活を満喫すると決めたのです。

 神楽くんと離れ離れになっても、講義やアルバイトでどれだけ忙しくても、月に1度は必ずテレビ電話で状況を教えてくれたり、毎日SNSで愛していると伝えてくれたりと、少しでも僕に寂しい思いをして欲しくない、身近にいるように感じていて欲しい、といった工夫をしてくれていたのです。その思いを知った時には、やっぱり僕は神楽くんの恋人でよかったと思えました。僕の自慢の彼氏兼大好きな同性なのです。