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「だから、私はずっと嘘を吐いていたの」
 驚きに目を見開くレイに、今からでも取り繕いたくなってしまう気持ちを何とか抑え、私は真っ直ぐにレイを見つめた。
 覚悟は、もう決めていた。嫌われても、たとえ友達にもう戻れないとしても、これだけは言わなきゃいけない。
「だから、レイ」
 震える指をグッと握り込み、ガバッと頭を下げた。
「ずっと嘘を吐いていて、ごめん」
 ──私は、ずっと言えなかった〝ごめんね〟を、ようやく告げることができたのだ。