この作品は4年間書いた詩をすべて集めました。
 今まで作った、すべてのセンチメンタルを詰め合わせられるように。


【目次】

Part.1
1、君とセンチメンタルを詰め合わせて
2、シンプルな恋を詰め合わせて
3,失恋を詰め合わせて
4、君はよく頑張ってるよを詰め合わせて


Part.2(別作品になります)
5、透明感100%を詰め合わせて
6、それでも君とセンチメンタルを詰め合わせて





1、君とセンチメンタルを詰め合わせて




●君とセンチメンタルを詰め合わせて。


 優しさを君にあげる代わりに、
 君の切なさをちょうだいよ。

 それを繋ぎあわせて、甘さに変えるから。





●君とレモンソーダをかき混ぜたい。

 白いパラソルの下で君と一緒に
 レモンソーダを飲んでいる。

 君と過ごす夏が終わる前に、
 甘酸っぱい恋をしっかりと君と混ぜたい。




☆透明感100%の君が消えてしまわないように。


君は君らしく生きていいよ。

だって君は
懇願して真夏に吹雪を呼ぶくらい、
どんな困難も消す力があることを僕は知っているよ。

だから、今、そこでしゃがみ込んでいる暇はないよ。




●君はもう、無理しなくていいよ。


長い間、君は自分を犠牲にして、
人に合わせているのは知っているよ。

そして、もう君の限界も近いことも。

だから、今以上に、
もっと、力を抜いてほしい。





★鮮やかな君は、頑張りすぎる癖がある。


秋の深いオレンジの中で、
「頑張る理由なんてないことは知っているよ」と、
君は静かにそう言ったから、
きっと慰めてほしいんだと思い、
君はもっと理由をつけて休むべきだと伝えた。




☆ありのままの私で恋がしたかった



君がロングヘアの女子がいいって言ったから、
伸ばし始めた髪は
すっかり私のイメージを定着させていた。

元々、ショートが好きなのに、
なんで自分でも髪を伸ばしているのか
わからなかったよ。

ただ、君が好きだったから、
私は君の理想になりたかっただけだよ。

肩まであった髪を切り終え、
サロンを出ると、
春の匂いがして、恋が終わったみたいだった。

君への恋しさはまだ残っているけど、
君の理想からは離れて、
私は私に戻るよ。





☆秋色のふたりは恋で強くなる。



秋色が深まっていくたびに、
私たちは迷いを強め、
友達以上恋人未満を抜け出すことができない。

イチョウ並木の下で
君は午後の日差しに照らされ、
黄色に輝いている。

君に感じた気持ちは確かだと思うし、
もし、できるなら、
君の心の傷や、
君の過去をもっと知りたい。

だから、覚悟を決めて、
君の名前を静かに呼ぶと、
君が優しく微笑んでくれたから、
言いたかったことがすべて吹き飛んでしまった。





●君と青かった夏が終わるね。


青色のワンピースが似合う君は落ち着いていて、
きれいな夏空に君の憂鬱な話は似合わないよ。

だけどね、僕は君のことを素直に守りたいと思った。




★青い夢


 青い夢をみた。
 無邪気な君と手を繋いで
 永遠に青い水辺を駆け巡っていた。

 悩みも何もなく、
 ただ、二人で甘く柔い時を作った。

 簡単な話、
 二度と目が覚めなければ、
 君とずっと一緒に居れたのに。

 目覚めて、おはようがすべてを溶かす。

 君にかけられた優しい言葉も
 泡みたいに忘れてしまった。



✶君のすべてが好きだった


さよならを言ってから、
すでに2週間が経ってしまったんだね。
ひとりでスタバに来てみたけど、
寂しい気持ちはテーブルの上に浮いたままだよ。

ただ、今はソファに深くもたれて、
iPhoneを握って必要のない情報を
人差し指でなぞっているだけなんだ。

君との恋は若草の上を軽く流れる春風みたいだった。

「本当の恋ってなんだろう」
そうぼそっと呟いても、
君との関係は、
もう戻らないことくらい知っているよ。




☆君とエモーショナルを詰め合わせて


 そばにいてくれるだけで十分だから、
 肩を叩かれて、振り向いたとき、
 君の指が頬に刺さったのくらい、許してあげるね。



✾雨の日に桜を君と見る 
 
 
 今日も冷たい雨が降っていて、
 せっかく咲いた桜も濡れたコンクリートに沈みそうだね。

 「桜、見たいな」って君が言ったから、
 雨の中、ビニール傘をさして、
 ふたりで川沿いの桜を眺めながら、
 ゆっくり歩いている。

 「もっと早くいけなくてごめんね」 って君に言うと、
 「いいよ、雨の桜って印象に残るから」と返して、
 君は微笑んだから、少しだけ罪悪感が弱くなった。





✦夏夜も君に会いたかった


 もし、タイムスリップできたり、
 願いを叶えられるとしたら、
 街が寝静まった今、君に会いたいなって、
 思っていると頭がぼんやりしてしまうよ。

 叶わない恋の小説を読んでいるうちに、
 夏夜は、どんどん深くなっていくけど、
 君からの連絡は未だに来ないんだ。

 だけど、もし、君と今の瞬間、
 この夏夜を共有できたら、
 きっと、好きだってことを伝えられる気がするんだ。

 だから、今日も部屋の窓から、
 君の病院のほうを眺めているよ。





・Love you  - ねぇ、好きだよ-


 君のために作ったチョコレートや、
 君と一緒に買ったお揃いのネックレス、
 一緒に7月の浜辺ではしゃいだこと、
 それらすべてが、いまも大切に光り輝いているよ。

 だから、残りの夏もキラキラした思い出を、たくさん作ろうね。





 ☆さよなら、君がすべてだった私


 君のおかげでこれまで、
 数え切れないほどの涙をこぼしたんだよ。
 私は君の理想に近づこうと、
 色々、頑張ってみたけど、
 その頑張りなんて君には、1ミリも伝わらなかったんだね。

 さよなら。
 そう君に告げて、よかったと思ってるよ。
 だけど、なぜか、君の無邪気な笑顔だらけの思い出が重いよ。





2、シンプルな恋を詰め合わせて





●夏休みは恋のはじまり。

 君とは未だに恋人以上恋人未満だけど、そう思っているのは私だけかな。

 夏休みが始まった無人駅のベンチで二人、横並びに座り、
 1時間に一本の列車を待っている。
 帰宅部の君は忘れ物を取りに来たって、
 こんなことでわざわざ学校に来るなんてどうかしていると笑った。

 君はオーバーサイズの白いTシャツにシルバーのネックレスを付けている。
 君の私服姿を初めて見たけど、やっぱり君が眩しすぎるよ。

 「このまま、街に行こう」
 と言われて、ドキッとした。

 私も制服なんて着てこなきゃよかったな。





●夏と恋は青色。
  
 夏が始まって、すぐ君に誘われるなんて思わなかった。
 
 だから、冷静にドキドキしながら、
 多くの人が行き交う駅の中で君を待っている。

 夏の恋はよく終わりやすいって言うけど、
 優しい君との恋は根拠はないけど、
 続きそうな気がするよ。




●思ったより、恋は進む。

 コーラを飲みながら、君と一緒に公園の噴水を見るその行為自体が、
 ものすごく恋に落ちてしまう行為だってこと、
 君はわかっているのかな。

 片思いは日々、胸の中に雪のように積もっていくけど、
 君はそのことに気づいてくれているのかな。

 君はコーラを飲んだあと、好きだよって言われて、
 そんな憂鬱だった気持ちは、
 すべて一瞬で溶けてしまった。



●君との夜は深まる。
 
 ローソンの駐車場で君とアイスを食べる熱帯夜は、
 夢で溢れているように感じるのはなぜだろう。

 君の緑色のTシャツの裾が弱い風で揺れ、
 君より素敵な人なんていないなって思った。





●音と光の数だけ、時間は進む。

 無数の花火がネオンよりも儚く散り、
 君と僕は花火を見た数だけ、
 大人になっていくんだなって思うと、
 君との恋を単純に深めたくなった。





●恋が揺れる1分前。


 放課後の教室で、ぼんやり外を眺めている。
 ガラスの外は雨で滴り、景色がグレーに滲んでいる。

 ガラスに弱く映る私の制服姿は、
 今シーズン限りで見納めだね。

 プールの雨で水面が揺れて、
 せっかくの底の水色は涼しさが抜けて、
 今日は泣いているときみたいに悲しくみえるよ。

 君に待ってと言われて、
 待ち続けている金曜日は、
 緊張と期待で胸が痛くなるよ。

 もし、両思いだったら、
 どうやって、君に嬉しさを表現すればいいんだろう。
 そんなことを考えていたら、
 君の声がして、一気に心臓が壊れそうになった。






●君は冷房装置。

 スカートの裾を右手で持って、
 右回りに孤を描く君の水色は、
 夏を1℃下げる効果があるよ。





●こぼれた恋をたまに思い出す。

 アイスコーヒーを飲みながら、
 ずっと前に思いを伝えられなかった君を思い出した。

 まだ、少年少女だった二人は、
 恋の進め方を知らなくて、
 思いを秘めて、
 無限に君と会話をすることだけが楽しかった。




●本当は君の失恋話なんて聞きたくない。

 迷いの中で生きている僕たちは、
 いつも迷うと海を眺めることにしていた。

 今もこうして、海浜公園のベンチに座り、
 君と一緒に海を眺めながら、
 ボトルのアイスカフェオレを飲むのは、
 だんだん君との日常になりつつある。

 君の失恋話は本当は聞きたくない。
 だって、僕は素直な君が好きだから。

 どさくさに紛れて、
 本当は君の悩みを聞くついでに思いを伝えたいけど、
 そんなことをしてより君を混乱させたくはない。

 右にいる君を見ると、
 君は頬を濡らしていた。
 思わず、輝く涙を人差し指でそっと触れた。

 濡れた人差し指に悲しみを感じた。





●君と日々を重ねたい。

 赤いストローを咥えて、クリームソーダを飲む君はなぜか幼く見えて、
 一瞬、タイムスリップをして少女みたいでかわいいよ。

 君との夏はこれが初めてだから、
 まだ、知らないことばかりで君との話は尽きない。

 君が持つグラスの中の気泡は気まぐれに昇り、
 きっと、君との思い出もいつかこんな感じで
 ふわっと忘れていくのかもしれないね。

 そのときまで、君との恋は続くと信じているけど、
 できるだけ多くのことを閉じ込めて、
 いつか、君と懐かしいねって言い合いながら、
 季節を重ねていきたい。





●最悪だけど、最高だよ。

 夏の微温い雨の中、君と夜の住宅街を駆け抜ける。
 急な雨の所為で僕たちはびしょ濡れで、
 どうしてこんなことになったんだろうを連呼しながら、
 公園の屋根つきのベンチにたどり着いた。

 雨に打たれた君は滴っていて、
 乾いたタイルをポツポツとグレーに染め上げていた。

 「最悪だけど、こういうとき、最高って思えば楽しいよ」

 君はそう言ったあと、
 あーあ。バッグも、ワンピースもぐちゃぐちゃ。と続けたから、
 矛盾してるじゃんって返すと
 君は、それでもいいのと微笑んだ。

 雨が止む気配がなく、僕らは完全に濡れた世界の中に置いてけぼりにされた。

 「ねえ、次、にわか雨に打たれたら、またここに連れてきて」

 君にそう言われたから、
 小指と小指を繋ぎあい、
 また濡れようねと誓った。






●君との日常は穏やかに溶ける。
 
 君のためにコーヒーを淹れて、
 美しい夏の朝をクーラーを全開にして、
 ゆっくり楽しもう。

 目玉焼きとトースト。
 すべて準備したから、
 一緒に今朝見た夢の話を共有しよう。
 





●去年の夏はもう遠い。

 簡単に振られてしまい、
 泣きながら駅から家まで歩いた帰り道は、
 今となっては、去年の夏のことは過去の思い出で、
 懐かしさすら感じてしまう。 

 このカーブミラーの前で次の恋を進めることを決めて、
 今、私はものすごく幸せだ。





●数歩先を歩く君は、エモじゃ片付けられない魅力がある。

 入道雲とセーラー服は空の青にとても似合う。
 海まで続く坂を二人で下っている。

 君の見慣れたその姿を目に焼き付け、
 もうすぐ終わる青春を泡にしたい。

 いつも僕の数歩先を歩く君は大人っぽいのに、
 まだ、少女のあどけなさものこっていて、
 時折、鋭いことを言うから放っておけない。
 
 この先なんて考えたくないけど、
 何となく君とは、
 このまま、ずっと一緒な気がした。





●夏の始まりは透明だから、永遠に続くか、止まってほしい。

 あなたと二人きり、
 ベンチから噴水を眺めている。

 右手で手を繋いだままで、
 夏の始まりを黙って共有している。

 さっきまでの出来事は、
 すべてiPhoneの中に収まっていて、
 あなたがはしゃぐ姿は眩しかった。

 このまま時間が止まってしまえばいい。
 
 右手にぎゅっと力を入れると、
 あなたもそっと握り返した。




☆君の知らない、何かを忘れさせたい。


君の憂鬱な表情はずっと見てられるくらい、
美しくて、心の奥の青さを思い出すけど、

それが過去のつらい気持ちから、
来ていることは知っているよ。

だから、君を笑顔にしたいから、
一緒に海が見たい。





●電波は距離を縮めるけど、寂しさを埋めることはできない。

 夜行列車がホームを通過している。
 朝の凛とした空気が切れていく。
 これから、遠くの街にいる君の元へ行く。

 ホームで今日これからのことをいろいろと考えて、
 拳をギュッと握り、じれったくなる。

 昨日のことのように、
 君に愛された言葉を思い出す。

 雨の中、二人で誓った約束、
 今でも有効なのは君のおかげだね。

 だから、今日は素直になろう。





●おやすみを言いたくない夜は、どんどん深くなっていく。

 ミラクルな夜の中で、
 君に夢中なのは当たり前で、
 窓から見える街は今日も青かった。

 気がついたら、
 手元のパナシェは、ほぼ無くなっていて、
 君は上機嫌に、もしもの話を進める。

 宇宙開発が進んだ時代に
 月の裏のダウンタウンで起きた
 禁酒法をどうやってやり過ごすかを
 真剣に考える君が、
 やっぱり好きだ。



●このまま時が止まれば、ずっとこの青さを保てるのに。

 夕立でびしょ濡れになった君と、
 公園の屋根がついたベンチで、
 雨が止むのを待っている。

 制服姿の濡れた君はとても涼しくて、
 もし、このままお互いに抱き合ったら、
 一瞬でここが秘密基地になりそうだ。

 君を見ると、君は穏やかに微笑んでくれた。

 「このまま、止まなきゃいいのに」と君が言った瞬間、
 コーラが瞬間冷却されたように、
 世界がぎゅっと凝縮した気がした。



●たまに君の表情を思い出すと青い気持ちが瞬間的に蘇る。

 アイスコーヒーに入れた
 クリープは流氷の欠片みたいに
 表面に渦を作っている。

 赤いストローでかき混ぜながら、
 朝の憂鬱も一緒に溶けてくれたいいのにって思った。

 一口、含むといっぱいの苦味が広がり、
 そんなのを一瞬で忘れさせてくれる。

 数年前の君の微笑みを思い出した。
 泣いているようなその笑みは、
 その日、世界で一番美しかった。



●君の微笑みを忘れない。

 君といると時空を超える。
 
 ひまわり畑の真ん中は世界の中心に思える。
 上空の青に飛行機が2本の白線を描き、
 轟音を立てて消えていった。
 
 「もし、私がきえたらどうする?」と
 君はおどけた表情で僕に聞いてきた。
 だから、僕は君の手をそっと繋いだあと、
 まっすぐ先を見つめて、
 遠くの山の緑に意識を飛ばす。

 君に催促されたから、
 君の方を振り向き、
 思いっきりだきしめたら、時が止まった。




●ヒロインは君だ。

 離れたくない。
 海まで続くこの下り坂を歩いて行こう。
 ずっとこのままでいようと安直に思える君は素敵だ。

 遠くの踏切が赤く点滅し始めた。
 海の先には入道雲が立ち込めている。

 袖付きの青いレトロワンピースを
 君は華麗に着こなしていて、
 君がヒロインの物語は出来上がっている。

 急に君が立ちどまった。

 「手を繋いで」
 穏やかな声でそう言ったあと、
 君は僕に手を差し出した。






●あの日、君と世界の果てへ行くことを約束した。

 屋上で二人きりで、
 世界の果てみたいな夕日を眺めた日、
 君と恋に落ちた。

 それは今でも続いたままで、
 君と無限について、何度も何度も話して恋に落ちたんだ。

 星の欠片を繋ぎ合わせて、
 落下した星をそっと空に返すように
 紡ぎあった言葉は今でも有効で
 きっとこのまま手を繋いだまま、
 裸足で砂浜を歩き続けることができるね。

 君と退屈を抜け出して、
 果てまで行きたい。





●夏色の君が好き。

 夏が無限に続けばいいくらい、
 公園の芝は青々としている。
 君と二人きりで木陰のベンチで話している。

 「このままだったらいいのに」と
 君はポツリとそう言ったあと、
 穏やかな風が吹いた。

 ふと、君の手に触れたとき、身体に弱い電流が走った。
 
 君の微笑みは無敵で、無邪気だから、
 水槽の中に二人で閉じ込められていいと、
 思えるくらい、
 胸が締め付けられる。

 こうして僕は君のことが好きになった。




●君と無限にこうしてたい。

 砂浜で二人きりで海を眺めている。
 手と手を繋いだまま、何も語らず、
 時間はアイスのようにゆっくり溶けていく。
 
 君と過ごす日々は退屈を忘れさせる。
 変われないままでいいと甘く思う。

 君の体温がちょうどいいと思えるのは、
 きっと、出会ったときの思い出が、
 瞬間冷却されて溶けていないからだね。

 もし、この世からいなくなっても、
 来世で、またこうして海を眺めよう。
 二人で。





●夏は永遠くらいがちょうどいい。

 ひまわり畑で白のワンピと
 麦わら帽子の君は最強すぎて眩しい。

 君の姿をiPhoneに残して、
 いいねと伝えると君は柔らかく微笑んだ。

 僕たちの先には入道雲が立ち込んでいる。
 先の未来なんて何も考えたくない。
 
 君の手を繋ぐと、君は握り返して、
 「来年もまた見ようね」と
 ささやかな永遠を誓った。
 
 僕は離さないと強く決意を固めて、
 君にキスした。






●今この瞬間、関係性を変える。

 「雨は憂鬱だね」と君がそう言った。
 カフェから見える街は今日も濡れている。

 君はボブの髪先を右手でいじりながら、
 カウンターの先の窓に映る自分の姿を見ている。

 期間限定のレモネードが入ったグラスは涼しく濡れていて、
 窓越しの世界に空飛ぶペンギンが入れば
 最高なのにと、ふと思った。

 君との関係は友情を超えて、
 愛情にしよう。

 それを口に出す勇気を振り絞れ。




●次は休日に会いたいな。

 昨日のバイバイが朝になると、
 リアルになるのは現実が来るからで、
 とりあえず、カフェで身体を馴染ませるよ。

 コーヒーの友のクロワッサンをかじるとサクサクしていた。

 前髪を一度かきあげたあと、
 ふと、思い出した。

 昨日の夜、楽しかったと、LINEで伝え忘れていた。

 遅れてごめんね 
 昨日はありがとう
 楽しかったよ
 来週はずっと一緒にいたいな 

 と、打ち込み、
 数秒見つめたあと、
 最後の1行だけ消して、送信した。








☆君はいい子すぎる。


君はいい子すぎるから、
きっと、人一倍、人のことを思いやるのが得意なんだと思う。

だけどね。
僕はいい子すぎる君よりも、
自分らしさをしっかり出した君の笑顔の方が、
100倍好きだよ。




●透明の季節になり、久々に君に会えることになった。

 電車に乗って、遠くの街に住む君に会いに行く。

 被ってきた麦わら帽子を膝に乗せて、
 流れていくキラキラした海をぼんやり眺めている。 
 
 クールな君はきっと久々の再開でも、
 いつもみたいに波がない反応を返してくると思うけど、
 昨日、したためた手紙を渡したときは驚いてほしいな。






☆鋭い光を放つ君のことが好きになった。


君を好きになった理由は
君の言葉が鋭くて、優しくて、
面白いからだよ。

君はいつも星のように光を放ち、
そして、その効果で周りは優しい気持ちになる。

だけど、傷つきやすいことを知っているよ。
だから、強く君を大切にしたい。




☆君は君らしく生きていいよ。


君は君らしく生きていいよ。

だって君は
懇願して真夏に吹雪を呼ぶくらい、
どんな困難も消す力があることを僕は知っているよ。

だから、今、そこでしゃがみ込んでいる暇はないよ。






☆揺れる恋。


君と二人でバスのシートに横並びで座るのは緊張する。
バスが揺れるたびに君と私の肩が弱く触れ、
そのたびに、心が揺すぶられる。

君とは、友達以上恋人未満のままだけど、
このまま青春が終わってしまうのなら、
今日、バスを降りたあと、
君にキスしてもいいかな。





☆寂しさはつのる。

君とすれ違った日々があまりにも寂しすぎるから、
今日もしっかりと冷えたスタバの真ん中で、
君の返信を待ちながら、なんとなく駅の本屋で目に入った、
恋愛小説を読んでいるよ。

もし、この物語がハッピーエンドだったら、
今度、君にも読んでもらって、
今の寂しさを共有したい。







●夏はいつも上手くいかない。

 君と食べるパフェは嘘とは無縁で気持ちが楽になるね。
 ファミレスの安いパフェでも生クリームの甘さは変わらないし、
 口の中に広がる冷たさも変わらないから、
 すべてのうんざりした人間関係も吹き飛ぶんだ。

 だから、君にこれ以上、
 愚痴を言うことはやめて今を楽しむね。


☆今頃、君は。

別れの気配は季節が変わる直前から感じていたよ。
このまま暑くなれば、
君の気持ちもまた熱くなってくれるだろうって、
楽観視していた自分がバカみたいだね。

今頃、君は新しい夏で私との古い夏を塗り替えているのかな。



☆この気持ち、片思いなだけかな。

元々、私は惚れやすい感受性だけど、
君のことは、本当の本当に好きになったよ。

君とは話しても話し足りないし、
君は私の話を全肯定してくれるよね。

だから、これが片思いじゃなきゃいいなって、
願いを込めて、君へのメッセージ、
『今日はありがとう』と送った。



☆ありきたりだけど、夢で君に会ったよ。

君に夢であった今朝、
今シーズン最高気温の中、登校日だから、
私は君に伝える決意を固めながら、
学校まで歩いている。

だけど、そんなこと言って、
君に引かれたら嫌だから、
私はきっと君に会ってもその事実を伝えないだろう。



☆わかってないね、私のこと。

君すら、私のことをわかってくれなかったら、
きっと、世界中で誰も私のことなんて理解してくれないよね。

だけど、君はわからないなりに私を理解しようとしているから、
私はそれだけで、十分だよ。





☆突然の雨は本当の姿をさらす。

突然の雨で、二人でずぶ濡れになりながら、
屋根のある公園のベンチに座り、お互いに見つめ合う。

君の髪から滴る雫。
濡れた顔や服すら似合う君は素敵すぎるから、
それがおかしくて笑うと、君も笑ってくれた。

「なんか、上手くいきそうだね」と言われた瞬間、
この恋は実ることをしっかりと感じ取ったよ





●友達以上恋人未満は一番、心が揺れるから緊張する。

 胸に秘めた予感を温めて、君を待つ日曜日は非日常。
 
 LINEでは会話が弾むのに、
 先々週ははずまなかったから、
 今日は戒めを糧に明るく振る舞おう。

 ウォーターフロントで尽きない想い伝え合いたい。

 レモネードで白のワンピースを
 ゆっくり染め上げるように
 甘酸っぱい思いをたくさんしたい。





☆都市を下に、君を横目に見る。


夜が深まる中で君と一緒に飲む、
カルアミルクは最高に甘くて、
窓越しに広がる夜のビル群の光を、
楽しくなかった頭のまま眺めていたいな。

君のシャンディーガフの泡は、
もうだいぶ薄くなってしまうくらい、
君は弱いみたいだけど、
顔を赤くしている君が一番かわいいよ。



☆弱い君は私の弱点をとがめる。


君に言われなくたって、
私の弱点なんて自分が一番わかっているよ。

半年前、全てを受け入れるよって言ってくれたのは、
嘘だったんだね。

君は私の気持ちなんて無視したまま、
とがめるのを続けている。

だから、思いっきり綺麗なフォームで、
しっかりと平手をかまして、
泣きじゃくって困らせてやる。





☆クールな君の気持ちが知りたい。


気持ちを確かめるために
君にレモン味のキャンディをあげてみた。
君はいつも通りクールな顔して、
涼しさを出してくきたから、
少しだけ、また寂しくなった。
君とは近づけないね。
会話はいつものように弾まない。
制服のワイシャツの長袖の裾を、
折って出た腕が妙に視界に入り、
気持ちが徐々に揺さぶられていくよ。
「ありがとう」だけじゃ、満足できないよ。
もっと君のことを知りたい気持ちが強いんだ。
だから、君に緊張している場合じゃないよ。
優しさをあげるから、
こっちを見てよ。





☆君がもう一度、振り向いてくれたら良いのに。


最高に気持ちがいい朝、
冷たい空気を思い切り吸い込むと、
君を失った現実が込み上げてきた。
制服姿の君がくれたキャンディは、
甘酸っぱいレモンだった。
懐かしい世界の中で、
君と永遠に終わらない恋の定義を話したけど、
結局、その定義は証明されなかったね。
だから、もう一度、ドラマを動かすために、
手に持ったままのiPhoneの中に、
あの時のまま冷凍されたトークを開いた。
『おはよう』と打ち込んだあと、
後先なんて考えないで送信したら、
すぐに既読がつき、
急に心臓が破裂しそうになった。




☆去年の夏より、強くなったよ。


夏の雨に打たれて、
強くなった私の心はきっと、
今のあなたにはわからないと思う。
あなたと一緒にいたときは、
わかってほしいという思いばかりが先行したけど、
今は、冷静に仲良くなれると思うよ。
だけど去年の夏、あなたを傷つけてしまった。
もう傷を癒やすことはできないけど、
もう一度、チャンスがあるなら、
今度は、あなたのことをしっかり理解するよ。
いつかの機会に、あなたに会えたら、
ひまわりより眩しく微笑むよ。







☆冷たさは君の特権。


冷たいコンクリートの階段で、
制服姿の君と夏の影に隠れて過ごしている。
君はいつものようにクールなままで、
何に対しても腹が立つみたいだ。
別に世界なんて、変えようと思わないけどが、
君の口癖で、その言葉のたびに、
君が閉塞感にソーダ水をかけて、
溶かしてくれるんじゃないかって、
なんとなく思っちゃうんだ。
だけど、そんな君と、
くだらないことを話す
今の時間が好きだよ。




●このままがベストだから、今が良ければ、それでいい。

 君に撫でられたら、
 照れるのは当たり前だよ。
 二人だけの教室は夢の続きみたいだね。

 窓から見えるプールは
 雨で無数の波紋を広げている。

 君のこと、誤解してたみたい。
 あやふやな意思疎通みたいにね。

 聞き間違えのように虚しく、
 強いハートを鍛えてよ。

 だから、期限付きの恋でもいいよ。
 君ならね。





☆もっと、君に近づきたい。


ようやく、手が届くくらい
君に近づいたのに、
緊張して、上手く自分を出せない。

だけど、後悔するのは嫌だから、
君の優しさを褒めてみよう。





☆夏の奇跡は、きっと、きらめく。


大きな声で君の名前を呼んだら、
制服姿の君はゆっくり振り返り、
大きく手を振り返してくれた。
だから、慌てて、君の方へ駆けていく、
約束したのに渡しそびれた
古いCDを片手に持ったままで。
君と音楽の趣味が合うのは奇跡だと思うよ。
君はまだ、その凄さを確信していないのかな。
君の前にたどり着くと、
息があがってるよって指摘して、君は弱く笑った。
夏が本格的になった所為だよと、返事をしたけど、
本当は君の所為だよってのを飲み込んだ。
微温いままの君との関係は壊したくないけど、
汗が頬を伝い、思わず、
好きって伝えてしまった。





☆君への想いはきっとこれからも揺れない。


君と海辺を歩き続ける午前中は、
なぜかすごく爽やかに感じるよ。
海風で揺れる君の白いTシャツや、
海岸線の先に見える霞んだ半島の緑や、
薄い水色の澄んだ空がどれも夢みたいだよ。
もし、君から優しさがなくなったら、
その時はきっと終わりの話をしているだろうけど、
そんなトラウマみたいな未来を選ばないって、
直感的に君のことを信じることができるよ。
過去のつらい恋を忘れさせてくれる
君の包容力は最強だね。





●そばに居たい。


海は白くきらめき、
目が痛くなるくらい遠くが霞んでいた。
運転している僕は君の方を見た。
君はドアに頬杖をついて、
左の海岸線をぼんやり眺めていた。
そんな憂鬱そうな顔するなよと、
言えないくらい綺麗な顔で、
思わず息を呑む。
憂鬱さが取り柄の君は、
ずっとそのままでいいよ。





●夏色のラブストーリー。


「もう少し居たい」
君は立ちすくみそう言った。
終電過ぎた街は微温く、
満月が路地に誰もいないことを証明していた。

君の指に触れた瞬間、
僕の指先から電気が走った。
君の緊張が伝わった。
「ブランコ乗りに行こう」
「ブランコだけ?」君はおどけた。
手を握ったまま、僕は君にキスをした。





●夜が進むよ。


日付が変わる前の公園は
昼間の熱気が冷め、
少しだけ涼しい。
君は時折、腕をさすっていた。

「夏の終りは線香花火に似てるね」
と君が言ったあと弱い風が吹いた。

夏が終われば
それぞれ飛び出した場所にまた帰って
過ごす日常を思い出した。

伝えたいことを伝えて
君の冷えた手を握った。





●君との恋は秋の夕暮れみたい。


君との恋の始まりは秋だった。
イチョウ並木の中で君と初めて手を繋いだ瞬間、静電気が走って笑いあったことも、
今もまだ、鮮明に1秒ずつ思い出せるよ。
映画が24フレーム、つまり、1秒間に24枚の絵が重なって動画になっているみたいだけど、
きっと、それくらいその時のことを、再生できるんだよ。

君が言った言葉はすべて取っておきたいから、
スリコで買った300円のジュエリーケースをたくさん並べて、
その中に丁寧に保存していたよ。

だけど、もう、その必要はなくなったみたい。

君の言葉をひとつひとつ、ジュエリーケースから取り出し、
そのなかに、涙を一つずつ入れていく。
涙はガラスみたいに透明で、
ときおり、青い涙も混じっていたよ。

君と初めて手を繋いだ、あの秋の日。
深いオレンジ色の中で、思いなんか伝えないで、
ガソリンスタンドで静電気除去シートに触ればよかった。





●ねじの所為で僕らは共依存。


君の命は儚くて、別れを考えるだけでも寂しいから、
僕は君の背中にあるねじを1週間に一度、巻いている。

ジリジリといつものように回すと、君はいつも、ありがとうって素直に言ってくれる。
その行為は生命維持のためだけど、髪を切るみたいで、君にこうやって触れている時間が貴重に思えるよ。

夏のオープンテラスで銀色に輝くビル街や、
その下を行き交う多くの人を眺めながら、
君と一緒にレモネードを飲んでいる。

こうしている時間があまりにも貴重だし、
君の一日はねじ一回転分だから、より貴重に思う。

7回しか巻けない、そのねじはゆっくりジリジリと回転して、君の心臓を動かす。
「7日周期なのは、人間の摂理なのかもしれないね」
と君はいつも、君の背中のねじのことをそう言って、笑う。

僕はそのたびに君がどうして、ねじまき病になってしまったんだろうと悲観してしまう。
ねじまき病は回すことを忘れなければ、天命まで全うできると言われている。

「一生、君のねじを回すよ」と君に伝えると、
「あなたのねじも一生回すよ」
 麦わら帽子を被ったまま、レモネードを片手に持っている君の微笑みは、ガラスより眩しかった。





●伝わらない君が好きなのに。


君の前では素直になれないのは、
それだけ、君のことを意識しているからだってこと、
君はどうして、わかってくれないんだろう。

役目を終えたガラス窓みたいに、透明が地面を反射して、
その先にプリズムをつくるようにもどかしいよ。

人と人はわかりあえないよって、よく言われてることを、
君は本気で信じているのかな。

私だって、それなりに君に100%を伝えようとしているのに、
君の受信はいったい、何%なんだろうね。
君の分母の基準がわかれば、きっと、私は君を虜にできると思うのに。

夏休みに入る前に、君に伝えたいんだ。
だから、炎天下を回避するために、
誰もいない、市民プールのエントランスで、
ベンチに座り、口の中で、コーラと塩素ナトリウムの香りを混ぜ、
二人きりで私といる意味を君はまだ、感じ取ってくれないんだね。

私はもう、我慢できないから、
君に今、思いを伝えるよ。

「透明なガラスみたいで繊細で切ない君が好きだよ」

そう言われて、私は手に持っていたコーラを床に落としてしまった。




●ダサいモチーフのネックレスを買った話。



永遠を誓うために、君と一緒にきゃっきゃ言いながら、
安いネックレスを2つ買った。

ショッピングモールの吹き抜けの下にあるベンチに座った。
吹き抜けのガラスからは冬の銀色の弱い日差しが差し込んでいて、
弱い光に暖かさを少しだけ感じた。
君と私は温室育ちのよしみのバナナみたいに、
人目をはばからず、弱々しく肩をくっつけあっていた。

ローブランドの袋から取り出した2つのネックレスは、
1つには、ハートの片割れ。つまり右心室と、鍵、
2つには、ハートの片割れ。つまり左心室と、南京錠がついていた。

「右と左、どっちがいい?」
「鍵と錠の聞き方のほうがよかったな」と私が返すと、
君はどっちだっていいじゃんと、ゲラゲラ笑い始めた。

何もかも、初めての体験の私たちはこのやり取りすら新鮮に感じ、
今、降り積もっている雪は永遠に溶けないような気さえした。

あのとき、鍵を選んだ私は、
結局、君の心を上手く開くことができなかった。

失くしたと思っていたはずのダサいネックレスで、
昔のショッピングモールファンタジーを痛く思い出した。






●今夜、君の胸にハート型のレーザーポインターを照射する。



お互いに学校に馴染めないなんて、笑えるよねとか、言いながら、
夜の公園でグダグダ君と、別に目指したくもない未来の話をして、
「永遠に夜が続けばいいのに」って、
君はため息混じりにそう言うから、僕は君とならそれでいいと思った。

夜の淵みたいな公園のベンチで横並びに座って、
恋人気取りだけど、お互いに肝心なことを言わないまま、
知り合ってからしばらく経っていた。

気温が下がらず、夏の熱気がTシャツに絡みつき、
もっと、夜なんだから、爽やかになってほしかった。
だから、二人で2本のポカリスエットを飲みながら、
悲しみの涙で果てた君と僕の水分を補っている。

別に本当に泣いているわけじゃないけど、
学校なんかに馴染めないつらさや、
生きる希望をどこかに持っていきたいための、
涙で僕らの身体は乾いている。

君が不意に立ち上がったから、
「撃ち抜くよ。レーザーポインターで」と伝えると、
「いいよ、あなたなら」と言って、君は右手で胸を抑える仕草をした。

「なんだよそれ」
「そんな野暮な質問するなら、私をぶどう畑で捕まえて」
「キャッチャー・イン・ザ・ぐれいぷ」
「ねえ。ワインの収穫祭で白い布を藍色に染めるような関係になりたいな」
「僕もそう思っていたところだよ。レーザーポインターの形、わからなかったの?」
「赤い点でしょ。どうせ」
「違うよ。ハート型」

そう言うと、君は微笑んだから、
僕は君に付き合ってと素直に言った。





●もっと、君とはしゃぎたい。



遊ぶための方法なんて、無数にあるから迷っちゃうよね。
君と私の時間はアスファルトに落ちたアイスクリームのように溶けていくよ。

少し前までの、日記に不幸を書き並べてた日々は嘘みたいになったよ。
肩を叩かれて、振り向くと頬に君の人差し指が当たり君が笑った日から。

緑が深まるの真夏の公園をゆっくりと歩き続けているよ。
塩素の匂いが、かすかに鼻をくすぐってきて、夏を感じた。

君とふたりでプールに無数のバブルバスを入れて、
白いプールサイドに腰を掛けて、
ふたりで、水色の底の冷たい水を両足でバタバタさせて、
泡をたくさん作って、そんなイケないことをしてみたいな。

たまに君は遠い目をふとするときがあるよね。
私はそれを見逃さなかったよ。
傷ついた過去はなにか知らないけど。

言ってくれたら、私は君を包む覚悟はもうできているよ。

今日も青空は夏を象徴しているみたいだね。
君がそう言ったから、かっこうつけないでよと、私は平然と君を茶化して寂しくなった。

君の過去を知ろうとするといつも君は話を逸らすけど、
いつか、それを知ることができたら、
きっと、それは愛の証拠になりそうだね。

待つよ。
君が心を開いてくれるまで。
それまで君を私だけに独占させつづけて。





●君は素直じゃない。


春が揺れるように、桜の木々が風で揺れている。
君と桜の下を歩くのは、君から誘われたからで、
私はこの春、この街を出る。

最後になる制服はJKブランド卒業が名残惜しい私は、
19歳に向かい、20歳を過ぎ、大人になれるのか、
自分でもまだ、いまいちイメージができない。

君にそのことを話すと、
「同じだよ。時間は無情に流れるよ」
「同じって、どういうこと?」
「無条件に時間は流れて、誰もが嫌でも大人にならなくちゃいけないってことだよ」

大人ぶって、何でも知ったふりをするそんな君が好きだ。
だけど、君はこの街に留まるし、離れてしまうよね。
こんなに頻繁に近くにいたのに、二人とも一定の距離を取りあって、
無地のキャンパスに何かしらの色を足すことができなかった。

「ねえ、私がいなくなっても生きていける? そんな調子で」
「その言葉、そのまま返すよ。心配だよ」
「心配?」
「そう。素直じゃないから」
「ひねくれてるのはお互い様でしょ」
私たちは絡まった二匹のクラゲみたいに軟弱で、
空回りし始めて恋を始めるきっかけを逃した私たちは、
きっと、このまま大人になり、
桜が散ったことなんてクリスマスには覚えていないように、
自然消滅するんだと思う。

そして、桜を見たときに、ふと君のことを思い出して、
青かったなってきっと、独り言をつぶやくのかもしれない。
そう思うと、胸の中でなにかずっしりと重い感覚がビックバンみたいに広がり、
そして、ブラックホールの収縮みたいにきゅっと縮まった。

横を歩いていた君が急に立ち止まったから、
君のほうを振り向くと、
君はピンクの中で上を見上げていた。
そのあとすぐに視線を渡しの方に向けて、
目と目が合い、一歩、私のほうに近づいた。

君はパーソナルスペースを無視して、
私の目の前で私をじっと見つめてきた。
こうして、見つめ合うと、
君と離れるんだって実感がより湧いてきた。

「今更だけど、素直になるわ」と言って君は私を抱きしめた。
両思いだって今、知っても、今更、もう遅いよ。

桜の緑が深くなったらすぐに帰る決意をした。






△秋色のふたりは恋で強くなる。



秋色が深まっていくたびに、
私たちは迷いを強め、
友達以上恋人未満を抜け出すことができない。

イチョウ並木の下で
君は午後の日差しに照らされ、
黄色に輝いている。

君に感じた気持ちは確かだと思うし、
もし、できるなら、
君の心の傷や、
君の過去をもっと知りたい。

だから、覚悟を決めて、
君の名前を静かに呼ぶと、
君が優しく微笑んでくれたから、
言いたかったことがすべて吹き飛んでしまった。





△君と僕だけだった


ガランとした駅の中は
ほのかにコンクリートの冷たさがある。
電車を待つのは、
青いプラスチックのベンチに座る
君と僕だけだった。

「連れて行ってほしい」
「どこへ?」
「どこかに。そんな気分なの」

君は改札を見て、
真剣そうに訴えた。

君の表情は
夏が終わったかのように
寂しかった。





△新幹線ホームにて


ホームで新幹線のガラス越しに手と手を合せた。
君は目で何かを訴えていた。

発車ベルが鳴ったから、
僕はそっと手を離した。

あの時、小指と小指で誓ったことや
これまでのことが夢になるのは、
炭酸が徐々に抜けるようなものだ。

新幹線がゆっくり動き出した時、
君は小さく手を振った。





△ベイエリアファンタジー


夜のベイエリアは波の音が響き、
オレンジの街灯がファンタジーを作っていた。

ショートボブが踊るくらい
駆け抜ける君は、最強にやんちゃだね。

大きな声で君を呼んだら、
君は振り向き僕を手招きした。

だから僕も君の仕草を真似して
君を手招きしたら、

「もう」と言う声が響いた。



△少し冷たい風が心地よかった


電球色したオープンテラスで
君と飲んでいる。
少し冷たい風が心地よかった。

「出会ってもう、3ヶ月経つね」って君は言った。
君はカルアミルクでもう、赤かった。

ソルティドッグを飲み干したあと
夏はもう終わってたなと思いながら、
グラスを置いた。

「ねえ、最高だね」って君は静かにそう言った。





△スムーズで快適だけど


青白い摩天楼を縫うように
張り巡らされたオレンジの高速は
スムーズで快適だった。

湾岸方面へ抜けようとしている。
君の乗る最終便に間に合いそうだ。

右カーブのあと、
ボトルホルダーから
缶コーヒーを取り、
一口飲むといつもの泥みたいな味がした。

一瞬でも早く君に会いたいと思った。





△コスモス柄のワンピなんて


コスモス柄のワンピなんて
子供っぽいかなって思ったけど、
思いっきって着たら、
私は鏡越しで秋になった。

秋の朝日が最高の一日になることを教えてくれていた。

iPhoneに君からの通知が来た。
それだけで胸が高鳴る。

これからのあなたとの時間が
最高にロマンティックになる予感がした。





△手を繋いで


涼しくなった公園で二人で話している。
時間は簡単に溶け、
夕闇は夜になっていた。

手を繋いで悔しい気持ちを
聞いてくれる君は死にたい甘さすら、
包めるくらい優しかった。

二人で座るベンチは、
スポットライトのように街灯に照らされている。

君の手を強く握ったあと頬に涙が伝った。




△ネオン色の宇宙のなかで

窓の外に広がる週末の繁華街は
ネオン色で宇宙を作っている。

今日も通勤電車は
疲れ切った人たちを規則正しく運んでいる。

眠い目をこすり、
「愛している」と打ち込んだ。

それを一息おいて送信した。

君はいつも夢で会えないから、
君への思いが溢れ出てくる。

明日会う君になんて言おうかな。





△普段を取り戻す


「なにそれ面白い」
君はそう言ったあと、
ファジーネーブルを一口飲んだ。

君はいつも通りだ。

週末の夜、
今日も雨が降っていて
窓越しの世界を冷たく染めていた。

シックな暗さと気持ちよさそうに、
酔った君の顔を見ているだけで、
幸福度が上がる。

でも、よかった。
君と仲直り出来て。






△君を待つカフェから雨に濡れた秋を眺める



連日、降り続く雨が秋を深めていく。

カフェから交差点を見渡す。
多くの人達が傘を差し、
目的の場所まで通り抜ける。

肩を叩かれて、
振り向くと君が
「おまたせ」と言った。

「待ちくたびれた」と言ったら
「ごめん」と君は笑って謝った。

隣の席に座った君との時間は尊い。
と思った。





△週末のときめきは君が作り上げている

モヒートを飲みきった。
週末のときめきは君が作り上げている。

酔いが回り、
より優しくなった君に
なぜ、引き込まれるんだろう。

会えない日々はたまらなく寂しかった。
今日はただ、
それを君に伝えたかった。

「このままだったらいいのに」

君はグラスを空にして
ぽつりとそう言った。




●無邪気さを忘れたくなかった。

君と一緒に何も考えずにはしゃぎ合うことができていたら、
きっと、この恋は終わらなかったんだろうね。
最後のLINEのメッセージは素っ気なくて、
お互いを知りすぎたからこそ、
余計に君が離れる決意をしたことがわかるよ。

ただ、一つ君に言い忘れたことがあるんだ。
無邪気な笑顔は無敵だね。






●もし、なにかあっても。

もし、世界が激変して、
世界で二人きりになっても、
ずっと、君の手を繋ぐ自信があるよ。





●君との恋は永遠に続く。

最初から君のことが好きだよ。
君を見た瞬間から、
この恋は上手くいくと確信した。

だから、今、こうして君と一緒にいれることは、
砂浜に落ちた星の欠片を集めて、
それをミキサーでミルクと一緒に混ぜて、
淡い黄色にするくらい、
特別なことだよ。





●みつけることなんてできないと思うよ。

君からの思いが規定量に満たないから、
どれくらい好きなのか聞くと、
「夏にポカリが美味しく感じるくらい好きだよ」って君は涼しい顔でそう言ったから、

私たちはポカリで乾杯をして、
そして、炎天下で失った水分をお互いに取り戻した。
まだ足りないから、
もう一度どれくらい好きなのか聞くと、
「かくれんぼで最初にみつけるくらい好きだよ」と言われたから、
私は絶対に君が探し出せない場所に隠れる練習をしようと決めた。

そしたら、底なしの私が君の好きや愛で満たされると思うから。




●秋は優しい君に触れられない季節だ。

君の手に触れようとした瞬間、
静電気の所為で、
差し出されてた君からの優しさに触れられなかった。

こうなるなら、
セーターなんて着なきゃよかった。
だけど、そのあとすぐに君の手が触れたから、
君のこと、素直に優しいなって思った。




●君と初雪


 受験を理由に
 君と図書館で
 過ごすようになった。
 あと数ヶ月で
 制服姿の君も見納めになる。

 勉強を終え、
 外に出ると
 暗くなっていた。
 息が白くて
 色々憂鬱になった。

 「もうすぐ雪が降るね」
 君はそう言った。
 「雪は好き?」
 「うん。明るくなるから好き」
 そう言う君は最高に無垢だった。





●明日はコート


 「明日、雪、降るんだって」
 白い息を吐きながら
 そう言う君の表情は
 ワクワクしていた

 明日、
 君がどんなコートを
 着てくるのか
 少しだけ気になった

 何年か前、
 別の人と見た初雪は
 チョコレートが溶けるように
 あっけない降り方だった

 あの時、
 傷つけた言葉を
 思い出して少し嫌になった





●君のショートボブが列車で揺れる。


 君しかいない
 踏切で黙って、
 列車が通過するのを
 待っていた。

 踏切の先には
 シャッターが閉まった
 商店街が待っている。
 歩く人も車もまばらだ。

 君の切りたての
 ショートボブが
 風で揺れている。

 列車が通過して
 遮断器が上がった。

 「行くよ」
 君がそう言ったから、
 僕は君の手を繋いだ。




●今年のブラックフライデーに買いたいものなんてない。


 昨日まで光ってなかった
 街路樹のイルミネーションが
 青白く光はじめ、
 もう今年が終わることを
 噛み締めて、
 カメラに収める。

 すぐに
 なにも考えずに
 あなたに共有した。

 ブラックフライデーに
 買いたい物なんてないけど、
 あなたと過ごす時間が
 少しでもほしい。

 次はいつ会えるんだろう。





●手は冷たい。


 雨を雪に変えて
 雪を見てはしゃぐ
 君を見たい。

 雨上がりの深夜。
 コンビニの明かりを頼りに
 駅から歩いている。

 冷えた中で手を繋ぐ。
 そして、意味もなく走りだす。
 君は驚いていたけど
 ついて来た。

 君の手は冷たく
 そして、細かった。

 一瞬を永遠に変えて
 手を繋いだまま
 君と巡りたい。





●クリスマスの思い出


 クリスマス色のイルミが
 あまりにもきれいだから
 雰囲気に飲み込まれそうになる。

 肩くっつけて
 自撮りしたら
 最高に青い写真ができた。

 撮ったあと、
 しばらくあなたと
 そのままでいたかった。

 だけど、そうしなかった。

 このまま、
 魔法にかかったように
 あなたと奇跡を
 一緒に共有したい。





●帰り道


 冬の夕方は短くて
 すぐに暗くなるから
 代わりに楽しいことして
 明るく過ごそう。

 君と歩くことの幸せと
 反比例するように
 強い風に冷たくされる。

 憂鬱な年末の繁忙を
 吹き飛ばすくらい
 今、君と面白いことがしたい。

 とりあえず、
 帰ったら2人で
 ゲラゲラ笑いながら、
 ボードゲームしよう。





●雨の土曜日


 最高に気分が良いのは
 3杯目のラムコークのおかげだ

 潤った君の瞳を
 見つめるだけで飽きない

 外では相変わらず、
 雨が降っているけど
 飲み終わる頃には
 止むと信じ切っている

 「好きになった。付き合って」
 「いいよ。これが飲み終わったらね」

 君はモスコミュールを
 一口飲んだあとそう言った





●恋人未満


 夜は始まったばかりで
 人々は傘を持ち
 足早に誰かのところへ
 帰ろうとしている。

 親しい人がいないこの街で
 こうして
 一人ぼっちでいると
 あなたのことを思い出す。

 昔、2人でよく話した
 カフェとか、
 あなたの少し伸びた
 セーターの袖とか。

 今更だけど、
 あなたが好きだったことに気づいた。




●かまってちゃん


 寂しいから、
 大胆に置き手紙を残して
 わかりやすく失踪して
 君に見つけてほしい

 あの時の約束は
 赤い糸だと信じていた

 君といることに
 不満はないけど
 不足を感じる

 街を歩いて
 人混みの中で
 一人を感じたい

 そんな気持ちにさせる
 君が嫌いで、
 それ以上に自分が嫌いだから
 抱きしめてほしい




●あなたが好き


 残り日数が少ない
 手帳を開き
 自分が変わったのを実感する。

 恋愛は
 すべて知らないから
 良いわけで、

 あなたを呪うほど
 知り尽くしたいけど
 重たい恋だなんて
 言わせない。

 だから、
 嘘をつきたくない。
 今日も特に用もないのに
 連絡してしまった。

 仕方ないじゃん。
 好きになったんだから。






●冬色の君に会いにいく。


 冬が最高に似合う君に会いにいくために
 今、駅で列車を待っている。

 口の中に含んだレモンのキャンディは
 ゆっくりと香りを残して溶けていく。

 空の青は秋色のままだけど、
 時折強く吹く風は冷たくて、
 冬の匂いがした。

 夏に過ごした君との日々は特別になって、
 暑い中、木陰の下で君との会話は無限に続いた。

 もっと、強く君のことを印象づけるために
 これから君に会いにいくよ。

 電波の中だけじゃ寂しさは癒えないし、
 もっと近くに居たいと素直に思った。

 伝えたいことはたくさんあるけど、
 きっとその熱は平面の世界じゃ通じない。

 離れ離れの君に会って、
 また、離れることを考えると、
 今から憂鬱だけど、
 きっと、すれ違わずに
 上手くやれるはずだ。

 これからも。



●君の返信を待つ真夜中は冷たくて退屈。


 君の返事を待っている真夜中。
 間接照明をつけたまま、
 ソファの上でブランケットをまとって、
 退屈な時間を過ごしている。

 さっき入れたココアはもう簡単に冷めちゃって、
 それだけ君の返信が遅いんだよって責めたい。

 Spotifyを聴きすぎたiPhoneは少しだけ熱を持っていて、
 バッテリーセーバーしたいんだけどって、
 無機質だけど親切なメッセージが出て、
 それを無視して、
 手に握りしめて、
 お気に入りの曲をじっと聴くよ。

 今日も眠れなさそうだよ。
 今日も寒気が列島を覆ったから、 
 手が冷たくなるし、
 ブランケットをぎゅっと握っても、
 あまり暖まらないし、
 エアコンの暖房の効きはイマイチだし、
 まだ、君からの返事が来ないから、
 すべてが嫌になっちゃいそうだよ。

 ソファから起き上がり、
 ココアが入ったマグカップに手を伸ばした瞬間、
 iPhoneがバイブレーションした。





●秋色ロマンス


 二度と会えない意味を知るために
 二人で手を繋いで、
 落ち葉の上を歩いているわけじゃない。 
 
 死に向かって生きているのは
 当たり前の事実で、
 いつか大人になることも
 気の合う誰かと戯れ合うことも
 全ては幻想でしかないことは
 きっと生まれた瞬間からわかっていたはずだ。

 そんなことより、
 今を記憶に留めるために
 君と一緒に自撮りしたい。
 枯葉のブラウンや、ワインレッドと一緒に
 君のカーキと黄色の日差しを
 そして、肩寄せ合っているところを
 画素に落とし込みたい。

 この一枚の瞬間が、
 走馬灯を見るときに
 再生されるように。

 これからもたくさん、
 二人のストーリーを作ろう。



●初雪が解けたから、君のこともっと知りたい。


 午後の日差しで初雪が解けた公園を
 君と手を繋いで歩いている。

 落ち葉や枯れ草、
 葉が落ち切った木々が
 濡れてオレンジ色に輝いていて、
 君の手の暖かさを確かめないと、
 切なさで胸がいっぱいになりそうだよ。

 この世界をデータ化したいけど、
 充電したはずのiPhoneは
 もう低電力モードになっていて、
 おうちに帰ることができなくなるから、
 我慢するよ。

 もし、君がいなくなっても
 きっと、今の関係なら、
 まだ、悲しまないと思う。

 だから、もっと関係を深めたいし、
 君を知る努力をしたいんだ。

 だけどね。

 君のこんな横にいるのに
 油膜のように触れられないように
 感じるのはなんでだろう。

 君の笑顔はいつも青いガラス細工のように
 綺麗に透き通っているし、
 言っていることや、
 仕草は全て、優しいことはわかるよ。

 だけどね。
 もっと、知りたいの。

 優しくないところも、
 汚れているところも、
 愚かなところも。

 ねえ。
 もっと、心を曝け出していいよ。
 全て受け入れる覚悟はできているから。






★最近、忙しすぎたね。


インストールするように、
君の気持ちを深く知り尽くしたいけど、
お互いにすれ違ったまま、1ヶ月近く会えていない。

今、待ち合わせの10分前で、
忙しそうな人混みの中で、
君の姿を見つけて冷静にドキドキし始めた。





★すべての記憶を消して、あなたと出会いたかった。


季節は冬に進むにつれて、
あなたとの関係性は深まるばかりだけど、
手を繋ぐことは変わらないよね。

公園の中はすっかり枯れ葉に覆われて、
踏むたびに響く乾いた音が切ないな。

あなたとの時間は先週の初雪みたいに
清らかに解けていくのはなぜかしら。

そんなこと、聞く必要なんてないほどね、
暖かくキラキラした日々を感じ続けているよ。

すべての痛かった記憶を消して去って、
今の瞬間から始めたかったな。

お互いに傷を舐めあうことはきっとしないけど、
私はただ、
今のあなたが好きだよ。




★ねえ、初恋は永遠だよ。


ずっと、なくしていた
あなたからもらった赤いペンを見つけて、
ものすごく懐かしくて嬉しくなったんだ。

だから、思わず君への想いを手帳に書いたよ。

初めて人のことを好きになった、
あなたにあてた儚い恋文は、
二度と誰にも読まれることはないけど、
あなたへの気持ちはきっと変わらないよ。



★お互いに出来すぎてるね。


寂しさに負けそうだから、
君にメッセージを送ろうとしたら、
ちょうど、君からメッセージ届いた。

君も寂しかったんだと嬉しくて笑っちゃったよ。
求めてくれてありがとう。






★ドキドキは果てない。


姿見に新しいコートを着た自分が映っている。

君のために買ったんだっていうのは、
重いと思われるから言うことはないけど、
褒めてくれたら嬉しさが爆発すると思うんだ。

褒めてくれる君を想像して、
私はもう、ドキドキし始めた。




★倦怠期を乗り越えたい。


すれ違う日々が続き、
お互いにギクシャクしているような気がする。

君の機嫌を直すきっかけを作るために、
君の好きな店のシュークリームを買ったよ。

甘さと引き換えに倦怠期を乗り越えられたら、
きっと、ふたりはより強くなれる気がするよ。




●果てしない約束。


潮風で錆びた自販機でコーラを買い、
テトラポッドの上でぼんやりと夕日を眺めている。

君はただ、前を見たまま、
「ずっと一緒がいい」と言ったから、
「すっと一緒だよ」と返したあと、
果てしない約束をしたなと思いつつ、
コーラを一口飲んだ。




●夕立は固まらない気持ちに拍車をかける。


カフェの中から窓に打ちつける夕立を眺めながら、
カウンター席で君と横並びでアイスカフェオレを飲んでいる。
まだ君とは恋人未満なのに、
ふたり世界に取り残された気分になり、
君を見ると、なにを悟ったのかわからないけど、微笑んでくれた。

だから、もし、
今、君に告白されたら受け入れちゃいそうだよ。

そんなこと、君はわかっているのかな。





●片思いは夏になっても開かない。


一方通行の恋はまだ、実らないまま夏になってしまい、
買ったのにまだ、一度も着ていない
花柄のワンピースはハンガーにぶら下がったまま、
クーラーの清涼に揺れている。

だから、君との恋を諦めようとしたのに、
急に会う約束してくるなんて、
ずるいよ、そんなの。
嬉しいに決まってるじゃん。








●バスルームロマンス。


お互いにTシャツを着たまま、
バスルームでシャワーを掛け合っているよ。
びしょびしょになり、
髪からしたたるぬるま湯と透けたお互いの身体を
お互いに見つめ合い笑いあうよ。

白い箱の中では素直に、君と私は少年と少女になっていく。
無邪気さを永遠に保つ魔法は、
「お湯はりをします」で一気に消えたよ。

好きすぎて泣きたくなったって言ったら、
こうすれば笑顔を取り戻せるよっていって、
気がついたらこんなことを始めていた夏の夕暮れすぎだった。

君の部屋はファンタジーだね。
非日常を笑い飛ばしちゃえば、
世界はいい感じに丸くなるんだね。

楽しさのあとに君の部屋のすみに干した白いTシャツとキャミソール。
君の白いバスタオルに身を包みながら、
ワンナップ音を複数回、部屋中に響かせるように、
なぜだろう君との距離がより縮まった気がするよ。

「もう、友達以上だね」
君は笑いながらそう言ってきたから、
私はまた嫌な気持ちに戻されそうになったから、
「じゃあなんていうの?」と言うと、
「好きだよ」とさらりと返された。

だから、
「ドライヤーかけて」と頼むと、
君はそっと私の髪を撫でてくれた。







●純粋な君も夕日に溶けそう。


深くなる夏を君と過ごす日々は最高すぎるよ。

肩を並べ、手を繋いで、
夕日に溶ける街を眺めている。

「このままがいい」と君がそう言ったから、
君と繋がったままの手を強く握った。




●すべて受け入れて、抱きしめるよ。


臆病な君が悩みを抱えることは、
夏に青がないくらい似合わないことだよ。

だから、君はもっと青くなっていいし、
僕はそんな君を受け入れるよ。

つまり、今の君に言いたいのは、
僕が生きる理由のすべては君だってことだよ。





●忙しさを忘れて、一緒に優しさを探そう。


君とサクサクのクロワッサンを食べている。

カフェの窓越しの世界は忙しいから、
アイスコーヒーを飲みながら、
君の気持ちが癒やされる優しい言葉を
一緒に探そう。





●閉じ込められた世界の中で、僕たちはしっかり生きるしかない。


土砂降りの公園を屋根付きのベンチの中から、
君と座りながら雨が上がるのを待っている。
天気予報を当てにした僕らはバカらしくて、
お互いに几帳面に生きる僕たちは、
雨に笑われているねと君と話す時間は尊い。

「このまま閉じ込められたらどうしよう」と
君がぽつりと言ったから、
君となら閉じ込められてもいいよと、
素直な気持ちを君に伝えると、
君は微笑み返してくれたあと、僕の手を繋いだ。

だけど、その願いとは逆に、
降り続けている雨が雲の隙間から差し込み、
黄色でキラキラし始めた。
きっと、僕たちはこれからも上手くいくなって、
理由はわからないけど、微かな予感を抱いた。





●秋の始まりも二人きり。


夏の名残で今日も君と公園のベンチに座り、
他愛のないことを話している。

「もし、私がいなくなったらどうする?」と
整ったボブを揺らして、君はそう言った。

宇宙の風とか、輪廻を超えるくらい、
君の瞳は青く輝いているから、
泡の中に包んであげたくなった。

少しだけ寂しくなった公園は貸し切りで、
ふたりだけの秋が始まったような気がした。

モンブランをほぐすように
君のことを丁寧に扱いたいと思った。






●オレンジにイエローゴールドが溶ける。


オレンジ色の君は美しくて、
夕暮れと寂れたこの街と一緒に溶けてしまいそうだ。

二人しかいない帰り道は世界の果てみたいで、
君との会話はコンスタントに続く。

君が大切そうに腕につけている
イエローゴールドの小さな時計の淵が反射して、
瞬間的にきらめきを放っている。

揺れている君の気持ちを感じて、
思わず君の腕をそっと掴んだ。

君は、はっとした表情をしたあと、
少しだけ冷たい風が君との間に吹き抜けた。




●現実逃避は簡単だけど、永遠は簡単じゃない。


湖まで続く坂道を私と君は歩いて下っている。
温泉街まで続くこの道は二人だけの日常で、
あと、半年でこの街を出ることになる。

昨日の夕方、この坂を登っている途中で、
君と喧嘩をしたから、無口なままで歩いている。

愛は自然体でいれる人と上手くいくって、
昨日の夜、そんなツイートを見たけど、
君と離れる日常になったら、
お互い、自然体でいれるのかな。

湖は朝日でキラキラしていて眩しい。
坂の途中で急に君が立ち止まった。

だから、私も立ち止まって君を見つめた。
「ずっと、一緒にいよう」と
君はそう言って、私を抱きしめた。





●君と一緒に紡ぎたい。


いつものように朝焼けの中を歩いている。

並木道はまだ深い緑のままで、
キラキラと弱く輝いている。
秋の始まりも君と一緒にいるのが当たり前になり、
価値観が変わりつつあるよ。

巡る季節の中で一緒にきれいな景色を眺め、
きっと、最高のうちに3か月が過ぎて、
今年が終わればいい。

オーロラを眺めるときみたいに
言葉を交わさないで気持ちを共有して、
その積み重ねでずっと一緒だったらいい。

そうやって、
青い未来を確実にできたらいいね。





●穏やかに日々は過ぎていく。


楽しいことを君とたくさん作って、
ミラクルな暮らしをしよう。

外はいつものように騒がしいから、
炭酸水を飲みながら切り離そう。
日々、秋は深まっていくけど、
心の隙間は埋まっていくよ。

世界の片隅に思えるくらい、
この家は二人だけの楽しい空間だね。
穏やかな日々が過ぎ去るだけでいい。

それ以外は何もいらないから、
都市の孤独とは無縁になれるね。

だから、何が言いたいかと言うと、
君が好きだってことだよ。



●秋雨で心が揺れる。


言いたいことは言ったつもりだけど、
やりきれない思いが積もったままだよ。

だから、今朝もコーヒーを飲んで、
窓越しに憂鬱な秋雨を眺めている。

あなたのことになるとついムキになって、
余計なことばかり口に出してしまう。

もし、砂浜で昨日の星屑を集められるなら、
きっと、今日は無心になって、
たくさん集められそうな気がする。
だから、コーヒーを飲みきったら、
謝りのメッセージを慎重に作ろう。

昨日はごめんね。




●秋色の君をパッケージしたい。


少し冷たい風の所為で公園の季節は進むよ。

君とベンチに座る時間は無限に感じ、
尽きない冗談で二人の世界を作っている。

君は話しながらパーカーの紐をいじっている。
僕らはいつも死に向かって生きているのが、
たまに不思議に思い、虚しくなって、
気持ちが冷たくなるんだ。

焼いたマシュマロのように
ゆっくりとろけて、
素敵なシーンで終われたらいいよね。

冷たい風で木々はざわめき、
君のブラウンのショートボブが弱く揺れる。

そんなことを口に出すのが、
バカらしいくらい、
君の微笑みは無敵だね。



●春になったら、この街をでなくちゃならない。


誰もいない公園の隅のベンチで
夏の思い出を君とiPhoneで辿っている。

高台にある公園からは港と海の
こじんまりとした世界が見えている。

テトラポットに座る君は綺麗で、
あのとき、ゆっくり眺めた海を思い出すと、
切なくなるのは、なぜだろう?

君と住んでいるこの小さな港町は
いつものように穏やかで、
忘れた頃に冷たい風が吹くと、街は潮で香る。
「ずっと一緒にいたいね」
君がポツリとそう言った。

君を見ると君は先に広がる海を
じっと眺めながら、
何かを決意しているように見えた。







●恋した気持ちを君はきっと知らない。


君の声を聞くだけで
キュンとしてしまうのは
それだけ意識している証拠だよ。

秋の冷たい空気の中、
朝の静かな通学路を歩くのは
些細な非日常でファンタジーだね。

制服の癖に大人びている君は
不条理な社会に憂鬱で、
そんなに考えすぎないでよって、時々思う。

それでも社会は仕方なく廻っているから、
君がそうなるのも仕方ないよね。

そんな君に今、告白したらどうなるんだろう。

毎朝のこの関係がずっと続けばいいけど、
憂鬱な恋の気持ちは満たされない。





★砂浜で


 誰もいない砂浜で君とキスをした。

 真冬の海はしけていて
 君の髪は綺麗に乱れている。

 うねる白い波を見て
 君ははしゃいで、黒いスカートを揺らしていた。

 君の無邪気さが無敵なら、
 どんな無理ゲーも、無効にしてくれるね。

 手を繋いで帰ろう。

 車で暖まって、コーヒーを飲んで一服しよう。



★夜が更ける


 真夜中のマックで
 君との話は尽きないから
 すでに私のポテトもコーヒーも
 空になっていた。

 なんで君と一緒にいると時間が、
 メレンゲの泡みたいに溶けていくのが、
 早いんだろうね。

 私みたいのに付き合うなんて、
 君も寂しいんだね。
 それならお互い様だね。

 ねぇ、ずっと一緒にいて。





★隣町へ


 冬の白い日差しはホームを照らしている。

 隣町に住む君に会いに行く。

 柱にもたれかかり
 視線は上に、
 まぶしい空を眺めている。

 握ったままのiPhoneをほったらかして、
 君との予感をぼんやりと感じている。

 君がこの前言った
 あの言葉の意味とか、
 意図とか、考えてたら
 電車の接近警報が鳴った。





★ふたりぼっち


 公園のベンチに座り、
 君と二人マフラーしてさ、
 手を握りあってる。

 アイスクリームみたいに溶ける恋愛を
 今、瞬間冷凍して、君と食べたい。

 君との青春はあっという間で、
 未だに照れているのは、お互い様だね。

 春になったら、
 一緒に手を繋いで、
 あそこに見える桜並木、
 並んで歩こう。






★一目惚れ


 ずっとインストールしたかった
 この胸のときめきは
 あなたと目が合った瞬間から沸き上がった。

 長い廊下を駆けるように
 純粋な衝動と鼓動を一緒に
 8ビートに変換しよう。

 あなたのことをじっくり聞きたい。
 ドキドキを感じながら。

 廃盤になったお菓子、
 いっぱい買いだめしてるから、
 それ食べて話そう。





★駆け抜けよう


 夕日が射してまぶしい階段を
 二人きりで降りている。

 君との会話は学校の噂とは無縁で、
 妙に緊張するのは、なぜなんだろう?

 階段を降りきったとき、
 「現実から抜け出したいね」
 と君はぽつりと言った。

 このまま、君と旅に出て、
 誰もいない雪原の上を、
 君と歩きたいと強く思った。





★雨音が響く


 雨音は響く。
 今日も雨は降り続く。

 単調な毎日を過ごせてるだけ
 すごいことだけど
 いつも君に会えないから満たされない。

 いっそう、
 全部の不幸をぶちまけよう
 おもちゃ箱をひっくり返すように。

 オーロラを眺めるペンギンのように
 君と幻想的な自由を得たい。

 雨上がりに君に会いたい。



★週末の流氷


 20時の電車はみんな疲れている。

 送ったメッセージは未読のままで、
 モヤモヤして返事待っている。

 今度の週末は二人でゆっくりしたい。

 例えば、星形のクッキーに乗って
 流氷を見に行こう。

 氷原に沈む夕日のオレンジに
 むかって乾杯しよう。

 そしたら、間違いなく気持ちが晴れるね。





★恋人になりたい


 最高に目覚めが良い朝、
 友達の一線を越えたくなった。

 だけど、今の関係を壊すのは少し怖い。

 青い夢のように二人きりで手を繋ぎ、
 ゆっくり歩くのが緊張する関係になりたい。

 だから、しっかり決意して君に会おう。

 最後にご褒美のパフェを食べて、
 祝福と一緒に恋人になれたらいいな。




★雨、遅刻の君


 雨の繁華街は淡いLEDで
 まるでサイバーパンクの世界だね。

 傘にポツポツと音を立て降る雨は止まらない。

 映画の主人公にみたいに、
 電話ボックスの前で君を待つよ。

 街での思い出なんか夢みたいに一瞬だから、
 遅刻するのはあり得ないね。

 肩を叩かれて振り向くと、
 君は悪気がなさそうに無垢な笑顔だった。





★甘い魔法


 春になり始めている公園を
 手を繋いでゆっくり歩こう。

 「好きだよ」と言った君は
 ルージュで魔法をかけたみたいに
 甘くて、切ないのは、なぜだろう?

 君の手を離れないように
 アロンアルファで密閉して、隙間を埋めたい。

 春の強い風がぶわっと吹いた。
 君はそっと手を離し、乱れた前髪を直した。





★歩道橋ラブストーリー


 君といつもの歩道橋を渡る。
 君は制服のスカートを揺らして、走っていく。

 真下の国道は、無数の車が通りすぎていく。

 無邪気な君は無敵の愛を
 象徴しているみたいに見えた。

 君が振り返り、
 笑顔で「遅い」と僕を呼んだ。

 春の匂いが乗った強い風が吹き、
 君の髪が乱れ、最高に可愛かった。






★サンセットブルース


 学校の帰り道、
 いつもの砂浜に寄って
 二人で沈む夕日を眺めていた。

 自販機で買ったコーラは
 甘くて、爽やかで、
 切ない味がした。

 話の途中で時々、間が空くのは、
 それだけ満たされている証拠で
 何もないぼやけた時間を
 一緒に過ごせるところが好き。

 手を繋いで、今日のお別れのキスをした。





★チェリーブロッサム


 アスファルトにたまった桜の花びらが舞う中、
 君と二人で歩いている。

 気持ちいい午後だから、
 私は素直に君への思いを
 伝えられる気がした。

 君のこと思って、
 今日も睡眠不足だったよ。

 上擦った声で、一線を越える覚悟をした。

 「ねぇ、好きだよ」

 そう言ったら君は笑顔で振り向き、
 抱き締めてくれた。




●最終のメリーゴーランドに乗って。



閉園前の夢が眠りかけている世界は電球色でカラフルがシックになっていた。

11月の遊園地は底冷えし始めていて、
日中の陽気に騙されて一枚薄い格好をしたのを
私は少しだけ後悔していた。

君に手を引かれたまま、たどり着いた先には、
闇に柔らかい光を放つメリーゴーランドがあり、
最後にたどり着いたお城みたいに見えた。

光の傘の下で君と一緒に夜を駆けることになるんだと思うと、
君って、意外とロマンティックなことしたがるんだって思って、
いつものクールな裏はファンタジーで詰まっているんだって思った。

「乗るよ」
「最高だね」と返すと、君は弱く微笑んでくれた。
君のまつげの先に、電球色が乗っかり、輝いたように見えた。

隣同士の白馬にまたがると、
ゆっくりと回転を始め、冷たい夜風をゆっくりと切り始めた。
もうすぐ冬が始まってしまう香りがして、
今年もあと1か月もしないうちに終わってしまうんだって、
ちょっとだけ、虚しくなったけど、
去年の今頃は君の隣に私はいなかったからいい年だったな。

って、思いを伝えたくて、左側の君の方を見ると、
君はゆっくり上下に揺られ、右腕を精一杯伸ばしてピースサインを送ってきた。

その瞬間、私は君となら寒い夜を何度も越せるなって思った。







★春の憂鬱


 春はいつも憂鬱になるけど、
 君との尽きない会話は相変わらず鬱と無縁だね。

 路地で日向ぼっこしている猫は気持ち良さそうな顔してる。

 君となら上手く行くはずさ。

 UFOキャッチャーに掴まれたテディベアみたいに
 最強の愛嬌を振りかざしてよ。

 君との単純な予感は
 永遠になりそうな気がするんだ。




✶今はまだ、なにもわからない

桜が散る中で、
君と手を繋いで果てしなく思える
漠然とした将来のことを話し続けている。

「夢がいつか消えたら、もう大人になったってことなのかな」
君がそんなこと言うから、

「今はただ、君と居さえすれば、それで十分なんだよ」
って返すと、君は穏やかに微笑んでくれた。




✶似合う。より、いいじゃん。って認めてほしい

今の嫌な雰囲気を変えたくて、
思い切って、髪、短くしてみたんだ。
だから、新しいイメージの自分も、
君の理想の中に入れてほしいな。




✶君を待って、日付を跨ぐ手前まで過ぎた

今日も終わろうとしている今、
ココアを飲みながら君を待っている。

iPhoneを白いローテーブルに置いたまま、
頭のなかでグルグル回る
送ったメッセージの内容を忘れるために
Netflixオリジナルドラマをぼんやり眺めている。

今観ているストーリーが終わっても、
きっと、君からの返信を待ち続けるだろうなって、
思うだけでぞっとした。





✶雪の夜、君との話は始まった。

君と最初にキスをしたのは、
雪が降る夜、歩道橋の真ん中だった。

数秒のキスのあと、
私は、手すりに降り積もった雪を道路に落とした。

夜の雪の所為で車通りが少なくなった片側2車線の道路は、
寂しさと冷たさを感じたけど、
君との思い出は永遠に暖かくして、
私の中で強く保存したいと思った。





✶1000年の中で生きているつもりで。

なぜかわからないけど、
お互い離れ離れだったような気がするんだ。

君がそう言ったから、
前世でも惹かれ合ってたんだよって言おうと思ってやめた。

だけど、本当にそんな気がするよね。
まだ、照れくさくて君に返せなかったけど。

もし、何度も生まれ変わって、
1000年後に君に再会したら、
今日のこと、そっと伝えてみよう。





✶春はトレンチ


トレンチコートを
着こなす君は凛としていて
人には見せない弱さを
抱き締めたくなる

桜は散っていくけど
思い出はその分増えていくね

君は突然、立ち止まり
繋いでいた手を離して
屈みこみ
ひとひらの花びらを摘まんだ

綺麗だね

そのまま花びら持って
君が大好きな
クリームブリュレ食べに行こう






✶春の草原


破裂しそうな気持ち抑えて
破裂寸前まで強く抱き締めて。

春風は今日もピンク色していて
太陽の黄色い日差しの中で
誰もいない草原で二人、
風を思いっきり受けて。

もし、この瞬間、
世界で二人きりに
なったとしたら、
脱出の方法を考えずに
とりあえず、キスしよう。

君は強く切なく抱き締めた。




✶弱さを受け入れてこそ、愛。


夢で会ったあなたは赤い雨傘をさして、
土砂降りの中、凛と立っていた。

「強いね」そう声をかけると、
「強がってるだけなの」と言った。

その後、君は傘を放り投げて、駆け寄ってきた。

だから、強く君を抱きしめた。

「弱さを受け入れて」と君は言った。





✶君と最強の愛を誓った日は豪雨。


豪雨の中、抱き合って愛を確かめる。
煙るアスファルトと濡れて艷やかな君の髪で、
自分を取り戻せている気がした。

このまま、ふたりで蒸発できたら、
最高だねって笑う君は、
最強の愛だね。

雨の中、ふたりで誓った。





✶君の微笑みが無敵なのは、
   最上級の優しさを兼ね備えているからだよ。



今朝の夢の中で君は頬杖ついて、
外の景色を見ていた。

優しく、そっとした声で、
「なんで落ち着くんだろう」って
君は微笑んでいた。

こんな一瞬が、
ずっと永遠に続きますようにと、
今夜、流れ星にお願いしてみようかな。




✶君との予感は本物だって心の底から叫びたい。


ベンチでふたりきりで、
無限な夢を語っている。

揺れる思いを隠すので必死で、
君の表情を上手く見れない。

このまま時間が止まればいいと、
思う気持ちを読み取ってほしい。

ぼやぼやして笑ったら、
はずみで君の手に触れた。

プラズマで以心伝心した気がした。




✶君が泣いたら、僕も悲しいよ。
   だから、そばにいて離さないよ。


君が泣いたら、僕も悲しい。
ちっぽけな存在に感じる。

揺れ動く思いは、
低音を捉えるイコライザーみたいに
とても繊細で心細く感じる。

涙のあとは、
夕暮れに染まる君と手を繋ぐよ。

愛を目一杯、左手に注ぎ、
苦い呪いを消してあげる。




✶誰もいないホームで、君とふたりで電車を待っている。


薄暗くなったホームのベンチに座り、
ふたりで無限にくだらないことばかり言いあって、
友達以上恋人未満にもっと浸っていたい。

遠くで鳴る踏切の音がして、
一気に離れ離れの現実が訪れた気がした。

だけど、そんなことなんて気にもせず、
君が無邪気に笑い続けるから、
もう少しだけ電車の速度が落ちればいいのにって、
静かに願った。




✶悩みを閉じ込めないで。


「ありのままって難しいよね」
って君が言ったから、
君の悩みが深いことに気がついたよ。

そして、なにもなかったかのように、
今飲んでるココアの話を始めたから、
思わず、「待って」会話を切ってしまった。

きょとんとした表情の君は、
どうしてって言いそうだけど、
そんなことより、君の話、聞かせてよ。



✶あなたとの恋はキラキラしたままだよ。


離れるつもりなんてなかったのに、
すれ違った言葉で恋は消えてしまったね。

ただ、あなたと過ごした日々が、
胸の中で、まだキラキラしているのは、
思い出補正の所為じゃないと思ってるよ。





✾踏み出せない君との恋

 桜が散る公園のベンチに座り、
 君と私、ふたりきりでピンクが風に流れているのを
 ただ、眺めているのは、
 ドキドキするけど楽しい。

 だけど、お互いに
 「きれいだね」としか言いあえてないから、
 私は勇気を出して、
 詰まり気味に、君の名前を初めて呼んでみると、
 君が微笑んでくれたから、
 私の心臓はさらに破裂しそうになった。





✾私が片思いしていることを君は知らない


 片思いなんて、無意味なのかもしれない。

 だけど、君が私にくれた優しい言葉が忘れられず、
 もっと君のことが知りたくなったんだ。

 だから、君との関係が終わってもいいから、
 明日、君に伝えてみる決意をした。





✾君に頼まれたから


 君に頼まれて、君のバッグと一緒に
 放課後の誰もいない教室で君を待っている。
 
 君に頼まれたのは、偶然だったけど、
 君とふたりきりで話したかったから嬉しかったよ。

 君が戻ってきて、
 「一緒に帰ろう」って言われたから、
 それが嬉しくて、
 心臓が一気に爆発しそうになったけど、
 冷静さを装って、静かに頷いた。





✾雨の日に桜を君と見る 
 
 
 今日も冷たい雨が降っていて、
 せっかく咲いた桜も濡れたコンクリートに沈みそうだね。

 「桜、見たいな」って君が言ったから、
 雨の中、ビニール傘をさして、
 ふたりで川沿いの桜を眺めながら、
 ゆっくり歩いている。

 「もっと早くいけなくてごめんね」 って君に言うと、
 「いいよ、雨の桜って印象に残るから」と返して、
 君は微笑んだから、少しだけ罪悪感が弱くなった。





✾君に触れる


 カーブミラーに映る制服姿の僕たちは
 奥に映る風に揺れる街路樹と電柱の間で、
 湾曲して、突っ立っていた。

 風で君のスカートの裾は揺れて、
 整ったボブの先もきれいに揺れていた。

 「ねえ、キスしよう」
 そう言われて、君の積極性を責めるより、
 僕の消極的な姿勢に、一瞬、自己嫌悪した。
 だけど、すぐに切り替えて、
 君の肩に手を回した。

 そして、とりあえずそのまま抱きしめて、
 路地裏で君の体温を奪うくらい、
 しばらくそのままでいたあと、
 そっと、君を離した。

 「あとでね」とわざと焦らしたけど、
 君がつま先立ちをした直後、唇が触れた。







✾始まってしまった遠距離恋愛


 ホームで電車を待ちながら、
 昨日、中途半端にしてしまった
 君とのメッセージの返信を考えている。
 
 君はきっと、上手くいくと思うよ。
 そう思えるくらい、
 眩しくてうらやましい内容だから、
 もう、別に返さなくてもいいんじゃないかと思ったけど、
 離れても君とのつながりを失いたくないから、
 しっかり、優しいメッセージを返してあげよう。



✾落ち込む君は美味しい


 落ち込んだ君を愛せるのは多分、俺くらいだし、
 とりあえず、まだ春は暖かくないから、
 君の大好きなココアをいれたよ。

 星屑をミキサーで崩して、
 それをバニラフレーバーと一緒に
 葉巻の中に包んで吸い込んでしまえば、
 きっと、少しは気分が上向きになると思うよ。

 そう言ったら、
 「やっぱり馬鹿だね。こんなときにそう言うこと、言えるんだから」
 と言って、硬かった頬を柔らかくしたから、
 俺も少しだけ頬の筋肉を和らげ、
 自分の分のココアを飲み、
 久々のココアって甘いんだなって、
 なんとなくどうでもいいことを感じた。




✾恋愛は何色の言葉で表現すればいいの?


 君への思いが届かないかなって、
 空想に浸りながら、スタバで思案して、
 限定のフラペチーノを飲んで、
 近いうちに一緒に飲めたらいいのにな――。

 ピンで装飾された君の言葉は素敵で、
 何度も脳内で再生しても飽きないや。

 また偶然を装って、
 君と離して距離を縮めよう。

 少しずつ、気づいてくれたら、
 それで十分だよ。

 君のことが好きな気持ちは、
 きっと、今は一方的かもしれない。
 君を振り向かせるには何色の言葉を操ればいいの?





✦夜行バスに乗って、翌朝からディズニーに行く

 
 君と約束通り、終業式が終わり、
 夏休みに入ったから速攻で、
 バイト代を突っ込み買った夜行バスに乗り込むと、
 完全に嬉しくなってワクワクし始めた。
 
 君はそれに気がついてくれたみたいで、
 「とりあえず、イメトレしとこう」と、
 TikTokのベイマックスのハッピーライドの動画を見せてきた君も、
 ワクワクしてそうで、明日は素直に最高の一日になる気がした。





✦蒸し暑い夜、君は公園で話を聞いてくれようとしている

 霧がかかり、蒸し暑い夜の公園で、
 どうしてかわからないけど、君は私にあってくれた。

 焦りに押し潰されそうになるなかで、
 その思いを言語化しようとしたけど、
 どうしても上手くいかなくて、
 スカートの裾をぎゅっと両手で握ると、

 「わからないことは、わからないままでいいんだよ。
  ただ、君はもう、そのままで十分だと思うから忘れよう。
  簡単には忘れられないと思うけど、忘れられるように手伝うよ」

 そう言って、君は微笑んでくれたから、
 まだ、気持ちは晴れないままだけど、
 君のその優しさに対して、微笑み返すことにした。






✦普遍的な想いを忘れたときは、あのときの無限を思い出せば元に戻れる
 

 離さない。
 あの日、夢中で話したように無限の中にいよう。
 
 遠くなっていく思い出は、
 大切にビスケットの缶にしまおう。

 例えば、ソーダ水越しで君を覗くように
 遠い記憶は透明になる。

 だから、もう一度、お互いの小指を結ぼう。





▲君とベンチに座り、スマホで撮った写真を見せ合った


公園は夕闇が深くなり、街灯が主張し始めた。
君とベンチに座り、スマホで撮った写真を見せ合った。
緑と青に君の黄色が魅力的な多くのシーンが次々と指先で過ぎていく。

「黄色ワンピにしてよかった」
「いいね」
「映え狙ったから」

AirDropで送った写真を君は早速アップしてた。





☆君と夏を超えられそう。


 夏の始まりの中で始まった君との恋は、
 ひまわりが綺麗になっても、
 まだお互いに緊張がとれないくらい、
 ふたりはシャイなままだけど、
 君の優しさはしっかり受け取っているよ。

 だから、君と僕との緊張が取れたら、
 僕は君にこう言いたい。

 僕は君のことが好きだ。




☆いつまでも笑いあえるのは、君が魅力的だからだ。


 君も僕も出会ったときよりも、
 すっかり変わってしまったように思うけど、
 お互いにコーヒーを飲みながら語るたびに、
 大人になったような気がするよ。

 ただ、今でも少年少女のまま、
 笑いあえるのは君のおかげだから素直に感謝したい。






☆ダメな私を全肯定してくれる君はネ申だけじゃ収まらない。


 恋に迷いやすく、
 しくじることが多かった私のことを、
 全肯定してくれる君に出会えたのは
 奇跡だったと今でも思うんだ。

 こんなダメな私でも、
 「君のすべてを愛しているよ」って、
 こっちが照れるくらいの言葉でしっかり伝えてくれる人は、
 もう、これ以上現れないような気がしているよ。




☆君と僕は、今日、世界から取り残された。


 悩んでいる君の表情は幼くて可愛いから、
 深刻そうな悩みも、なぜかポップに見えてしまうよ。

 学校に行かなかった僕たちは、
 手を繋いだままベンチに座った。
 誰もいない午前中の公園は秋の風が吹き、
 木々が音を立てて揺れている。

 君のショートボブも弱く揺れて、
 僕は思わず、君の頭を撫でた。

 君は音もなく泣き始め、
 「みんな、いなくなればいいのに」と言った。
 僕は思わず、君を抱きしめた。
 君が多数から消されないように。




☆黄色い恋は深まっていく。


 イチョウ並木の中で二人きりで歩く。
 あなたとの素敵な恋はゆっくりと進んでいく。
 手を繋いだままでも、優しさは伝わり、
 きっとこのまま、深まっていきそうだね。

 あなたとの出会いは偶然で、
 彗星同士みたいに逢うはずない出会い方をした。
 思い出も愛情も自然と深まり、
 季節はあっという間に巡っていった。

 あなたが、ふと、立ち止まり、
 「最高だね」って笑顔で言った。
 「最高って、なに?」と聞き返したら、
 あなたに思いっきり抱きしめられて、
 一瞬、息が止まった。






☆朝から憂鬱なのは、君の所為だよ。


 嫌いだった君のことが好きになったのは、
 ありきたりなことで
 君のことを誤解していたからだ。

 日に日に冷たくなる朝の空気を思いっきり吸っても、
 どうして憂鬱は晴れないの?

 友達以上、恋人未満になった今、
 昨日送ったメッセージが未読のままで
 そわそわしたまま朝を迎えた。

 「もういいよ」って、
 誰にも聞こえないようにつぶやいたけど、
 心の隙間が広がっただけのように感じた。

 君なんてって思うほど、
 気になんて仕方ないから、
 早く、既読くらいつけてほしい。




☆君を好きになった理由はわからない。


 コーヒーをゆっくり飲み込んで、
 君を好きになった理由を考えてみた。
 だけど、理由なんて思いつかず、
 iPhoneに表示されたタイムラインを指でなぞる。

 胸のときめきは瓶詰めされた
 キャンディを揺さぶるようにポップする。
 普段の憂鬱は簡単に忘れてしまうくらい、
 朝から浮かれすぎている。

 君と話すと時間が溶けてるのは、なぜなの?

 出会ったばかりなのに
 懐かしいせつなさが眩しすぎるよ。
 週末、君と合う約束はすでにされているよ。
 そのときが来るまで待ち切れない。
 
 コーヒーをもう一口飲み込んでも、
 そわそわは終わらない。





☆君からのメッセージで勝手に熱を帯びる。


 奥手な君を待ちきれなくなっている。
 夏に君と知り合って、思いを寄せていることに
 きっと、気づかれていなくて、
 砂浜で二人で踊りたい気持ちは、今も抑えられない。

 だけど、君との恋は進まず、
 世界は変わらないままだ。

 だから、たった今、
 届いた君からのメッセージで、
 合う約束をされたのは革命的な出来事で、
 勝手にソーダ水のように透明な君との未来を想像して、
 今、熱を帯びている。





☆君との時間は溶ける。


 巡る季節の中で君と手を繋いだまま、
 変わらないやりとりを交わしている。
 イチョウ並木は世界を黄色に染めて、
 少しだけ寂しい公園は冬に進んでいる。
 
 「来年もこのままがいいね」
 君はポツリとそう言って、
 無敵の笑みを浮かべるから、
 僕は思わず照れくさくなった。

 純度100%の幼い君と、
 お揃いのコンバースで、
 こうして歩けるのも残り僅かだから、
 今日も結論を求めないで、くだらないことを
 時空が溶けて歪むカフェで話そう。









3、失恋を詰め合わせて




●夏なんて早く終わればいいのに。


 海へ続く下り坂を陽炎の透明を切り裂いて、歩き続ける。
 坂を下った先に見える踏切は逆光で影って歪んでいる。

 片思いだった想いは簡単に失った。
 君が別な人と手を繋いでいるのを見てしまった。
 噂なんて、信用できないよね。
 誰が、まだ付き合ってる人はいないよって広めたんだろう。

 先に広がる海はキラキラと白い光を反射して、
 世界は遥か先まで夏だった。
 揺れた想いはこのまま、夏の熱で溶かしてほしい。
 バターが焦げてしまうくらいに。

 踏切が点滅を始めたあとすぐに、
 ゆっくりとアルミ色の電車が奥の海を遮った。




●君は夏なのに冷たかった。
 
 深い傷を作ってから、
 君と出会った夏の日のことをより思い出してしまうよ。

 初めて手を繋いだとき、
 君の手は効きすぎた冷房で冷たくて、
 しっかりと温め守りたいと思った。

 だけど、君を傷つけた事実は変わらない。
 嘘をついてごめんね。





●涼しい朝を切り裂く。


 一人で自転車でシャッターで白い商店街を抜け、
 朝の冷たい空気を切り裂いていく。

 お互いに疲れてしまったよね。
 あなたは私のことをどれだけ思っていたのかわからないけど、
 私はあなたのことをどこでも思っていたことは知らなかったんだね。

 バカみたい。

 そんなグルグルした思いをペダルに込め、
 ギアはグルグルと前へ進めようとする。

 商店街を抜け、踏切を抜け、海沿いの国道にたどり着いた。
 すでに朝日は結構な高さまで上がっていて、
 今日もあっという間に30℃を軽々と超えていきそうな雰囲気が出ていた。

 いつか、あなたと一緒にみた夜明けの海は世界を僅かなオレンジ色で染め、
 そのなかで嘘をつかない約束をした。
 だけど、あなたはそのことを忘れてしまったんだね。

 小さな港の方まで進み、
 そして、私は自転車を止めて、
 テトラポットに登って、座った。

 宇宙の端まで着たみたいな、
 さざなみの音しかない世界で、
 あなたへの愛を思い出した。

 涙が頬を伝う感触がして、
 余計あなたのことが嫌になった。




●恋の痛みは冷やすだけじゃ治まらない。

 エアコン全開の部屋は無菌室みたいで、
 自分を部屋に閉じ込めたまま、
 Spotifyでお気に入りの曲を再生しても、
 胸は冷え切ったまま痛む。

 仲直りのきっかけがないまま、君との関係は終わりそうだね。
 「さよなら」くらい言えばよかったかな。

 君との青春は去年の夏に始まり、
 君との青春は今年の夏に終わりそうだ。

 たくさん交わした約束はもうすぐ無効になりそうで、
 昨日の夜から何度も確認したLINEのやり取りを読み返しても、
 終わりの気配しか感じなかった。

 初めて君を好きになった日のことは今もすぐに再生できるし、
 それを大切にしていたのに、
 そろそろ捨てなければいけなくなると思うと、
 余計、胸が痛み始めた。

 君との関係がもし終わったら、
 一体、どうやって日々を重ねたらいいんだろう。

 



●素直になれなかったから、夏を永久に保存したい。



 制服姿のときに伝えたあの気持ちは、
 すでに無効になっているのは、
 大人になった証拠だね。

 夜のローソンでアイスを買って、
 駐車場で人を愛することについて語った。

 LEDに変わり、固くなった街灯。
 街は夏でも冷たく感じる。

 仕事が終わってすべてが、
 どうでも良くなると君を思い出してしまう。

 だから、タイムスリップして、
 君と手を繋いで、
 そのまま約束を永久凍結のよに
 一生にする努力をしてやる。




●あの夏、大好きだった君と雨に打たれたのを思い出した。

 夏の雨に打たれたくなる衝動は
 淡い思いを思い出すからだ。

 優しかったあの言葉は時が経つにつれて、
 憂鬱色にどんどん補正せれていく。

 大好きだった偽りがなかった気持ちは、
 アイスコーヒーの氷みたいに消えて、
 薄くなった苦味と風味が残った。

 どんどん過去に置いていかれそうだから、
 今に集中して、
 君のことなんて、忘れてしまいたい。





●昨日は楽しかった。ただ、それだけの事実だけでいい。

 指切りをした昨日を思い出した。

 あなたと橋から眺めた花火は儚くて、
 穏やかな川面に揺れながら、反射していた。

 「ずっと一緒にいよう」と言われたのを思い出し、
 右の小指を立てて、小指をじっと眺める。

 あなたの感触をありありと思い出せるよ。

 当日配布のように確約のない約束を
 あなたは本当に守ってくれるのかな。

 捨てられた過去はつらいけど、
 そんなの忘れて、夏を楽しもう。



●いつも鈍感だから、いつも肝心なことができない。

 あのときの君の涙を思い出すと胸が締め付けられる。

 二度と戻れない青い瞬間、
 君の気持ちを上手く汲み取れなかった。
 
 公園の噴水は今日も白く、時は進む。
 そして、自分だけ一人、取り残されていく。

 目まぐるしく世界は変わっていくけど、
 ちっとも成長しない自分は置いていかれる。

 今なら君の繊細な気持ちを
 しっかりと受け止められたんだろうね。

 だけど、胸にしまうよ。
 もう、何もかもが遅いのは、
 わかっているから。











●漠然とした未来なんて、夏と一緒に溶けたらいいのに。

 コンクリートの階段で、
 見たくない漠然とした未来の話を
 制服の君とだらだらと話している。

 美味しそうな積乱雲が夏を引き締めて、湿度が急上昇していた。
 その所為で、君と繋いだままのを手は滲みはじめていた。

 「離れ離れになりたくない」
 ただ、それだけを聞きたかっただけなのに、
 憂鬱がレモネードの酸味みたいに
 胸に滲むのは、なぜだろう。

 もし、永遠が簡単に手に入るなら、
 君とこんな話なんて、しなかったのにね。



●暑さも寒さも過ぎ去れば、すべてイリュージョンでしかないのかもしれない。

 夏の日々は、深まっていくけど、
 心の隙間は未だに埋まらない。

 やり方もわからないまま、
 苦さで胸が締め付けられる。

 それでも、木々の緑は深まっていく。

 未だにあなたは胸の中で微笑んだまま、
 時がいつの間にか経ってしまった。

 誰でもいいわけがないから、
 あなたと過ごした日々を
 溶けたパズルのピースを見つけて思い出す。

 上手く微笑んだら、褒めてほしい。
 
 すべてが過ぎた去ったんだねって。





●夏は雨と晴れ。いつか止むけど、今すぐ止む魔法はない。

 プールに降り注ぐ土砂降りを教室から眺めている。
 揺れる水面は心と表裏で、憂鬱な恋みたいだね。

 このまま雨に打たれて、
 胸の痛みを溶かすのもいいかもね。

 イヤホンから大好きな曲が流れている。
 机に頬杖をついて、ため息を吐いた。

 きっと、上手くいくよ。

 耳元でそう言われて、
 憂鬱な恋が叶うかもと、ふと思った。





●君なんて永遠に封印されたらいいのに。
 
 放っておいてほしいから、
 電球色のカフェでぼんやりとしている。

 都会はこういう時だけ優しくて、
 切なくて、擦り切れた心を癒やしてくれる。

 夜更けに君から来たメッセージは、
 キャンディを溶かして、飴細工を作るくらい
 すべてを飲み込むことができない。

 コーヒーの横に置いたiPhoneをなぞり、
 指先で履歴をたどる。

 今年の夏は心がすれ違っていた。
 もし、なんてもう、ないのかもしれない。

 コーヒーを一口飲むと、
 涙が頬を伝い、
 鼻の奥が重くなった。



●あの夏が色褪せないから、胸が締め付けられる。

 遠くから塩素の匂いがする。
 アスファルトに陽炎。
 オレンジのカーブミラーに映る自分の姿。
 一瞬立ち止まって鏡の世界を見る。
 
 割れに返って、急いでいるのを思い出す。
 溶けてしまいそうな気持ちで、
 胸が締め付けられて、
 憂鬱と一緒にダンスしているみたいだ。

 遠くなった思い出が胸をかき乱すよ。
 ピアノの調律が上手くいかないように、
 君があの夏に言ったことが離れない。

 すべては幻だった。
 入道雲みたいに。





☆雨の街は宝石みたいにキラキラしている。


雨の中のビル街は悲しくキラキラしていて、
都会の夢とか、希望とか、
そういうのをすべてアスファルトが
黒く吸収しているように思える。
自分が嫌になってしまい、
横断歩道の真ん中で立ち止まりたくなった。
夏が始まるのに、
胸に残った重たい感覚はそのままで、
きっと、この夏も無力感を感じるんだろうなって、
なんとなく、嫌な方に考えてしまう。
なぜかわからないけど、
あなたが今、どこで何をしているのかを
急に知りたくなった。




☆突き抜けた青さの所為で君を思い出す。


芝の上に仰向けになって、
新鮮な空気を思いっきり吸い込んだ。
ひとりでいることには、
もう慣れてしまったから、
このまま、季節が変わってしまっても、
全然、平気なままでいれるなって思った。
だけどね。
君が特別だった事実は変わらないから、
こんなに突き抜けた青空を眺めていると、
もし、あなたが隣にいてくれたら、
どんなストーリーになっていたんだろうって、
ちょっとだけ、よぎるよ。
右手を空に伸ばすと、
なぜかわからないけど、悲しくなってきた。




☆純度が消えた恋は、ただの青い幻になった。


去年の今頃よりも、
ずっと自分は大人になったんだなって、
別れを選んだ日からどんどん遠ざかっていく。
あなたのことをしっかりと理解をしていたら、
どんな世界線になっていたんだろうって、
何度も繰り返した思いは、
もう飽きてしまった。
あなたとはしゃいだ日々は青春だった。
裸足で砂浜を無邪気に駆け回った。
そのまま楽しいことを
保存するだけじゃ、上手くは行かなかったね。
だけど今は、
それなりに楽しんでいるよ。
時折、ふとした時にあなたを思い出すと、
胸から青い切なさがそっと蘇るけどね。




☆あの日、君と一緒に、もっと遠くへ行けばよかった。


暑くなった朝の
いつものこの街を歩きながら、
時が経ち、消えてなくなった、
君への思いをふと思い出した。
いつかの夏、君と一緒に
海岸線を自転車で駆け抜けた日のことを。
消えてしまった思いは夢みたいだね。
ピンクの愛の中で溺れる魚みたいに、
強く惹かれ合っていた気がしたのに、
結局、一緒になろうとはしなかった。
自然崩壊した関係は修復不可能だから、
思い出の中で君はこれからも生き続けるね。
そんな甘さと弱い後悔を思い出していたら、
遠くから塩素の匂いがした。





☆君はもう思い出の中。


揺れる気持ちは雨粒を跳ね返す
黒いアスファルトみたいにずっしり重いな。
今日も朝から雨で道端の紫陽花は濡れて、
花びらに雫が弱くキラキラ光っている。
いつものように地下鉄の駅へ向かう、
気持ちは未だに上がらない。
いつの日か、君と二人で
灯台のある岬から見た朝日は特別なまま、
胸の中に残り続けているから、
たまに思い出すと甘酸っぱさを
ふとリアルに思い出してしまう。
君は今、何をしているんだろう。
君とのLINEのトークを開き、
『またね』の3年前の日付が遠いよ。





☆あのときのすれ違いは広がり、お互いに別々の場所で大人になった。


アイスコーヒーを飲みながら、
蒸し暑くて憂鬱な朝を
そっと吹き飛ばしている。
それなりに毎日をこなしているけど、
昔、出会い、そして別れた君がいたら、
どのくらい楽しかったんだろって、
たまに空想を広げてしまうんだ。
あのときはお互いに鬱々を共有して、
大人になりたくないって言い合ってたのに。
すれ違う、君との思いは今では
修復不可能だから針は進まない。
そんな君もしっかりと
大人をやっているはずだから、
過去はグラスの氷が溶けて崩れるように儚い。




☆好きだった君を思い出すスタバは切ない。


スタバで君への思いを浄化さたくて、
甘さをしっかりと味わうことにしたよ。

君との世界は一緒だってこと、
信じることができるけど、
涙はなぜかわからないけど、溢れてしまうよ。

あの日、君が好きと言った言葉、
それが本当だったなら、
私は今日、こんな寂しい思いしてなかったのに。




●約束はもう無効。


制服姿で冷えたビルの階段で
交わした約束は
今はもう無効なんだろうね。

毎日働いて、
色んな人と話しているのに
ひとりぼっちなのはなんでだろう。

ローソンの牛乳瓶が白く濁る夜、
あの日、あの灰色の階段に座っている
君のことを思い出した。

揺れちゃった迷いは
もう永遠に戻らない。




●すれ違ったまま、諦めた恋を思い出すのはどうして?



日々、後悔は胸に降り積もっていく。
だけど、それを無視して、新しい生活をして、新しい人を選んで頑張っても、
心のどこかで君を思い出してしまうのは、どうしてだろう。

君とは自然消滅したんだから、
私はもう、後悔なんてしていないはずなのに。

今日も雨の中、都営新宿線に乗り、忙しい場所まで身を任せているよ。
地下の中では雨の気配は人々の閉じた傘しか感じられないし、
都会ではね、君の住む場所と違って、
濡れないまま、雨の匂いも感じず、外の冷たい空気を吸わずに、
目的地まで行くことができるんだよ。

君は何をしているのか、気がかりな気持ちを抑えられなくて、
結局、カフェで一息つくことにしたよ。

そして、インスタのDMに残っている君とのやり取りを開いて、
『応援してるよ』
と、数年前の君の優しさを思い出して、
また、胸が痛くなったよ。

優しさに飢えた私は、きっと、今、
君とはもう、価値観が合わないかもしれないくらい、
くたびれてしまったよ。

だけど、諦めきれないから、久々にメッセージを送ってしまい、
ドキドキを誤魔化すためにコーヒーを飲もうとしたら、
数滴、カウンターにこぼしてしまった。






●あなたがいないと何もできないことに、今更、気づいたって、もう遅い。

 あなたのことを忘れられないまま、
 夏はもうすぐ終わるね。

 電車は今日は轟音を立て、大きな川を渡る。
 イヤホンからは憂鬱なメロディ。
 気持ちを曲に合わせる。

 好きになれない自分は変われないまま、
 頭の中は渦を巻いて、
 つらい気持ちが黒くなるよ。

 シャーベットで流して、気持ちを清めたいな。
 指摘されたところを直すから、許してほしいな。
 だけど、そんなの無理なのはわかっている。
 
 単純にあなたが好きだった。





●すれ違ったまま、諦めた恋を思い出すのはどうしようもなかったからだ。


夢を追う君から離れたほうがいいと思い、
僕は好きだったけど、君から離れることにした。

君に言えなかったことは、今はようやく克服できたよ。

あの時は先が見通せなくて、身体もどんどんボロボロになっていき、
白い天井や風で舞っている白いカーテンを白いベッドの上から眺めていたよ。
世間は夏でキラキラして、青色を楽しんでいるのかと思うと、
すごく悲しかったし、こっちから君のことを振ったのに、
ときおり、君との恋を思い出して冷たく不機嫌な胸が少しだけ温かくなったよ。

『応援してるよ』

このDMを送るので精一杯だった。
本当は自分の病を君に打ち明けてもよかったと今、結果論で考えると
もう少し、君に頼ってもよかったのかもしれないと思ったよ。

君は無数の銀色の窓が空の青を反射する街で上手く行ったのかな。

更新されない君のインスタのアカウントは昔のままだった。
そして、僕のページも3年前と変わらないままだった。
だけど、君にも僕にも平等に3年のときは流れているはずだよ。

数年ぶりのドトールの中で、
僕はミラノサンドを食べ、それをコーヒーで流し込み、
いつもと変わらない見慣れた国道を行き交う車を窓越しに眺めていた。
カウンターに置いたままだったiPhoneに通知が表示されたから、

それを見ると、最初、信じられなくて、
僕は素直に君にこれまでのことを伝えようと思った。





●すべてを捨てるよ。



僕は君のことを真剣に考えてきたけど、
雪が降り積もる静かな明るい夜の中で君を失ったことを素直に後悔しているよ。

忙しさでお互いに積み重ねることができなかった日々は、
コンクリートの水たまりに氷が張ったみたいに不毛だったのかもしれないね。

ローソンの看板が雪で光がぼやけていて、
僕は君とこのローソンの前を去年、初雪が降った日に歩いたことを思い出した。
あの雪の日の夜も、この思いは変わらないかと思っていたけど、
1年もすれば、人って簡単に変われるね。

君の少しかすれ気味の声が好きだった。
冗談を言いあいながら、関係を深めていきたいなって漠然と思っていた。

だけど、日々はすれ違うことばかりだったな。
とても、思いやることなんてお互いに無理だったのかもな。

「好きだけど、もう一緒にいるの無理だから。ごめんね」
再生される君の声に納得はまだしっかりとできてない。
君を信頼しすぎて、甘えすぎたのかもしれないなって思ったときには、
もう遅いっていうのは、きっと、ありきたりなことなんだろうな。

よくふたりで、
もち食感ロールを買ったこの店で、
つらいから、ジャックダニエルを買って、
君と出会った頃のことを思い出そう。





●君を思い出すと胸が痛む。


君を思い出すと胸が痛む。

海が見える坂道を二人で下ったことや、
練乳より柔らかそうな入道雲を見たこと。
君に言えなかった言葉や、
暑いのに漠然と手だけ繋いだこと。
このまま時を止めたい甘さや、
夏が終わったら何もなかったかのようになったこと。




●私のワンピースは屈しない。


去年、君との思い出は炎天下で溶けて、
へばり付いたままになった。

あの日着た黄色いワンピースは
クローゼットで眠ったまま、今年になった。

もし、レモンが割れた風船のように
灼熱のアスファルトにくっついたら、
酸味は無限になるのだろうか。

と思い馳せて、ワンピ着る日常は屈しない。





●機嫌なおしてあげるよ。

不機嫌そうな君の表情は氷上で踊る笑みとは遠くて、
雨をサイゼリヤの窓越しに眺める僕らは水槽の中のネオンテトラみたいだね。

雨が降るたびに冬が近づき、僕らは置いてけぼりをくらったまま月日は経つ。
言葉数が少なくなったのは、
倦怠期という言葉一つで片付けたくないよ。

もし、何かが不足しているのなら、
普段はあまり言わないありがとうの束を君に贈るよ。
そんなことはもう、遅すぎるような気がした。

君を怒らせるのはいつも僕のほうだと思うけれど、
そんなに君が気になることに僕は鈍感なのかな。

君のショートボブはいつの間にか新鮮味がなくなっただけだから。
今日もこうして、少ない言葉でやり取りできるのは、
たぶん信頼しすぎている所為かもしれないな。

頬杖をつく君は雨で濡れた窓に映る。
目を合わせずに窓に映るいつもの君を横目で見ていると、
ふと、ピアスに目がいき、
いつもと違うイエローゴールドが今日も雨で濡れる街の片隅に映っていた。

君に視線を視線を戻すと君はようやく僕に目線を戻し、

「気づいた?」と冷たくそう言い放ったから、
「似合うよ」
「遅いね。もう夜になりそうなのに」

君はようやく笑みを浮かべたから、僕は君に別れを告げることにした。




●奥手になった理由。

1人でいるほうが、
楽になってしまったのが、
いつからだったのかわからなくなるくらい、
独りに慣れてしまったんだ。

恋愛に臆病になったのもきっとその所為だよ。





●君はきっと、今、私が泣いていることなんて知らない。

君と離れ離れになり、
電波じゃ埋め合わせられない言葉じゃ、
もう、限界が来そうで怖いよ。

こんな弱音、言えないのはわかっているよ。
頭の中では。

ただ、深く思うの。
会いたいって。




●君に慣れすぎてたね。

お互い、最近、感謝すること少なくなったねと、
君はボソリとそう言ったから、
僕は自分のことが嫌になった。

君の好意に慣れきってしまっていたとしたら、
僕は今の当たり前を疑うべきだった。




●1ミリしか、すれ違わなかった恋は終わりそうだ。

君との連絡がすれ違いが続き、
もう、付き合っている意味がすでに見いだせなくなっていた。

すれ違う前の甘かった日々は、
あっという間に青いモヤがかかり始めていて、
iPhoneの待ち受けにした二人が虚しいよ。

今日も君からの連絡が来ないから、
過去に置いてきぼりにしている
カラフルな思い出に溺れそうになる。



●別れたあとの穴は塞がらない。

別れたあとの世界は淡々と進むけど、
心に空いた穴は未だに塞がらないよ。

キスをしたことや、
キズを癒やしあったことは、
すべて夢の彼方に消えてしまったね。

だけど、忘れないよ。
君に優しくされたことは。








●あのとき言ってくれたことは本当だったのかな。

素敵な恋に溺れていた季節は、
あっという間に過ぎていき、
私だけが変われなかったよ。

寒い季節が終わり、
桜が咲き始めているこの時期も
君と一緒に居れると信じていたけど、
君は別の女子を選んだんだね。

だから、君が言っていた
好きは嘘だったから、
君とはもう会いたくない。

もう、恋もしたくないけど、
季節が変われば、
また、新しいことできるかな。




●揺れる朝を軽くするには重さが必要。

昨日の君とのやり取りが
朝、目覚めても鮮明だったから、
スタバでコーヒーを飲んでいるよ。

「もうこれ以上、好きになるのがつらい」と言われて、
憂鬱な君との恋は寒くて、蕾が開かない青い桜みたいだね。

ダイアリーを開き、
ペンで気持ちを書きなぐってみたけど、
君が好きになるのがつらいなら、
好き勝手にやればいいのかなって、
投げやりになるくらい、
つらい。

つらい、つらい、つらい。

これ以上の言葉が思いつかないから、
ダイアリーを閉じ、
マグカップを手に取りコーヒーを飲んだ。

もし、タイムスリップできるとしたら、
いつに戻れば、こんな気持ちにならないんだろう。





●あの約束はもう無効なのは、わかっていたはずなのに。


 あの時、
 制服で交わした約束は
 今、振り返ると
 淡かった。

 すでに無効の約束を
 思い出したのは
 昨日の君からの
 メッセージだった。

 結局、飲みに行くことになった。

 だから、今、
 待ち合わせ場所にいる。
 妙に緊張するのはどうしてだろう。

 君に呼ばれた。
 その声であの時に戻った気がした。




●夢のなかで君は。


 今朝、見た夢で
 君のことを思い出した。

 二人乗りの自転車で
 坂を下ったこと。

 午後の秋色した公園で
 無限に話したこと。

 日が早く沈んだ路地で
 右手を君の左手に結んだこと。

 いつの間にすれ違った。

 忘れていたんだ。
 君を想っていたこと。

 今、どこかですれ違っても
 きっとわからない。




●雨のイルミネーション


 雨で濡れたアスファルトに
 イルミネーションのLEDが
 青白く反射して、
 いつも見慣れた街が
 ファンタジックになっていた。

 君に言えなかったこととか、
 そういうことを魔法にかけて、
 奇跡を起こしたい。

 水が合わないなら
 諦めてしまえばいいけど、
 まだ、君を諦めたくない。

 君に会いたい。




●秋は深まるけれど、変われない。


 スタバのカウンター越しに見る街は灰色で
 今朝も秋雨が降っている。
 MacBookで昨日残した仕事を進めるけど、
 終わる気配がなくて、
 つじつま合わせで楽しく思えない。

 電球色の非日常な暖かさの中で
 コーヒーを飲むと寂しさは紛れる訳ではなく、
 君と過ごした夏は、
 すでに幻で、
 思い出すと胸が締め付けられる。
 ソーダ水の中で息を止めるように
 虚しさで息苦しくなる。

 冷やした愛はバニラには合わなくて、
 そんなことを繰り返しているうちに
 ガラス越しに君を見るようになった。
 弱くなる呼吸が切なくて、
 管で繋がれた腕をそっと掴みたかった。

 君の微笑みが熱い涙で見えなくなるうちに
 季節は深まり、
 受け入れられない自分だけ置き去りにされた。
 MacBookの画面が滲んで見えない。
 コーヒー飲んでも落ち着かないよ。
 
 ねえ。
 君はいない現実をどう受け入れたらいい?





●終わりの先を超えられるなら、それは純粋無垢な愛に変貌する。
 
 潮風を目いっぱい受け止める。
 オレンジに変わった太陽は
 もうすぐ水平線の先に行こうとしている。

 君と手を繋ぎ、それを静かに眺めていた。

 海岸線は思い思いの夢に溢れていて、
 無数のサーファーは、
 波をじっくり見極めて漂っている。

 「たまに一人になりたいときがあるの」
 君はそう言いながら、握る手に力を入れた。

 押し寄せる波の音が儚さを引き立てる。

 なんとなく、
 この恋はこの夏に終わる気がした。





●雪の日になると、君を思い出す。


 すれ違いは大きな溝になり、
 季節はどんどん僕を置いて巡っていく。
 雪で白くなった夜をゆっくりと歩いているけど、
 気持ちはあんまり晴れないのはなぜだろう。

 君と僕とが離れ離れになってしまったのは、
 仕方ないことだけど、
 もし、君がそばに居てくれたら、
 きっと、違う人生になっていたんだろうなってふと思うよ。
 あのときの約束も全ては溶けてしまった。
 君が吸う1ミリのラークに火をつけたいと思う時もあるけど、
 もうあの時のように簡単に君のラークを灯すことはもうないよ。

 君とのやりとりはいつの間にか自然消滅していて、
 君の名残はLINEトーク履歴だけだよ。
 たまに君とのトークを開くと、
 もう、何年も時間が経ってしまったんだとふと思うんだ。

 きっと、君は傷ついたし、
 きっと、君はもう癒えたはずだ。

 だけど、もう仕方なかったんだ。
 言い訳する自分は嫌いになったけど、
 もう、全ては終わったことだ。

 君と何気ない日常を過ごしていたら、
 今頃、どうなっていたんだろうって思ってたら、
 また、不安定に無数の雪が目の前を白くし始めた。



●引き返せない夏と、ポストに合鍵を入れる行為は似ている。


 後戻りしない時間は、
 嘘により侵食されてしまい、
 もう、お互いに信じることはできなくなってしまったね。

 君と一緒にいると疲れて果ててしまう日が来るとは思わなかったよ。

 初めて、君が私の名前を呼んだ日のことを、
 きっと、もう君は覚えていないだろうけど、
 私はしっかりと覚えているよ。

 甘さや夢は、すべて君との関係を継続するために、
 君が思い描くような私を作った。

 だけど、君はそれを当たり前だと思っていたし、
 無理しすぎた私の心が傷んだことは、
 結局、自己責任で片付けられてしまったね。

 一緒に住んだアパートは夏の日差しが差し込み、
 輝きながら宙を舞うホコリは夢の欠片みたいだね。

 君と離れる決意をして、
 2年暮らしたこの部屋を出ることになった今日も、
 君は私を置いて、早々とどこかへ行ってしまった。

 片付けた部屋や、
 せっかくの貯金が引っ越しで飛ぶことや、
 次の恋はどうすればいいんだろうってことや、

 すべて、嫌になってしまう。

 新しい生活のために、
 君に言われたとおり、封筒に合鍵を入れ、
 それをドアについているポストに投げ込んでしまうと、
 もう、この部屋に二度と戻らない実感が湧いた。

 だから、私は残りの夏を自分のために楽しむ決意をした。





●切ない痛みイルミネート症候群


 イルミネーションでカラフルになった街で
 星の欠片を待っている気持ちになるのは、
 新しいことをやり始めて、
 もうすぐ半年だからかもしれないね。

 センチメンタルになるのは、
 まだ、心の何処かで君との思い出が、
 うずいているからで、
 もう二度と会うこともない君の印象が強すぎるよ。

 夢のような日々に、
 追われるように暮らしているけど、
 心が満足しないのは
 わがままだからかな。
 
 誰もいないホームで二人きりで、
 君と話したことを思い出すと、
 もうあのときの気持ちは失われているんだなって、
 少し切なくなる。

 きっと、昔住んでいた街は、
 もう雪が降り積もっていて、
 君はその街で
 きっと君なりの生活をしているのだろうね。

 もし、君もあのときのことを思い出して、
 少しだけ青い気持ちに今でもなってくれたら、
 少しだけ胸はときめくだろうけど、
 君とのコンタクトを失った今、
 失った時間を取り戻すことなんてできないし、
 もうすでに色々、遅いんだよ。

 きっと、君とあの日、
 夜空を高速で通過する
 UFOを見たときに
 何かが決定的に変わってしまったんだ。
 気持ちや淡い夢や、
 そう言った些細なズレに気づいてしまったんだ。

 君は大好きだったけど、
 君とは見ているものや
 感じていること、
 考えていることが違ったんだ。

 寒い海のテトラポットに寝そべっていてた
 アザラシを一緒に見たときのように
 落ち着く気持ちや
 不思議な気持ちを
 もっと、君と混ぜればよかった。

 だけど、もうすべては遅いよ。

 だから、今の暮らしを続けるし、
 イルミネーションの街を
 ゆっくり歩いて少しだけ気持ちを休めるよ。



●哀しいエンジンは今日も暴走する。


 つまらないよ。
 あなたの夢をいつも見れないなんて。

 寂しいから、
 散った桜の中で私はあなたのことを思うよ。

 なくなったから、
 時間はもうひっくり返すことはできない。

 当たり前だから、
 悲しさを過去のラブストーリーで濁す。

 冷たいから、
 たまにあなたの何気ない言葉が棘になっている。

 大好きだから、
 今もあなたが好きだった曲を口ずさむよ。

 ひとりだから、
 ふたりの夢をしっかり見ると好きで困る。

 受け取りたいから、
 忘れることを努力しているから褒めて。

 あなたから、
 いつか意思疎通できる手紙をまた受け取りたいな。




●あのときを思い出すと、胸がきゅっとする。

 鮮やかに消えていく記憶は断片だけになる。
 羊雲は強い風で柔らかく切れ、
 パーフェクトな青に混ざり合う。

 きっと君は私のこと、忘れているんだろうな。

 手を空に突き上げたって、
 ピンキーリングのピンクゴールドがきらめくだけで、
 もう何もわかりやしない。







●ジョニー、冬を駆ける。


 ねぇ、ジョニー。
 こっちは雪が降り積もったよ。
 合鍵を忘れた君は
 まだ戻ってこないね。

 ジョニー、
 君はなぜそんなに生き急ぐの?
 私は悩みに忙殺されて
 つらい毎日だよ。

 ジョニー、
 君はなぜ自由を愛せるの?
 世界は狭いって笑うのは
 君が広い世界を知っているからだよ。

 ジョニー、
 雪の中を裸足で駆けるように
 無謀なことばかり好きなの?
 大好きなチョコレートを買ってくれたら、
 私はすぐに機嫌なおす単細胞だよ。

 ジョニー、
 私はいつまで独りで
 ココアを飲めばいいの?
 ひざ掛けだけクリスマスの柄で
 ホリデイ気分を高めることはできないよ。

 ねぇ、ジョニー。
 私を置いていかないで。




★一瞬が長すぎて、つらい。

12月の闇の中で、赤が点滅している。

私と君は、今、踏切の前でふたりきりで
電車が通り過ぎるのを待っていて、
君との冬の帰り道は世界の中心だって信じることができるくらい、
私はドキドキしていた。

もしかしたら、
最後になるかもしれない一瞬だと思うとつらい。

だけど、勇気を出したら、
週末、君と楽しめるような気がしたから、
君に聞いてみることにした。

「もし、週末も会いたいって言ったら、どうする?」
「――ごめん、今は上手く返せない」

そう言われてすぐ、
見慣れた電車が私と君の前で風を切った。

――聞いた噂は本当だったんだ。

風で弱く揺れて乱れた髪を口元から戻しながら、
君に憧れたまま、私の恋は消えるんだと理解した。






★たまに自分の気持ちを隠せないときがあるよ。


大好きだった歌を口ずさんでいることに気が付き、
そんな私自身が嫌になった。

ひとり分のTシャツをハンガーにかけて、
私はため息をついた。

どうして、君が好きだった歌を未だに歌っちゃうんだろう。
もう、君との日々を
思い出そうとしないように努力してたのに。






★スノードームに恋を保存したかった。

スノードームの吹雪の中、
二人きりで針葉樹の前で、
ただ、抱きあうような、
最高の恋だと思っていた。

そんな君との当たり前も
簡単に消えることがわかったから、
私も少しは大人になったのかな。






★君と初めて手を繋いだ瞬間は、忘れない気がする。

去年の冬、
君と付き合い始めて、
ふたりでお互いの心の痛みを分かちあった。
だから、帰り道、初めて手を繋いでいたのは、
ものすごく自然なことだった。

夏頃から急にそれが上手くいかなくなり、
衝動とイライラでお互いにぶつかりあい、
ひどいことを言ったり、
悲しいことを言ったりした。

そして、今年の冬になり、
私と君はY字の交差点で、
それぞれの道を歩き出し、
お互いに別れを告げた。

ただ、去年の冬、
君と初めて手を繋いだ瞬間は、
永遠に忘れない気がするよ。





★悪かったを、まだ実感できないよ。


テーブルのコーヒー2つを挟んで、
君との沈黙は今までの思い出の重さみたいだね。

私は君の心変わりをまだ素直に受け入れられず、
ソファにもたれかかり、
雪の降る街を眺めていた。

「悪かった」って君は静かに謝った。

君に謝られても、
まだ好きな気持ちは変わりそうにないから、
コーヒーを一口飲んで、
とりあえず今は、
苦味をしっかり感じることにした。



★無理させてごめんねって言いたかった。


優しすぎる君は、いつも私のことを考えていてくれてたと思う。
だけど、私は君に一方的に甘えすぎていたのかもしれない。

3年、君と暮らしたこの部屋に、
君がいない事実を受け入れることは、
まだ、出来ていないよ。

「いいよ、無理しないで」
そう言った君を無理させていたのは、私だった。





●毎年、夏になると、飲みたくなるのは君との思い出が重いからだよ。

 メロンソーダの緑を赤いストローでそっと口に含む。

 水色の世界は雨上がりで尽くしいから、
 鬱陶しい日々を忘れられるね。

 あの時、もし、恋が叶ってたら、
 どんな人生だったんだろうって、
 時折、思うことがある。

 君とはすでに連絡すら取れない、
 淡白な関係になっている。

 ――もういいよ。

 前に進むしかないのは、
 わかっているから。





★重ねた君との深さと傷はきっと、君と同じだと思う。


同じフラペチーノを頼んでくれた君は優しいと思った。
スタバで話を始めると、その優しさは本物だった。

君と出会った日の夜は、
本当に君と、
あらゆることについて親和性を感じ、
簡単に夜明けを迎えた。

無限に続く話の中で、
「こんなに合う人と会ったの初めて」
と君が別れ際にポツリと言ったことが頭の中に残っている。

何年も重ねて、
悲しみと喜びを重ねて、
すれ違う言葉を重ねて、
最初の親和性はいつの間にか消えてしまった。

本当に君と最後の日になると思う今、
スタバで向かいあって、
君と同じフラペチーノを飲んでいる。

今、別れることにしたけど、
楽しかった思い出は消えないよ。

だから、今、こう言うことにした。
「いままで、ありがとう」
そう言い終わると、君は寂しく微笑んでくれた。





●信じることができる安定さは、イリュージョンかもしれない。

 雨の金曜日だから、
 黒い下地に白の水玉模様の傘をさした。

 明日は君と過ごす時間がこのまま続けばいいと、
 思える日になるのは約束されているから、
 今日も混雑する地下鉄に乗れそうだね。

 好きなままでいれることが幸せで、
 不安定さはわからなくなった気がする。

 マラカイトの深い緑のように、
 悪い魔力を跳ね返し続けたい。




★君は別な人を選んだ。

すれ違った言葉はもう戻すことはできないね。
ありのままの君は冷たくて、
私は君に甘えすぎていたのかなって後悔した。

それは君と私との共通認識になっていて、
時が戻ればいいなんて言いたくないくらい、
君の「中途半端で悪かった」って言われたことが
私の柔らかすぎる赤いハートを傷つけた。

今すぐに謝って、なんて、
言う気も出ないほど、
大好きだった君は最低になっていく。
もうひとりの人にも、
私にくれた優しい言葉を同じようにあげていたのかな。

君は君の道を進んだらいいのかもしれないけど、
勝手に私のことを置いていかないで欲しかったな。

その気持ちすら君に届かなくなってるのは、
単純にキツいよ。

ただ、君が私によく言ってくれた
「ありのままな君が好きだよ」って、
言ってくれたことに安心しきっていたんだ。





★尽きない輝きは永遠だ。

尽きない輝きを保存したくて、
あの夏、キラキラの海で
ふたりで自撮りした画像は、
今、見返しても最強の夏に思えた。

ただ、君ともう、別れてしまったんだ。

帰ってきたあと、
テーブルに置いたままの君からもらった、
イエローゴールドのネックレスが
午後の光で輝いているのが寂しいよ。





★オレンジ

誰もいない美術室の中で、
ふたりきりで話した日々は、
私の青春のすべてだった。

今日みたいに駅からぶらぶらと歩きながら、
冬の弱々しい夕日を見ると
たまにそのときのことを思い出すんだ。

射し込む夕日で、
弱いオレンジにライトアップされた君は、
そのまま溶けてしまいそうなくらい、
切なさをしっかり放っていた。

それくらい、君の印象が残ったままだから、
きっと、数年経った今でも君は、
最高にどこかで輝いてると思っている。






★別れは一瞬でも、君の言葉は永遠だよ。


君と積み重ねてきた瞬間が、
私の中で弾けて、
痛みが胸に広がり終わったあと、
恋が終わる鈍い音がした。

君と過ごした中で、
たくさんの優しい言葉を与えてくれて、
嬉しかったよ、ありがとう。






★君を失って、初めて君の大きさに気がつく。


君が隣りにいない所為で、
もう、ひとりだけで頑張れそうもないよ。

君の存在を失いたくなかった。





★しっかり、君の話を聞けばよかった。


忘れていた君との記憶で胸が痛いよ。

あのとき、君に寄り添うような言葉を
もっとあげればよかった。

後悔するくらいなら、
もっと君の気持ちを聞けばよかったのにね。




☆思いをつづったのは一年前。


机の奥にしまったままだった日記を開いて、
去年の今頃の私を遡っていく。

君にフラれて、
泣いてた日々は、
みんなの言葉でしっかり前を向けるようになった。

もう、ほろ苦くなった過去は、
糧になっているはずだから、
きっと私は前を向けているはずだ。






★雪が降りそうな朝、君のことを、ふと思い出した。


凛とした朝の冷たい空気を吸い込むと、
急に忘れかけていた切なさを思い出した。

黒いマフラーのフリンジを揺らして君が微笑み、
距離が縮まったあの瞬間が、鮮明に蘇った。

だけど、もう、その日から
あまりにも離れたところまで、
来てしまったのはわかっているんだ。

だけど、今でも、君のこと忘れられないや。




★君が選んでくれた手帳がもうすぐ終わる。


夜のスタバで君が選んでくれた
お気に入りの赤い手帳を開いた。

離れ離れになってから、
1ヶ月が経ったんだと思うと、
あらためて胸の奥を締め付けられた。

季節が変わった今でも、
自分は全く変わる気配もないし、
コーヒーを飲んでも、
未だに君のことが忘れられないや。




★雪が降ると、あの日、君が言ったことを思い出してしまう。


忘れていたはずの君との切ない記憶が、
雪が降り続いている街を眺めて蘇ったんだよ。

カフェのカウンター席から、
窓越しに見える冷たくなったビル街は、
人出で騒がしくて、ひとりの寂しさが積もる。

USBをコンセントに挿しっぱなしのiPhoneを手に取り、
君が言ってくれた、
「君のこと、いつまでも忘れないよ」という言葉を
メモのなかで悲しい文字記録にした。





●上手く行かない恋は劇薬。



君は想像以上に移ろいやすい性格で、
私は満たされてると思い込んでいた気持ちの処理に困っているよ。

疲れた私は別に別れを切り出すわけでも、
つらい事実を切り出すけわでもなく、
君のことを未だに信じ続けているフリをしているよ。

今日も雨が降り続けている外をリビングの窓越しから見ている。
テーブルに置きっぱなしの炭酸水が入ったペットボトルを開けると、
一気に抜けていく音がした。

ガラスの無数の雫は私の涙みたいって、
勝手に自己都合に合わせて考えてしまうほど、
後戻りできないなって思った。

もし、君の気持ちを三つ編みの髪に織り交ぜることができたら、
君は私のことをずっと見てくれたのかな。

「無邪気なところが好き」って言われたことがあった。

あれは、ただ単に都合がいいよって意味だったんだね。
あのとき、無邪気に嬉しくなった私はバカだったんだね。

ペットボトルに口づけて、炭酸水を口に含むと、
二酸化炭素はもう弱くなっていたから、
君の優しさは嘘だったんだって思った。

ペットボトルをそのまま手に持って立ち、
ベッドサイドにそのまま腰を掛けた。

そして、ベッドに置きっぱなしのiPhoneを見ると、
君からのメッセージがありますと表示されていた。

君からのあり得ないLINEの所為で、ベッドに仰向けになり、
ベッドの上で何度も両足をバタバタしたけど、
気持ちは炭酸水の泡が飽和したみたいに消化されなかった。







●絶望から君色を消すために、しっかりと赤色の甘さを感じたい。


左手で握り潰したイチゴに、
練乳をかけて甘酸っぱくするように、
派手に振られた失恋を忘れるために、
君のLINEをそっとブロックした。





●別に未練なんてないけど、ふとしたときに、君の優しさを思い出してしまう。



あのときの涼しかった夏に

タイムスリップしたくなったのは、
あの日と重なるくらい、
噴水の透明感が涼しく感じたからだよ。

もし、戻れたら、もっと大切にするよ。

未だに優しさを思い出すなんて変だね。
さよなら、いとおしい人。




★青くなる


 最終バスに間に合った。

 流れる街を見ていつか君と防波堤に座って
 見た海を思い出した。

 あれからずいぶん時が経ってしまって、
 あのとき君が言った大切な言葉が思い出せない。

 忘れてしまった幼く素直な思いも
 水泡に溶けて青くなる。

 タイムマシンに乗って
 あのときの君にキスしたい。






★恋の欠片


 今日も時間は簡単に溶けた。

 息がつまりそうな毎日だけど
 それなりにこなせている。

 夜更けにコーヒーを飲むように
 謎に追い込み、
 自意識過剰だから、
 ベッドでは、
 嫌なことは思い出さないようにした。

 昔、ほったらかした恋の欠片を集めると、
 新しい出会いと交換できたら、最高なのに。





★失恋ソング


 皿洗いをしながら、
 君が好きだった歌を口ずさんだ。

 そんな記憶って、
 どうして、
 どうでもいいときに
 甦ってくるんだろうね。

 雪道をよちよちと歩くペンギンのように
 前だけ向いて生きたいな。

 さよならは言いたくない。

 感情が強くなってスポンジ握ったら、
 無数のシャボンが生まれた。






★傷口にトマト


 失恋は雨と相性がいいのは
 天気予報よりも正確な事実だね。

 振られた時は静かに感傷を抱き、
 そっと傘をさして歩きましょう。

 現実逃避をしよう。
 白い壁にトマトを投げつけて、
 ぎっしり赤くするように。

 明日の予報は雨だって。
 そう伝える人はもういない。

 あなたがいないと寂しい。
 ただ、それだけだ。






★夕日と桜


 ベンチで二人きり、夕日を眺めている。
 桜もオレンジに包まれて、弱い風に揺れている。

 あの約束をしてから、
 ずいぶん時間が経ったね。

 あのときは背伸びして、
 大人を気取って、
 ちょっと不自然だった。

 今でも好きだって、
 強く言い合う関係になりたかった。

 今からやり直せないかな。
 まだ遅くないような気がするんだ。





★散り散り


 先週、終わった恋が忘れないから、
 今日もウキウキせずに低浮上かな。

 君とは離れてしまった。
 あっという間の出来事だった。

 連絡することも、もうないんだろうな。

 星空を眺めるオタリアみたいに
 ぼんやりと愛を歌い合いたい。

 慰めが次に繋がる。
 きっと、誰だってそう言うけど、
 今はあんまり前向けないや。





✶君のすべてが好きだった

さよならを言ってから、
すでに2週間が経ってしまったんだね。
ひとりでスタバに来てみたけど、
寂しい気持ちはテーブルの上に浮いたままだよ。

ただ、今はソファに深くもたれて、
iPhoneを握って必要のない情報を
人差し指でなぞっているだけなんだ。

君との恋は若草の上を軽く流れる春風みたいだった。

「本当の恋ってなんだろう」
そうぼそっと呟いても、
君との関係は、
もう戻らないことくらい知っているよ。




✶このままだと思ってた

会えない日は、
いつも朝まで通話をつなげっぱなしで寝落ちして、
ふたりはまるで、一緒に生活をしているみたいだったね。

私は君と一緒にさえいれて、
人混みの地下街を手を繋いで黙々と、
君のとなりで歩いているだけで十分だったんだ。

なのに、急に君がこの世界からいなくなるなんて、
ずるすぎて、寝不足になるくらい、
君の幻影が私の中から未だに抜けないよ。





✶自動的に君の笑い声がする。

君が好きだった映画が地上波でやっている。

どうしようもなく、ベタで、
どうしようもない、ギャグで、
それを何度も君は観ていたはずなのに、
素直に最高だって言って笑っている君が好きだったよ。

私は何度も見飽きた映画に付き合わされて、
君と別れる直前は飽き飽きしてたのに、
今、こうして観ているのは、どうしてだろう。

どうしてかわからないけど、
人差し指で頬に触れると濡れていた。





✶苦味を感じなくなったのは、リラックスできるようになった証拠。


カフェの窓辺で緑道を眺めている。
朝日できらめく新緑が眩しくて、
少しだけ感傷を思い出した。

もう、二度と会うことがない、
眠ったストーリーが胸の中をギュッとする。

君の名前を囁いたあと、
忘れるように
コーヒーを口に流し込んだ。





✾お互いに慣れすぎたのかもしれないね


 わがままを言いあえるくらい、
 君との仲はもしかしたら、
 ありきたりになっていたのかもしれないね。
 
 君との恋は楽しかったけど、
 君を傷つけてしまったかもしれないね。
 
 だから、最後くらい素直になるね。
 「ごめんね」





✾きっと、ふとした時にまた、君のこと思い出しそう

 
 君との恋愛はあっという間だった。
 春になると、制服姿のあのときの君を思い出すよ。

 透き通った青みたいな日々は、
 時計の針に押されて、消えた。
 叶わなかった願いは永遠になったね。

 朝のカフェの中から、行き交う人の波を眺める。

 もし、あの中に入ったら、
 もう一度、君に会えるのかな。

 あの日の約束は有効期限があったんだね。
 それなら、最初から、
 そう言ってくれていたら、
 君のことなんて思い出さなくても
 済んだのかもしれないのに。



✾ただ、君の隣にいたかった


 やっぱりなって、すぐに感じた。
 君への付きない思いは水槽の底を泳ぐ
 エンゼルフィッシュを
 ガラス越しでそっと触ってあげるように
 実際には触れられない壁を感じた。

 玄関のフローリングにバッグを
 そっと置いたあと、
 今日、ここにはかえってきたくはなかったなって、
 思ったけど、別に、もういいよ。

 私のこと、もてあそんだ、だけでしょ。





✾もとに戻す魔法を唱えたい


 公園のベンチにそっと缶を置いて、
 桜で鮮やかになった世界をぼんやり眺める。

 記憶とリンクする春の空気、
 君が好きだったフレンチクルーラー、
 トレーに落ちる砂糖、
 クーラーで満たされた停滞する空気感。
 今でも、きれいに再生できるよ。

 風で弱く揺れる小枝にそっと囁きたい。
 あのときはすべて本気だったんだよと。

 いらない言葉ですべてを汚して、
 黒い懐かしさをそっと水に馴染ませたい。
 そして、すべてを元に戻したあと、
 変わった自分で仲良しの魔法をかけて、
 君を丁寧に扱いたい。




✦純粋に君のことが好きだった


 小学校のとき、好きだった男子がいた。
 息だってあうし、無限に会話だって続くような気がした。

 だけど、お互いにどうやって、
 恋を成熟すればいいのかわからないまま、
 卒業の日を迎えて、
 ふたりは別の中学校に進んだ。

 そして、この夏、
 4年ぶりに君とたまたま、
 近所のイオンモールで再会してしまった弾みで、
 私は思わず、
 「あのとき、好きだったよ」と勢いで言ってしまった。

 そしたら、君は微笑んでくれて、
 「あのときは、わからなかったんだ。だけど、今ならわかるよ」
 と言って、私の手を繋いでくれた。






●君は夏の幻だった。

 心の傷が癒えないまま、
 大好きな季節がそろそろ終わりそうだ。

 笑いあったあの時がすでに遠く感じる。
 葉の色は深くなり、
 色づいたときには忘れられるかな。

 長い間、公園のベンチに座り、
 微温い憂鬱に浸り続ける。
 考えがまとまらない日々を終わらせたい。
 
 自分の中の時空が歪み言葉を思い出す。
 優しさの数だけ涙が溢れてしまうのは、
 どうしてだろう。




☆たまに君を追いたくなる。


インスタで未だに君のアカウントを見てしまうのは、
君にまだ未練があるからだって、素直に認めるよ。

「追われるより、追う恋がしたい」
と、いつか君は格言みたくそう言った。

冷静に振り返ってみると、
あのときから、君から今までとは違う雰囲気だった。

だけど、今更、君のことなんて追ったら、
復縁なんてしてくれないだろうな。

だから、思うんだ。
君は他の誰かと幸せになればいい。





✦さよなら、切り刻んだ過去

 
 今までの日記をカッターで切り刻んだ。
 別に恨みとか、悔しさとか、
 そういう理由で切り刻んだわけじゃないんだ。

 ただ、もう、過去のイメージの私はもういいかなって思っただけで、
 失恋の傷とか、そういう理由でもないし、
 自分自身が嫌いってわけでもないんだよ。

 ただ、今の微温い生き方をしていたら、
 10年後に後悔するなって思ったからってだけなんだ。





✦約束なんてもうどうでもいい。あの時のあの瞬間が最高だっただけなんだから


 誓った約束を思い出した。
 今も果たされてないけど、
 あの時、濡らした頬は本物だった。

 きらめく絶望はレモンをしっかりと絞るように、
 爽やかなことではない。

 「泣いてもいいよ」
 あのとき、肯定してくれた君は
 永遠がないことをきっと知っていたんだ。
 
 君と何気ない日常を過ごす選択をすればよかった。






✦スニーカーの靴紐を結び、砂浜を駆け抜ける準備をしたあの日は晴れていた


 失った時間を思い出した。
 おさなすぎて、気持ちを伝えられなかった。
 
 今はただ、それを思い出し、
 穏やかな海を眺めているだけでいい。


 無限に思えた時間は砂の城のように簡単に崩れた。
 感傷は潮風でヒリヒリする。
 胸はずんと重い。

 「もし」は満ち引き、
 万有引力の法則は普遍だから、
 あのときの思いは手放したくない。





☆さよなら、君がすべてだった私


 君のおかげでこれまで、
 数え切れないほどの涙をこぼしたんだよ。
 私は君の理想に近づこうと、
 色々、頑張ってみたけど、
 その頑張りなんて君には、1ミリも伝わらなかったんだね。

 さよなら。
 そう君に告げて、よかったと思ってるよ。
 だけど、なぜか、君の無邪気な笑顔だらけの思い出が重いよ。




☆好きだったのに。


 好きだった日々が、
 心に傷を作るとは思わなかったよ。

 「いつも心配してくれてたのは嬉しかった」
 と君が言ってくれてよかったと思ったけど、
 違うよ。

 私はどこにいても君のことを純粋に思ってたんだよ。
 それだけ、君のことが好きだったのに。

 君が好きだったのが思い出になっていく。




☆まだ君が自然と目に入ってしまう。


 君とそれぞれの道を歩み始めたことを実感したのは、
 君のLINEのアイコンが付き合っていた頃と、
 違うアイコンに変わっていたからだよ。

 忘れないで。
 私は君のことをしっかり見ていたことを。





☆君の名前を書いても。


 夏が始まったばかりの砂浜をゆっくり歩いている。

 君が隣にいてくれたら、
 きっと楽しかったんだろうなって、
 未だに思うのは君とまだ一緒にいたかった証拠だよ。

 だけど、その証拠を突き出す君との恋はもう終わったから、
 枝で砂浜にハートと君と私の名前を書き記し、
 それが波にさらわれ、消えるのを眺めても、
 気持ちはまだ収まらなかった。




☆君は夢をあきらめないで。


 「ありのままでいいよ」
 って言って、
 ココアを淹れてくれた君は本当に優しい人だった。

 だけど、私はありのままになる勇気がなかったし、
 君も夢半ばで私に構う暇なんてなかった。

 そして、結局、私は弱くて、
 社会に順応できなくて、
 実家に引き上げることになった。

 別れの5日前なのに、
 いつものようにココアを淹れてくれる君が、
 夢を諦めて私と一緒になってくれるって、
 言ってくれたらいいのにって、
 また甘い気持ちが出てきた。

 ココアを飲むと、
 なぜかわからないけど、
 また君の前で涙が溢れてしまった。




☆雨がきっかけで深まったのに。


 教室で君とふたりきりで、
 プールに降り注ぐ、
 にわか雨のしぶきを眺めた日を思い出した。

 「ずっと雨が降り続けばいいのに」
 という言葉で君と付き合うことになったのに、
 君はもう、その言葉を忘れてしまったのかな。




☆嘘つき。


 もう君のこと以外考えられないと言われ、
 それを鵜呑みにして日々を過ごしていたのに、
 先週、君は簡単にそれを撤回した。

 シャワーを浴びても、
 未だに君のこと、私は忘れられないのに。




☆君の些細な言葉が私を励ましていた。


 急に孤独のボールプールに飛び込んでも、
 寒色系の青いボール郡はプラスチックの冷たさを感じるよ。

 そんな想像ができるくらい、
 「頑張らなくていいよ」って言ってくれていた
 君が私の前から消えた事実は、
 動揺してマーブルチョコを床に撒き散らすくらい、
 つらいことだよ。




☆君の所為で眠れなかったよ。


 苦しい気持ちのまま夜が明けてしまった。

 ちょうど休みでよかったと思いながら、
 寝るのを諦めて、
 コーヒーゼリーを一口食べると、
 過去の大好きだった君の笑窪が急に浮かび、
 甘さを感じる前に胸が痛んだ。




☆君を大切にしたかった。


 私のわがままを聞いてくれる君はただの最高の人だったよ。

 私のわがままが過ぎた所為で、
 きっと、君を傷つけてしまったのかもね。
 無自覚にひどいことをしたんだと思うと、
 君に対する後悔ばかりが胸に積もるよ。

 だから、君がいなくなったあと、
 私は甘えとわがままの違いを
 日々、気をつけているよ。




☆閃光は消えても、優しさは胸に残る。


 バイトの帰り道、最後の花火の端が少しだけ見えた。

 1か月前、本当はあの花火を間近で見る予定だった。
 だけど、あなたと致命的な言葉を交わしてしまい、
 その予定は消えてしまった。

 「君は君らしく生きればいいよ」

 最後、あなたにそう言われたことを思い出すと、
 あの日、余計なこと言わなければよかった。
 って、今更思っても、
 もう遅いよね。





☆あなたとの思い出は永遠。


 すれ違ったままの日々はメッセージで埋まらなかったね。

 もう、壊れた日々は過去のプリズムに包まれた思い出補正だけじゃ、
 もう、疲れた日々は埋まらなくなっていて、
 あなたのことが信じられなくなったね。

 ただ、あなたとの楽しい思い出は色褪せないから、
 どんな気持ちがあっても、
 あなたに言いたいことは、
 「ありがとう」だけだよ。




☆さよなら東京。


 君にさよならを告げた日は雪が降っていた。

 列島が寒気に包まれた日に私はひとりぼっちで、
 東京に投げ出された。

 去年、君と一緒に歩いた隅田公園の桜は、
 今年も綺麗に咲いていて、
 私は君のことを思い出しながら、
 ピンクの間を貫くスカイツリーを眺めながら、
 東京での最後の一週間を今、しっかり楽しんでいる。




☆パステルの日々には戻れない。


 君への想いを
 パステルカラーのタイプライターキーボードで
 打ち込むと急に私が軽くなったような気がした。

 4000文字の君への気持ちは、
 ぐちゃぐちゃだけど、
 君がたくさんくれた甘い思い出は、
 私の中で消えないよ。






☆夏は別れの季節じゃない。


突然、君に別れを告げられて、
1週間が経った。

君と真夏日にカラフルな水風船を投げ合い、
はしゃぐつもりだった夏休みは、
ベッドの上で気持ちはモノクロだった。

つまらない喧嘩なんか、
寂しくなるだけだから、
しなければよかった。

だから、もう無理かもしれないけど、
君に『ごめんね』とメッセージを送ると、
すぐに既読がついた。






☆ティファニーで朝食なんて食べられなかった。


 駅の中心のストリートピアノでムーン・リバーを弾いて、
 君とティファニーで朝食を食べようと約束した甘さを忘れるために
 精一杯、たくさんの人たちを立ち止めるよ。





☆この街は君の思い出が重すぎる。


 夜のシャッターが閉まった商店街を自転車で駆け抜ける。

 ドラマチックに頭の中で過去が再生されるけど、
 もう君との思い出を捨てることに決めたんだ。

 だけど、君が「無理しないで」と言って、
 大好きなモンブランをあのカフェで買ってくれたことは、
 きっと、いつまで経っても忘れられないよ。





☆君の夢を未だに応援している。


 本当は君とずっと過ごしたかった。
 だけど、ずっと過ごす選択肢はもうなくなったよ。

 君と離れてから季節は夏へ向かっているけど、
 まだ、心は冷たいままだよ。

 だから、今日も雨の街を見ながら、
 ホットコーヒーを飲んで、
 君が昔語っていた夢のことについて考えてるよ。




☆来週から新しい暮らしが始まる。


 前を向くために夕日に染まった築堤の上を走っている。
 いつもの大きな川はオレンジ色していて、
 ふたりでよく手を繋いで歩いた日々をまた思い出した。

 この街は君との思い出が重すぎるから、
 来週、引っ越すことにしたよ。




☆遠距離の愛は不条理。


 薄暗いカウンター席にひとりきりで
 カシスオレンジを飲むのは、どうして寂しいんだろう。

 物理的な距離感やすれ違うくらいお互いに忙しすぎて、
 意味を見いだせなくなったのはつらいね。

 結局、別れ話もオンライン上で完結してしまったから、
 私はまだ、君と別れてしまった実感がわかないよ。

 君に好きな人ができなら仕方ないよね。
 君を支えられなかった私に落ち度があると、
 私自身も思っているよ。

 胸が痛み続けたままだから、
 カシスオレンジの酸味が今日はよく染みるよ。




☆さよならは胸の中。

 
 派手に振られた胸の痛みは、
 ワンルームの私の部屋まで帰ってきても
 鈍く響き続けているよ。

 君との別れはずっと忘れられなさそうだけど、
 君の夢はひっそり応援するよ。

 君は君の人生を生きてね。
 私もそうするから。





☆君の名残を消せない。

君と過ごした夏の日々から、
あっという間に一年が過ぎてしまったよ。
君の名残をiPhoneに残したまま。

君が消えてしまってから、
胸の苦しさは残ったままだよ。

君は未だに胸の中で生き続けている。





☆夏が過ぎて、秋になる。ただ、それだけのことだって、
  自分に言い聞かすけど、それが辛くて、胸が締め付けられる。



 あてもなくドライブに出たのは
 別に日常が上手くいかないからじゃなくて、
 君がいない寂しさを紛らすためだよ。

 市街地を離れ、
 ただ、奥に広がっている秋色の山に向かって、
 アクセルを踏む。

 寂れた国道と死んだドライブインが
 需要の少なさを象徴しているみたいで
 たまにつらく感じるけど、
 窓をあけて、ラークを吸うと、
 少しだけ気持ちがマシになる。

 ステレオからはお気に入りのベースラインが
 腹の底を打つような心地よさを作っている。

 この夏、君がいなくなった事実なんて、
 まだ、受け入れられないや。








4,君はよく頑張ってるよを詰め合わせて



★君の存在だけで癒やされる。


「疲れ切った今日を癒やしてあげる」と言って、
夜のスタバに連れ出した君の存在だけで、
甘さがなくたって、
今日の疲れなんて忘れてしまいそうだよ。




●いつの間にか大人になってしまった。


秋雨がガラスを打ち付けている。
日が短くなったから
すでに街灯が目立ち始めている。

カフェの中は変わらず
大人しくざわついている。
Mac bookの画面は、何も変わらず、
コーヒーだけが減っていた。

別に好きで大人やってるワケじゃないんだよ。

キーボードで打ち込んだ後、
deleteを連打した。




★十分、知っているよ。


君が頑張ってることは知っているよ。

だから、これ以上、頑張る必要なんてないし、
君は君らしく過ごしているだけで十分だよ。





★君の心を縫いたい。


ボロボロになった君の心を縫うよ。
ソーダ水でも飲んで、ゆっくり休めばいい。

そしたら、君の輝きはまた復活するよ。





★もっと自分を大切にしてほしい。


君は簡単に自分を犠牲にして、
人に合わせることが得意なのは知っているよ。

だから、君が限界を迎える前に、
深呼吸をして、
しっかり立ち止まってほしい。





●スタバで偶然なんてあり得ない。

 ひとつのことが気になると、すぐに不安になってしまうくらい、
 神経が最弱レベルな私は、夏の爽やかささえ、忘れてしまっているような気がする。

 水槽の中みたいに底冷えしたスタバで、
 今日も午前中からフラペチーノを飲んで、
 未来の不安や、過去の失敗についてあれこれ、
 ロルバーンに書きなぐり続ける。

 黄色の小さなマスの世界で何者にもなれない自分のことを、
 書き続け、小さな自分はただ生きることしかできないのかなって、
 そんな思案を繰り返しても、現実は変わるわけじゃないってわかっている。

 わかっているんだ。
 ペンをそっと置き、窓越しに広がる世界を見ると、
 夏色の中に君が立っているのが見え、
 咄嗟にiPhoneを手に取り、LINEを起動した。





☆濡れた夜の街は、自由を恋しくさせる。


雨がガラスを打ち付けていて、
ガラス越しの夜の街が滲んでいた。
カフェの中は大人しくざわざわしていて、
集中すればするほど、
人の声が気になって集中できなくなった。
開きっぱなしのMac Book Airの画面は
作業中のまま、なにも変わっていなくて、
気がつくと、アイスコーヒーが半分なくなっていた。
『大人になんかなりたくなかった』
そうキーボードに打ち込んだあと、
バックスペースを連打した。







●雨上がりは優しいから、つい、寄り道したくなっちゃう。

 夏が始まった公園は、
 芝が綺麗に昨日の雨に染まり、
 雨上がりの冷たさで静まっている。

 自転車を降り、ベンチに座ると、
 気が抜けたように、
 ため息が自然に出るのはなぜかしら。

 昨日も予想通りの
 なにもかも、くだらない日だった。

 今日は少しくらいは、穏やかだといいな。

 憂鬱をすべてソーダに入れて、
 大好きな歌をくちずさんで、
 かき混ぜたい。




●いつも、日常に追われて、忘れてしまうけど、楽しいことは実は溢れている。

 ポップする不思議は、
 大人になるとわからなくなるけど、
 美しいものを素直に認めたら、
 きっと、維持できるだろうね。

 閉園前のメリーゴーランドのように、
 ファンタジーの余韻を感じよう。

 社会に馴染もうとして、
 傷ついた心を癒やすために、
 ファインダーいっぱいに
 イルミネーションを捉えよう。





●鈍い心を波音がゆっくりと癒やしてくれる。

 満たされない気持ちを
 充足させるために
 夜明けの海で消える星を眺めている。

 酔って、火照った身体を
 冷たい風が冷やしていく。

 変われない自分を取り残すように
 大好きな季節は先を急ぐよ。

 待たされない気軽さを 
 取り戻すために良かったことを思い出す。

 もう、いいよ。
 進むしかないんだから。




●別に自分のことを褒めてほしいわけじゃない。

 カフェの外は雨で、
 外の人はせわしなく、どこかへ向かっている。

 コーヒーを口に含むと、
 無限に夢があったときをふと思い出した。

 煙る朝はどこか重たくて、
 外面を気にして、
 飴細工のように繊細な自分が、
 置いてけぼりになっている。

 勝手な思い込みで
 世界を曲解するのはもうやめたい。

 雨だから、頭を空にしよう。





●君らしくいれば、それで十分。

 何も言い訳なんていらないよ。

 雨は今日も続いているから、
 気晴らしにレモネード飲もう。
 
 狂喜乱舞の派手な世界よりも
 悪口を言わない肯定的な世界のほうが、
 非常識で楽しいはずだから、
 常識は両刃の剣だよ。

 溶けたキャンディを成形するように
 素早く丁寧に楽しいことを話して。
 そして、元気になって彩って。

 そしたら、そのままの君でいれるから。





●常にいろんなことが変わっていくけど、このまま変えたくないこともある。

 朝なのに蒸し暑くなったのは、
 それだけ季節が進んだ証拠で、
 一年の中で最高に青が美しい。

 アイスコーヒーに映る電球色は
 ほっとできる環境にいる証拠で、
 何よりもこの時間を大切にしたい。

 時はこうしてゆっくり進むけど、
 変わりたくない気持ちは残される。

 一口飲んで、やっぱり少し苦いから、
 クリープを入れて、白い渦を作った。





●暑い季節は苦手で、そんなときはいつも北を目指したくなる。
 
 ありきたりなことに飽きたから、
 日常に薔薇を添えるようにしたい。
 
 水槽のように冷えたカフェから、
 大好きな街の駅前を見渡す。

 汗をかいたグラスを持ち、ストローを咥えて、
 気鬱と一緒にカフェラテを吸い込んだ。
 
 変われない自分を季節が置いていく。
 巡る世界に順応できないから、
 ちょっとだけ待ってほしい。





●朝の決意がずっと続けばいいのに。

 コンバースの紐を結び直して、かがんだまま前を向く。
 堤防や川辺は今日も静かに生きているのを感じる。

 まだ、人通りが少なく、
 朝は少しだけ冷たくて、
 普段の憂鬱なことなんて、
 口の中で溶けたキャンディみたいに
 甘くなくなるように思える。

 今日は楽しく行きてやるって、
 心のなかでそっと決意した。






●豪雨に打たれて、歩くのには強い精神力が必要。

 土砂降りに負けそうだから、強いハートが欲しくなった。

 夏は気まぐれで、
 たまに嫌いになるけど、
 早く過ぎ去ればいいのにとも思えない複雑な自分に嫌気が差す。

 口に含んだキャンディは、今、ゆっくりと口の中で溶けている。

 レモンの酸味を雲に加えるだけで、
 雨なんて消えたらいいのにって思った。






●アルミ合金は夏色。どうしようもない衝動で海を眺めに行きたくなった。

 柔らかい夏を求めて、
 夏色に輝く列車に乗って数時間。
 
 文句ばかり言うのは簡単だけど、
 イライラは解消されないのは、なぜだろう?

 車窓からきらめく海岸線。
 波が穏やかに揺れる。
 
 iPhoneに表示されるプレイリストは、最後の曲を表示していた。
 お気に入りの曲が心穏やかにする。

 目的地はもうすぐだから、
 タイムマシーンのように時を忘れよう。





●揺れぶられる感情は今に満足していない証拠。

 雨の街をカフェから眺めながら、
 カフェラテの泡にそっと口づける。

 声が出ないカナリアみたいに
 もどかしい気持ちは残ったままで、
 平坦で灰色なこの街が、
 眠れる森の美女が見ている夢の中なら、
 きっとすべてが上手くいくんだろうね。

 もう過ぎ去ったどうでもいい過去が、
 瞬間的に現れるのはなぜだろう。

 喉が絞まる感覚が一瞬で痛みを作る。

 「落ち着けよ」って
 誰かに言ってほしくなった。





●雨の朝はセンチメンタルで、深い傷跡がズキズキする。

 ありきたりな悩みを、
 捨てて飛び出すには過去を忘れる努力をしなくちゃ。

 カフェの外は今日も雨でガラスに濡れる透明の絵の具は、
 センチメンタルで街を覆っている。

 午後から晴れる予報を信じられないくらい、
 疑い深い今の自分に嫌気がさすけど、
 滲んでしまった気持ちを
 コーヒーとトーストで胸にしまって、
 外でやり過ごす準備をしよう。





●分厚い未来への不安は鬱陶しくなったから、自転車で遠くへ行くことにした。

 雲の切れ間から光が差し込んで、
 山並みがベールに包まれている。
 明け方から降った雨は止みそうだ。

 夏休みが始まったばかりの街を
 自転車でゆっくり通り過ぎていく。
 顔が少し濡れて、気持ちは晴れない。

 つまらない人生、なぞるくらいなら、
 少しくらい、はみ出して楽しいことを作りたい。

 昔から落ち着きがないって、よく言われた。
 淡い初恋に溺れるような甘さがほしい。
 
 今だけは鬱陶しい未来は捨てて、
 ゆっくり自由になりたい。





●朝の海は何もかも優しい。
 
 明け方の砂浜はそっとしていて、
 海はかすんで、人はまばらで優しく感じた。

 熱せられる前の砂は、少しひんやりとしていて、
 波は私のサンダルを濡らしては引いてく。

 有限を無限に
 絶望を希望に
 コーラに溶かして赤を白にしよう。

 立ち止まり、朝日に手を伸ばして、
 指の隙間から光を見ると、
 風がそっと強く吹き、
 横髪が乱れたから帰ろうと思った。





●朝の電車は日常を整えてくれる。

 電車はいつもの橋を通過している。
 朝日で輝く大きな川は今日も穏やかだ。
 ドアにもたれて、景色を見ながら、
 イヤホンから流れるお気に入りの曲で
 今日も憂鬱とさよならしよう。

 君がいない毎日は彩りに欠けていて、
 退屈な毎日を繰り返しているよ。

 ジンジャエールの辛さのように
 すっきりした日常は無理みたいだから、
 たまに涙もろくなるの。
 
 昔にトリップして、
 今を忘れそうになる。
 だから、前を向くしかないんだよ。





●楽しいことを増やせば、タイムリープになんて憧れない。

 満たされない心は空っぽで、
 何をすればいいのか、わからない。

 今日も当たり前のように改札口は混雑していて、
 急いでいる人たちに圧倒される。
 
 上手くいかないことばかり思い出すから、
 スタバに入った。

 茶色の店内は少しだけ優しくて、
 苦いコーヒーで落ち着けと居活かせる。

 あのときのまま、
 夏がタイムリープしていれば、
 きっと、大人になる痛みを
 知らないで終わったんだろうな。






●つまらないヤツが君を汚染するなら、憂さ晴らししよう。

 「うんざりするよね」と
 君は頬にかかる前髪をいじりながら、
 カフェの電球色に照らされ、
 落ち着いたトーンになっている。

 君の文句はクリープみたいに溶けて、
 まろやかになるのは知っている。

 先月、君の涙を見たのをふと思い出した。

 退屈はつまらないヤツが作るんだと、
 君の独自理論は空を切る。
 退屈を蹴り飛ばそう。

 街に繰り出し、忘れるまで刺激しよう。





●波の音は優しい。
 
 少しの憂鬱も一緒に連れ去って、
 朝の海沿いをゆっくり歩きましょう。

 夏の終わりをレモネードに溶かしたような
 爽やかな風が柔らかく身を包んだ。
 頭の隅に残っている辛い言葉も、
 すべて忘れてしまいたいけど、
 頭の中でぐるぐるするのは、なぜだろう。

 波の音が穏やかだから、音に集中しよう。





●今、息ができないのは過去が重いから。

 カフェのオープンテラスで、
 このままゆっくりしていたいけど、
 季節は確実に巡ろうとして、
 最高の季節がもうすぐ終わってしまう。

 白いパラソルの下、影の中で一人、
 ソーダ水の先に広がる海をぼんやり眺める。

 置き去りにされた一瞬を
 ふと思い出して、
 少しだけ苦さを感じた。

 もし、マシュマロのような
 ふわふわとした気持ちを抑えられていたら、
 もう少しだけ、息がしやすくなったのかも。

 そう思うと、辛さが胸を占める。
 だから、このまま、
 憂鬱をソーダ水に混ぜたくなった。





☆無理なんてしなくてもいいよ。


君は無理をして、
いつも全力で何かを突破しようとする癖は知っているよ。

君の情熱は冥王星と地球を往復する
客船を引くクジラくらい、
変え難いものがあるけど、
休める時は休んで。





☆無理するなって。


元気なふりなんてするなよ。
ラムコークをハイピッチで飲む、
君の赤くなり始めた顔でそんなのお見通しだよ。

弱っているときは、弱ってるなりに、
もっと甘えろよ。

そしたら、簡単に俺は君のことを慰めるのに。





☆時間は平等。


つらいときは泣いてもいいよ。

どんなことがあっても、
平等に時間は流れるから、
時がすべてを溶かしてくれるよ。




☆すべて捨てるには、まだ早い。


死にたい衝動で夜の淵へ逃げ出した。

気がついたら、誰もいない駅の待合室で、
誰かの帰りなんて、待ってなんかいないのに、
終電を待つことにした。





☆もっと、君を受け止めたい。


冷たい潮風で君が揺れる夕暮れは、
どうして、君のことを
泣かせようとしてくるんだろう。

切なさで濡れた頬を
さあ、拭って。





☆輝きを復活させたかった。


星の欠片を集めて、
それをすべて、海に流してあげよう。
燃え尽きた黄色をゆっくり再生しないと、
宇宙に戻すことはきっとできないだろうから。
だけど、失ったことを取り戻すのは、
生まれるのは簡単なのに、
なぜか難しくなるよね。
手のひらをぼんやりと眺めても、
消えた願いは叶いそうにない気がしたよ。
欠片に憂鬱を添えて、波に乗せると、
それらは水面で一瞬きらめいて、
すぐに消えていった。





☆不安をピンクに変えて。


たまに死にたくなるけど、
さくらんぼの片方みたいに
君と痛みを分け合えば、
自然にあふれる笑顔のおかげで、
鎮痛されるよ。





☆早く季節が巡ればいいのに。


夏が始まったばかりの世界を、
カフェの窓越しからぼんやり眺めている。
飲みかけのアイスコーヒーと
開かなっぱなしの手帳はそのままで、
風で揺れる街路樹の木陰が涼し気に感じる。
傷ついた昨日はすでに過去だけど、
頭の中で言葉がぐるぐる回る。
朝日と夕暮れを繰り返し、
季節が早く巡って、
癒えないままの私を一人だけ、
置いてけぼりにしてくれたらいいのに。





☆この街にとどまり続ける理由はありきたりだ。


この街はいつものように銀色に反射していて、
無機質でたまに息が吸いにくいけど、
叶えたい夢があるから、
ここにとどまり続けなくちゃいけない。
希望と絶望が交錯する日々だけど、
それなりに元気にやれているよ。
普通じゃないと笑われても、
別にいいんだ。
だって、普通じゃないことを
目指しているんだから。





☆It’s a piece of cake ! 優しい世界だね。


無数に飛んでくる
カラフルな風船を蹴りながら、
大人になるための旅路を上手く進もう。
切り揃えた茶色いボブと五分丈の白いTシャツを
風に流しながら、レモンを買いに行こう。
背伸びして買った履いたヒールサンダルは
足にはまだ馴染んでいない気がするよ。
今朝は悪夢で目覚めて、しょんぼりした。
忘れたつもりだった心の傷が、
まだ癒やし切れていないのかしら。
そんなことより、
毎日をカラフルにするために、
ついでにお小遣いを全部使って、
マカロンも買って帰ろう。




☆言葉には気をつけたい。


逃げる気にもならないし、
現状を変えるのも面倒だから、
スタバの窓際から2列目の席で
不平を不満をiPhoneに書きなぐっている。
言葉に敏感な症状は昔からで、
何も考えなしで自分の意見を押し付けられて、
その場では言い返せなくて、
いつも相手の都合がいいように丸められてしまう。
だけど、
たまに反撃してみると、
相手は驚くみたいで、
それが倍になって、返ってきて、
気がつくと孤立しているんだよ。
コーヒーの苦味をしっかり感じて、
頭の中の毒をゆっくり出していこう。





☆ループして揺れる。


嫌われたくないから、
普通を装っているけど、
もう、限界かもしれない。

普通がわからないから。




☆尖っていた過去に戻りたくない。


雨の中で誓った決意から一年が経った。
今日も雨の街をゆっくり歩いて、
忙しい毎日へ身を置きに行く。

夢で一杯に満たされた日々は、
嬉しいけど、たまに疲れてつらくなる。

何かを手に入れたら、
また新しい不満に目が行くのは
自分の悪い癖だ。

ただ、毎日をこなして未来の続きを作る
この作業をしなければ、
また、昔の尖った自分に戻ってしまいそうで怖い。

まだ、限界は余裕で来ないから、
頑張ってみるよ。





☆街は今日も雨が降り続いている。


カプチーノを飲みながら、
もっと楽しいことがないかって、
ぼんやりと考えてみたけど、
朝の低血圧の頭じゃ、あまり思いつかないや。
カフェの窓越しに見える街は、
今日も雨で輝いていて、
車のテールランプが弱く反射していた。
そういえば、数年前に振られたときも、
雨で街が濡れていて、
あのときはその先に広がる未来の物語なんて、
全く思い浮かばなかった。
だけど、あれから季節は何度も変わったけど、
少しだけ自分は変われたような気がした。




☆夕暮れの星に願う。


ふたりきりの展望台から
夜が始まろうとしている街を眺めている。

傷ついた君の心の傷が癒えるようにと、
深いオレンジの影でちらつき始めた、
星にお願いした。





☆成長しきるまで待ってほしい。


手帳に胸に秘めた思いを書いたけど、
いつもみたいに頭はすっきりしなった。
余裕があるふりをして、笑みを浮かべてみたけど、
カフェの中心でそんなことをしても、
意味がないのはわかっているから、
自分自身を見透かしたみたいで嫌になった。
アイスココアが入ったグラスを手に取り、
今日も雨で煙る街を眺めた。
赤いストローで一口、甘さを吸ったあと、
成長しない自分はこのまま、
変わっていく季節に残されるような気がした。
いつも、時間は成長しきるまで待ってくれないから、
苦い思いをずっと引きずっちゃうんだよ。





☆途方に暮れる前に、前に歩きたい。


日々、インプットは続くし、
出会いと別れも続くし、
たまにそれが果てしなく感じてしまう。
こういう感覚に襲われたときは、
いつもこうして、
静まり返った朝の商店街を歩くことにしている。
朝の冷たい空気がリセットボタンになり、
それだけで、世界が広がる。
しっかりとしたアウトプットや、
人に言葉を伝えるのが苦手だから、
いつも自分が不完全に感じる。
だから、こういうときは、
それでもいいよって、
自分自身に言い聞かせることにしている。





☆甘いまま大人になりたい。


大人になるには、
苦味を知ることが重要だよと、
君に言われて、寂しくなった。

だったら、私は少女のままでもいいや。






☆取り繕う日々は、もう、疲れてしまった。


雄弁さは嘘の証拠だよって、
ずっと昔に言われたことを思い出した。

別に付きたくて嘘なんかついていない。

臆病で人にどう思われるか怖いから、
自分を取り繕っているだけだよ。



☆君を閉じ込めたゼリーをスプーンで掬う。


君のすべてを知る必要なんてないけど、
君のつらかった過去を
透明な炭酸ゼリーに閉じ込めて、
すべて受け止める自信はあるよ。




☆砂浜でも未来は漠然としている。


夜明け前の海を
砂浜に座り、ひとりで眺めている。

漠然とした未来は憂鬱過ぎるから、
今は、ボトルのカフェラテの甘さを感じよう。






☆記憶を消したい。


クリームブリュレをそっと、
スプーンで叩くアメリのように、
消せない記憶を割りたい。




☆今日は明日からの未来の始まり。


大きな川の河川敷で立ち止まり、
川面に映る夕日のオレンジを眺めた。
そして、コンバースの靴紐を直し、
新しいことを始める決意した。





☆いつの間にか自分を見失った。


別に群衆の一部にはなりたくなかった。

臆病な私は普通であり続けることを
努力してみたけど無理だったんだ。

だから、私らしく生きることを、
夜のスタバで決意した。





☆君にはお見通しだった。


大丈夫じゃないときに、
大丈夫って言えるほどタフじゃないから、
いつも笑って誤魔化しているけど、
君はそのことすら、わかるんだね。





☆ひび割れた水色をパテで埋める。


泣いてしまいたいのに、
日々は氷が元に戻るように過ぎ去るから、
置いていかれている気分だよ。

心の痛みが過ぎ去るまで、
あとどれくらいかかるだろう。



☆夜は深まるけど、私の気持ちは揺れ続ける。


苦しめられている今の感覚は、
ソフトクリームが熱帯夜に溶ける感覚に似ていて、
私の気持ちは揺れたまま、
今日も眠れずに夜が深まっていく。





☆この夏の無力感は、きっと忘れない。


消える雲みたいに自分が無力に思えたから、
オレンジの空に右腕を伸ばした。

夢の欠片すら感じない夏の夕日が、
優しくて、すごく寂しく思えるのは、
今の自分がそれだけ弱っている証拠だから、
これ以上、自分を責めることをやめることにした。






●夏の始まりのプリズム


梅雨の中は夢の中みたく歪んだトンネルで、
見たくない余韻はプリズムに反射する。

一瞬、時が止まり、
雨粒が浮遊したまま、球体に緑と灰色を透過し、
みんなの命が止まるのを映し出す。

そんなワケない。
歪んで、滲んで、死んでしまえばって思うけど、
毎日は私を残して平和みたい。






●責任の所在はわからない。


バルコニーから星を眺めている。
ラークの煙が湿った風に流れる。
昨日の自信のなさや、今日の不甲斐なさが、
吸い込むたびに蘇り、明日の絶望を強くする。

流れ星なんて見ないまま、
弱く雨が降りはじめ、南からの雲で星は隠れた。
眠れない責任の所在は今日もわからないまま、
火を消した。






●全力で生きたい。


去年、あの夏の決意は揺るぎないものになり、
真剣に海にコーラを足して濁らすくらい困難さを感じた。

今年、この夏の決断は揺るぎないものになり、
熱心にダグアウトから声援を送るくらい、たやすくなった。

もし、日常が蜃気楼でなくなったとき、
すべてが消えるなら常に全力で生きたいね。





●暑さの所為にすればいい。


何も出来ないなら、
暑さの所為にしてしまえばいい。
何もかもつまらないなら、
一度、忘れて海を眺めればいい。

そして、ぼやけた水平線を人差し指でなぞって、
海を感じればいい。

なんて平和なんだろうって、
コーラを飲んで、煙草を吸って、
絶望みたいな夕日を見て、思えばいい。




☆自由へ行くために


自由になりたいから、
真夜中のコンビニで、
濃厚バニラといちごパフェとモンブランをかごに入れた。

時計の針は回る。
すでに頭の中は鐘が鳴る。

今日も上手く行かなかったことを
忘れ去るために自分に魔法をかけたい。

最高にとろける甘さの向こうにある
明日の現実を思うと、
ため息が出た。






●フラペチーノで時空を超える。


ご褒美のフラペチーノを一口飲んだ。
窓から見える街は人と車でごった返えしていた。
午前中で用事はすべて終わり、
久々に何もない午後を迎えた。
店内は心地よいざわめきで
無限に集中できる気がした。
インスタを受け身で眺め続け、
無限にフラペチーノがあれば、
時空を超えられる気がした。






●QOLは下げられない。


疲れ切った身体でパスタを茹でる。
本当は惣菜を買ってもよかったけど、
健康と節約のためだと根性を張る。
いい生活をしたいと思うのは、
意地っ張りだとたまに思う。

きゅうりを切り、
レタスをちぎり、
トマトを切る。

眠いけど意地でもQOLを下げたくない。
いつまで頑張ればいいんだろう?






●弱い僕らは。


柔らか手足を動かして、僕らは。
ここまで過ごしてきたんだ。
早く大人になりたくて、課題をこなした。

酒と煙草の味を覚えた、僕らは。
感激して乾杯を繰り返した。
炎天下の中で浮かぶクラゲのように。

絶望へ連れて行く未来は嫌だね。

どうか、君だけは
いつまでも透明でいてほしい。





●雨の中に閉じ込められる。


雨の日はまるで、
水晶の中に閉じ込めるように
青色の街を透明にする。

地下鉄の入口で傘を閉じて、
灰色の湿気を全身で受け
人混みに身体をなじませる。

点でバラバラになった頭で、
これからのことを計算しても
何もうまく行かない。
だから、仕方なく、
ぼんやり地下鉄に乗ることにした。




☆もう二度と叶わないことだけど


熱々のコーヒーを飲んで
夜の街を眺めている。

駅前通りを歩く人たちは
みんな長袖を着ていて街は秋色になっていた。

1日中考えすぎて
熱くなった頭を冷ますカフェインは最高だ。

もう二度と叶わないことを
諦めるには、まだ割り切れてない。

あのときの熱い涙は素直な証だと、
ふと思った。





●大人になるのは難しい。


大人になるには、
2が味を味わうことが必要らしいけど、
それならコーヒーを甘くする私は、
きっと、まだ少女のままかもしれない。



●つよがらないで。


初雪のような切なさを持っている君は、
弱いように見えて、
実は誰よりも強いことを知っているよ。



●夏が離れるたびに落ち込む君は君らしくない。


君の泣き顔なんて見たくないよ。
だって、君は炎天下のひまわり畑で、
優しく微笑んでいるほうが100倍似合っていたから。
だから、夏の頃みたいに前を向いて笑って。





●そのままの君で十分だよ。


世間に顔色をあわせることは、
命を削るような行為かもしれない。

だけど、君のその頑張る姿を見ていると、
笑顔の裏の悲しさが滲んでいることがあるから、
ありのままでいてほしい。



☆今の悩みなんて


横断歩道の真ん中で一気に冷たくなった風に吹かれた。
薄着したことを少し後悔した。

交差点を行き交う人達は
優しくなった秋の日差しに目もくれず、
忙しくどこかへ向かっている。

今の悩みなんて
そっちのけにして、
毎日をこなす強さは必要だけど、

もう少し、
ラフな生き方がしたい。






●秋の海で君の気持ちを知る。


嫌われたくないって言いながら、
人にあわせることがつらい君と、
誰もいない秋の海で夕日を見るのは最高だ。




●なにも変わらないことはわかっている。


「なにもできない」と小さく言っても、
なにも変わらないことはわかっている。
ただ、絶望癖を希望に変えたいから、
優しい言葉をかけてほしいだけなんだよ。




☆ちょっと疲れただけだよ



秋雨がガラスを打ち付けている。
日が短くなったから
すでに街灯が目立ち始めている。

カフェの中は変わらず大人しくざわついている。
Mac bookの画面は何も変わらず、
コーヒーだけが減っていた。

別に好きで大人やってるワケじゃないんだよ。

キーボードで打ち込んだ後、
deleteを連打した。




☆この世界は、寄り添うだけで十分なはずなのに


冷たい雨に打たれた。
今日もずぶ濡れで玄関の電気をつけた。

ぶどうの美味しい季節に
なぜか、馴染めなくて、
毎日が憂鬱で締め付けられる。

秒針が常に回り
気持ちだけが置き去りにされる。

この世界は、
寄り添うだけで十分なはずなのに。

実際は殺伐としている。
時間がないのはなぜ?





☆自分を求めて


本屋で思いっきり息を吸い込む。
インクとコーヒーが混じっている。

9月はいつも自分を見失う。

だから、こうして、
膨大な書籍の中から
手当り次第、自分が求めている文を探す。

本屋は穏やかすぎて、
たまに死にたくなる。

だけど、それがいい。
迷っちまえば気が晴れるはずだ。





●周りの甘さを溶かすくらい、君はどんな人にも優しすぎる。


周りが君に甘えすぎているから、
君は自分を出せずに疲れ果てているよね。

そんなこと、気にしなくていいように、
君の大好きな冬季限定の
ストロベリーチョコレート買ってきたよ。



●不器用なことも知っているし、
 頑張っていることも知っているから、
 僕は君のことを止めることができない。


もう、頑張る必要なんてないよ。

そう言って簡単に君を止めたいけど、
肩の力をそう簡単に抜けないくらい、
君が不器用なのは知っているよ。




●たまらなく一人になりたい時がある。


嫌いになりたくないのに、
夜の中で一人になりたくて、
君以外の何もかもが嫌いになるときがあるんだ。

だけど、日常生活は進むから、
そんな気持ちを隠して今日もしっかり歩くよ。

そんな自分を見透かして、
君から頑張ってるねって言葉をかけてほしい。



●明日、生まれ変わる予定だから、じっくりこれからを考えることにする。


冷たい雨がフル夜の街は銀色で、
その中で一人に慣れきっている自分が嫌になった。

誰にも嫌われたくない。
自分を出さずに我慢すれば丸くなる。

もう、そんな臆病な自分は嫌だから、
駅ナカでモンブランを買って、
ワンルームで明日のあり方を考えることにした。



●君の内側を知りたい。

君は不器用なのに頑張りすぎるから、
他の人よりも疲れやすいのは知っているよ。
今日は君が主役だから、
ココア片手に胸の内を話してほしい。



●君の言葉は過去を溶かす力を持っている。


リセットボタン押したいくらい、
過去の後悔はフラッシュバックするけど、
思ったより世界は優しいよって、
君が言ってくれたおかげで少しだけ楽になった。



●自分の気持ちに蓋をすることも慣れてしまった。


自分の気持に蓋をして、
コーヒーを飲んでも一向に晴れる気配はないや。

電球色のカフェの窓から、
曇った灰色の街をぼんやり眺めても、
誰かに認めてほしい症候群は収まらないよ。




☆見つけたい


秋雨が空想を曇らせる。
冷たさが切なさを作る。

自問する帰り道
責める声が脳内で反響する。

ビニール傘の下は雨音が鈍く響いている。

もし、過去に行けるなら、
臆病を超えたい。

このまま沈むように
青く深いところまで連れて行ってくれない?

そしたら、答えが見つかる気がするから。




●無敵な君は自分のことを守れない。


つらい気持ちを抱えたまま、
君は今日も素直に生きていることが、
君の生きづらさになっているよね。

君の素直さは、
無理しなくても無敵だから、
昨日も明日も、
あまり頑張ってほしくない。



●まだ過去の傷が痛む。


深く傷ついた心の傷はまだ癒えないけど、
日常を淡々とこなすしかないね。

誰かに優しい言葉をかけてほしいけど、
今は星に願いをかけるよりも難しそうだな。



●君と闇を切り裂く。


夜の淵で君が泣いている理由は知っているよ。
君は自分の不甲斐なさが嫌で、
自分を責めすぎただけなんだ。
だから、今は君の手を繋いで、
黙々と秋の闇を切り裂くことに集中する。




●いつから口癖になったんだろう。


 公園のベンチに座り、煙草を吹かし、
 高い空をぼんやり眺めている。

 忙しくしている間に季節は巡り去り、
 微温かった風が冷たくなっていた。

 別に今をこなすだけで十分だけど、
 欲を言えば、もう少しゆっくりしたい。

 吸いきってしまった。

 めんどくさい。
 いつから口癖になったんだろう。



●11月が始まった。


 あと2ヶ月で今年が終わる。
 11月が現実を歪める。

 別に未練はない。
 一年が終わることを、受け入れるのは
 お気に入りのパンプスが壊れ、
 新調するくらい、胸を締め付けることだと思う。

 馴染ませるために、少し、我慢して
 自分のものにしていくのと一緒だ。

 地道に歩く、その作業が面倒なだけだ。




●アメリカンコーヒー


 コーヒーの分量を間違えて
 アメリカンになったコーヒーを
 白湯代わりに飲んでいる。

 夢の続きを見るより、
 昨日、読んだ本の続きのほうが気になって、
 本を開こうとした。

 そのとき、電話が鳴り、
 仕方なく出ると、急な用事を告げられた。

 急に一日が始まり、慌てて身支度をすることにした。





●雨で冷えた世界で。


 イチョウ並木は、夜が明けるたびに散っていく。

 今朝の雨で一層冷え、
 厚手のニットカーディガンでも
 少し寒さが身に刺さる。

 濡れたイチョウは、白い朝日で反射して
 爽やかさが冷たかった。

 待ち合わせまで余裕がある。

 だから、ゆっくり歩いて
 大したことない約束をすっぽかしたくなった。




●サイバーパンクの中で


 雨の繁華街を窓越しから眺めている。

 夜のカフェで、
 黙々と今日のことを手帳に書いている。

 濡れた繁華街は、近未来みたいな色を放っている。

 白く反射するビニール傘を持つ
 無数の人達が、今日もどこかに歩いている。

 今日も手帳に寂しい行動記録を
 書きなぐったら、少しすっきりした。




●山手線は憂鬱を浄化するように周る。


 山手線は毎日、
 新宿、渋谷を何十周もする。

 ガード下を通る国道は
 今日も忙しく、いつもうるさく、
 見渡す限り人ばかりだ。

 何も考えなしの無垢な言葉に
 いちいち傷つく。

 自分の頭ン中は今日も忙しく、
 いつもうるさく、
 誰にも気づかれずに傷つく。

 いつになったら楽になるんだろう。




●丁寧にワッフルをナイフで切りたい。


 黄色い並木の下を歩く。
 Bluetoothイヤホンで
 流れている曲が妙に秋色の風景と
 朝の冷たさとリンクする。

 こんな朝だから、
 コーヒー飲んでカフェの窓から
 多くの忙しい人たちを眺め、
 ぼんやりしたい。

 こんな気持ちをいつか、
 焼き立てのワッフルを
 ナイフで切るように丁寧に扱いたい。




●諦めたい。


 秋を終わらせる強い風が痛い。
 今日も終わった。

 諦めてナイーブになっちゃえば、
 どうにかなるかもしれない。

 過ぎ去った言葉の多くは
 気づかないうちに内側をズタズタにした。

 毎日、コーヒーを飲んで、
 タフなフリするけど、一向に癒えない。

 そろそろ、マフラーが恋しくなった。





●一日のおわり。


 マグカップのココアを
 右手に持つスプーンでかき回し、
 iPhoneを左手でスワイプして
 インスタをぼんやり眺める。

 おもちゃ箱をひっくり返すように
 今日の嫌だったことをこの時間だけ忘れたい。

 あらゆる情報が手元を通り過ぎる。

 ココアを一口飲んだら
 世界のすべてがほっとした気がした。





●ジレンマ


 間違いを正す人を極度に恐れて、
 当たり障りないことしか
 言わない自分にうんざりする。

 コーヒーカップを置き、弱くため息をついた。

 窓の外の駅には、JRの無数の線路が広がっていて、
 今日も電車は多くの人を乗せてターミナルを出ていく。
 
 間違いだらけなのは、一体、どっちなんだろう。





★少年少女だった僕たちは、大人に近づいている。


コーヒーを飲む数だけ、
君と僕はお互いのことを知り、
大人に近づいていくような気がするね。

少年少女のままだったら、
守れた純粋な幸せから、
離れていくのは寂しいけど、
落ち着いた今の君のほうが好きだよ。



★鮮やかな君は、頑張りすぎる癖がある。


秋の深いオレンジの中で、
「頑張る理由なんてないことは知っているよ」と、
君は静かにそう言ったから、
きっと慰めてほしいんだと思い、
君はもっと理由をつけて休むべきだと伝えた。




★鮮やかさが消える前に、心の傷を消したい。


電球色のカフェでコーヒーを飲みながら、
ぐちゃぐちゃな気持ちをノートに書ききった。

カウンターの窓越しから見える
街路樹のイチョウは街灯の鋭い白に照らされ、
黄色が輝いているけど、
そんな鮮やかさも感じられないくらい、
まだ、心は傷ついたままだよ。




★今日は特別に泣いてもいいよ。


頑張りが報われなくて、
悔しい渦に君の心の中が支配されているんだよね。

午後の光の下で飲むカフェオレの甘さだけじゃ、
君はきっと、癒やされないだろうから、
今日は特別に泣いてもいいよ。



★雪と一緒に君の悲しみを空に戻したい。


初雪が降る夜、
君と手を繋いで静まり返った世界と、
冷たい空気をゆっくり切り裂いていく。

泣き続けた君の顔には、
理不尽に負けて溢れた悔しさの涙が
まだ残っているから、
君の悲しみを粉雪と一緒に空に戻したい。





★透明なままで十分だ。


君の泣き顔なんて見たくないよ。

何色かに無理矢理、染めようとする人のことなんて、
無視して、君には透明なままでいてほしいんだ。

だから、君はそのままで十分輝いているよ。





★ただ、君を癒したいだけだよ。


頑張りすぎな君を癒やしたくて、
白いLEDの街灯が照らす路地を歩きながら、
君への言葉を考えたけど思いつかないんだ。

軽い言葉じゃ、癒せないのはわかっているから、
冷たい闇の中で青く光るローソンで
ハーゲンダッツを2つ買うことにした。





★いつも振り回しちゃうのに、君は私のことを許してくれる。


もっとほしいことや、
もっとほしいものはたくさんあるけど、
仮に全部、手に入れたとしても、
私自身が満たされないのは、
自分でも十分わかってるんだよ。

だから、そんな我慢をする私を褒めてほしい。

そんなわがままを
きっと笑いながら許してくれる君は優しいね。




★暗い顔も素敵だけど、ただ、笑っていてほしい。


悩みの中で暗い顔をしている君の手元に、
ココアが入っているマグカップを置いた。

君が弱く微笑んだから安心したけど、
もう、頑張らなくていいよって付け加えた。





★甘さで完全体になりたい。


ココアのホイップクリームを掬い、
口に含むと、
自分が完全体になったように思えた。

まだ、この切ない甘みだけじゃ、
自己肯定感は完全回復なんてしないけど、
今はただ、その甘さを感じていたい。




★たとえ、ペンギンが空飛ぶ世界でも、日常は続く。


いつもの場所で赤信号につかまった。

凛として澄み切った空気は最高に気持ちよくて、
空は青さで昨日のことを思い出し、
急に切なくなり、泣きそうになった。

空飛ぶペンギンの群れが北に向かって、
飛んでいくのが目に入る。

昨日言われたつらい言葉なんか忘れて、
今日も頑張ればいいやって、
思っているうちに信号が青になった。






★こう見えても、それなりに、こなしているよ。


器用にそれなりにやり過ごし、
疲れ切って今日も一日を終えた。

そんな中、帰ってきて、
白い蛍光灯の下、キッチンに立ち、
トマトとレタスのサラダを作り、

身体にそれなりに気を使っている
自分はめっちゃ偉い。



★疲れているのは知っている。


本心を隠して、
微笑むことが得意な君が疲れているのは、
もう、当たり前のように知っていることだよ。

だから、シンプルに君ことを尊重して、
君の疲れを癒やす魔法をかけてあげる。




★今は黒い気持ちを出してほしい。


虚うつろな表情は君に似合わないけど、
今だけはそのままでもいいよ。

君はまわりに気を遣いすぎて、
疲れ切ってるんだから。

そんな君が再起動しやすいように、
頑張りすぎた君の頭をそっと撫でた。





●それでも前を見続けるよ。


すべてのことをあきらめてしまいたい。

群れの帰り方を忘れた
はぐれたペンギンみたいに、
私は今、ものすごく迷っているから、
とりあえず、フラペチーノを飲んで、
甘さで正気を取り戻す。





●自分でも時々、答えがわからなくなる。


平凡が一番いいことはわかっているよ。

いちご畑で赤を摘み取るように、
コツコツとした生き方をすればいいとは思えない。

だから、夜のコンビニで思考停止していたら、
期間限定のアイスに目を奪われるんだ。

落ち着きがない自分を否定したいけど、
誰かに肯定してもらいたいくらい、
いつも、自分に甘いんだ。




●複雑な君の気持ちは、繊細でかわいい。


「わからない」という簡単な言葉で
君の複雑な気持ちを片付けたくない。

だから、熱帯夜の公園で君の言葉を聞けて、
僕はすごく嬉しいよ。

だって、暗証番号がわからなかった、
君の心を開くことができた気がするから。





●泣いていたのに、無理して笑っても、涙の輝きは消えない。


泣かないで。

君は最高にかわいいから、
夕立のように濡れた頬は似合わないよ。

無理して笑い顔を作っても、
透明な切なさは消えてないよ。





●白が溶けるまで、君の悩みを聞かせて。


君は今、絶不調の中にいて、
それをカフェで打ち明けられて嬉しいよ。

カフェラテの泡が消えても、
君の辛さは消えないと思うから、
ただ、ずっと君の話をこのまま聞くよ。





●夏の夜の鎮痛剤は、甘いアイスクリームしかない。


憂鬱な夏の夜を紛らわすために、
ローソンでアイスクリームを買ってしまった。

本当は痩せたいんだけど、
終わった恋の痛みで心は限界だから、
今日くらい、その甘さを許してあげよう。




●調子が悪い日も君は優しい。


「調子悪い日は、大人しくしたらいいよ」

そう言って、君はマグカップを手元に置いた。
コーヒーの香りが立ち、
香ばしい甘さが空気を凛とさせた。

頭がまわらないけど、グズだと思わないで欲しい。
そう思い、コーヒーを一口飲んだ。

礼を言うと、君は微笑み、
そっと部屋を出ていった。



●たまにつらくなるときがあるんだ。


深くなった緑のゆらめきを
バルコニーから眺めている。

煙草がもうすぐ燃え尽きそうだ。
フィルターぎりぎりまで
吸うのは身体に良くないけど
そのまま吸っていたい気分なんだよ。

先なんてわからないから
今を生きるだけだけど
たまに辛くなる。

吸い終わってすぐ、
遠くで踏切が鳴り始めた。




●自分の意志で今日を作りたい。


朝のカフェでぼんやり外を眺める。

ゆっくりした自分の意識を確かめる。
マグカップのグゲは穏やかに立ち、
コーヒーの匂いで眠りの境界線を断つ。

窓越しの街は静かなままで、
今日、これからどこかへ旅に出たくなる。

別にひとりは寂しくなんかない。
無限に思える今日を
キャンディのように軽くしたい。

一口飲むと苦味がそっと優しく包んだ。

4桁の暗号を言い合える人がほしくなった。





●このまま、自転車で駆け抜けたい。


遠くで鳴る踏切の音が静かな街に響く。
自転車でいつものように中心地を目指し、
少しだけひんやりした空気を切り裂く。

シャッターがしまった商店街は
いつまでもレトロのままで時が止まっている。

今のままで十分だと、漠然とたまに思う。

いつまでこんなこと続けるんだろう。
とりあえず、次の休みはどこかに行きたい。

ショッピングモールだけじゃ満たされないから、
誰もいない展望台で思いを馳せたい。
そして、ぼんやりして何もかも忘れたい。





●ストロベリーな日々を過ごしたい。


スニーカーの紐を締め直して、
眼の前の大きな川をまたぐ橋を見ると、
車道は今日も車で混雑していた。

朝の香りは冷たい空気で引き立っていて、
もう数ヶ月もすればコートを着て、
雪見をきっとしているんだろうね。

だから、ゆっくり歩いていくよ。
今日も穏やかに過ごしたいから。

単純に過ごすにはルールはいらないよね。

ストロベリームーンのように、
甘く、切なく、優しい。

そんな、世界だったらきっと、
毎日が楽しいんだろうね。




●これから先を考える前にずっとこうしていたい。


憂鬱をカフェで溶かしたい。
熱いコーヒーとアイスクリームでゆっくり。

ひとりでいるのは、もう慣れたけど、
偶に冷たいことを誰かに言って欲しくなる。

積み重なった思い出は簡単に画素数が下がり、
今の自分に上書きされていく。
だけど、苦い思い出だけは留まり続け、
気持ちを重くするのはなぜだろう?

スプーンでゆっくり掬いましょう。
何もかも忘れるために、
無心を心がけてね。



●季節が変わり始めても、変われない自分にモヤモヤする。


傷ついた心をそっと引き締めるために、
少しだけ冷たくなった秋の砂浜で
ぼやけた海を眺めている。

手元に置いたコーラはわずかで、
空飛ぶクジラが来るまで待てなさそうだ。

昨日の夜に降り注いだ星屑を探そうと、
両手で砂をすくい、
指と指の間で感触を確かめたけど、
つまらなさが旨を締め付ける。

何をやっても上手くいかない時は、
どうやってやり過ごしたかを思い出せなくて、
最後の一口、コーラを飲んだけど、
何も変わらないから、そっといじけ続けよう。

気が済むまで、ずっと。




●おはよう現実。昨日の夜はファンタジーの終わりで胸が裂けるくらい憂鬱だった。


ネオン色に輝く街を交差点の隅のビルから眺めている。
デニーズの店内は静かで夜が深まるよ。

コーヒーを飲み込むと少しだけ、
寂しさが滲んだけれど、
iPhoneを指先でなぞり、
出来たばかりの思い出をさかのぼるよ。

夜行バスの発車は、まだ先になるから、
魔法が元に戻って、
空飛ぶペンギンの群れが何曲に戻るように
憂鬱な現実がもうすぐ戻ってくる。

そして、寝起きにふと思うんだろう。
明日が来てしまったことを。

また、ファンタジーを取り戻すために
日常をしっかりとこなすよ。





●たまに息が詰まる。


色づき始めた街路樹の木陰は少し冷たい。

先に見えているビル群のグレーは無機質に並び、
何も考えず、今日もそこへ向かう。

生きる意味ってなんだろうって、
ときどき、ふと考えてしまう。

一度、立ち止まり、深呼吸をする。

懐かしいあおさが蘇り、胸を締め付ける。
もう少し、明るい性格になりたかった。
マーケットに山積みされたレモンのように。

日常に追われて、自分の世界が沈む。
ドキドキすることが思い出せないから、
次の休日はどこか遠くへ行こう。





★カプチーノ


 いつも行くカフェは今日は珍しく静かで
 恋の話とか、
 のろけ話とか、
 そういうものとは疎遠な空気だった。

 カプチーノはまだ熱を帯びてて、
 白くふわふわなフォームミルクが
 雲のように熱を押さえ込んでいる。

 一口飲んだあと、
 明日から始まる現実の前に
 少しだけ背きたいと思った。





★ある日。


 急に息苦しさ感じカウンターに突っ伏した。

 カフェの人目なんかどうでもよかった。

 あのときの言葉を未だに信じてる。
 だけど、そのときはとうに失われている。

 たくさんのサプリを飲んでも
 治らない心の傷はどうすればいい?

 顔をそっと上げると
 目の前のマグカップが巨大に見えた。





★リセット


 猛烈な眠気を吹き飛ばすために
 淹れた濃いコーヒーを一口飲んだら、
 よりほっとした。

 今週のイライラや繁忙をこの一杯に
 詰め込んで忘れよう。

 ブラウン管の暖まりが悪いときのように
 そっと、ゆっくり、
 頭を緩くしてあげよう。

 そろそろ、持ち帰ったやるべきこと
 やっつけよう。



★理想


 ベッドに寝転んで
 iPhoneで無数の情報を読み漁っている。

 プラスチックで出来た
 ピンクのキッチンで理想の生活を描くように
 淡い夢を見させて。

 今すぐ買うボタンで明るい未来が届けられる。
 そんな世界だったら、結局、平凡を選ぶのだろう。

 寝落ちしたら、そんな世界に連れていって。




★リフレッシュ


 ご褒美のハーゲンダッツを開けた瞬間が
 今夜のハイライトだね。

 今日もそれなりに頑張った。
 マルチタスクを当たり前にこなし、
 しょうもない調整ばかりした。

 そんなこと、とりあえず忘れて、
 一口目を最大限に噛み締めてみる。

 ぼんやりした頭が晴れて、
 まだ、生きてる気がした。




★ターミナル


 保安検査場を抜け、
 ベンチに座り、搭乗を待っている。

 iPhoneを握りながら、
 朝日が反射してる大きな機体を眺めていた。

 一人旅をするのは半年ぶりで、
 焼きたてのチョコパイを
 頬張る瞬間くらい、うきうきしている。

 寂しくなんてない。

 果てしない景色を見て、
 現実と絶交してやるんだ。





★優しい夜


 夜のスタバに来たのは、
 タイムラインに流れた
 限定フラペチーノの画像の所為だ。

 今、目の前にある魔法をiPhoneで画像にした。

 願いが叶いにくい世界だから、
 熱した夢を冷まさないように
 自分に甘くすることに決めている。

 一口飲んだら、
 最高のピンクみたいに、
 ファンタジックだった。




★甘い誘惑


 急にこなすのがイヤになって、
 コート羽織って、
 用もないのに夜の外に出た。

 凛とした空気が
 バニラのように眠気を遠ざける。

 何もやる気ない訳ではない。
 ただ、疲れているだけだよ。

 イチゴに大量の練乳かけて、
 ぐちゃぐちゃにして、
 衝動的に食べたい。

 コンビニで限定スイーツ買おう。




★めげないで


 チョコレートをかじって忘れてしまおう。
 今、頭抱えてる煩わしいことなんてさ。

 さっきネトフリで観た
 古い恋愛映画の甘い余韻に浸っていよう。

 もう一本、映画観て
 夜更かしすることにしよう。

 現実なんてって、嘆く前にさ、
 キャンディの包み紙のように、
 カラフルな幸せ見つけたい。




★秘めた愚痴


 小さいときから、
 暗闇が怖くて
 夜道を一人で歩くのは少し苦手だ。

 足は今日もむくんで張っている。
 あともう少しで家に着くよ。

 家に帰ったら、
 硝子のジュエリーケースに、
 ネックレスと秘めた愚痴も
 片付けて飾ってしまおう。

 幸せはお金で買えないなら、
 働くのとどう両立すればいいの?




★ティファニーで朝食を


 春が近づいてきた陽気に癒されて
 河川敷を歩く。

 昨日笑えなかった分は、
 今日笑えばいいし、
 明日笑えなければ、
 明後日笑えばいい。

 ティファニーで朝食を取るように
 優雅な気持ちでほっとしよう。

 鬱憤や愚痴をぶっ飛ばす元気を
 お日様からいただこう。

 今日ぐらい最高の1日にしましょうね。






★悲しいときは


 悲しいときはとりあえず、
 ココアをゆっくり飲むことにしている。

 冷たくて青い夜を駆けたいほど、
 忘れたいけど、
 叶わなかったことを忘れられない。

 悲しいときはとりあえず、
 次の願いをゆっくり、
 考えることにしている。

 だけど、
 今日はそんなの硝子を膨らますように
 すぐに出てこないや。




★理想へようこそ!


 黄色い日差しの中を朝を感じて、ぼんやり歩こう。
 夢の続きが見たかった。

 今日もいつも通りの人混みだ。
 都心の真ん中で愛を叫ぶダサい演出みたい。

 「馬鹿みたい」を呟いても、
 なにも変わらないことは知っている。

 だけど、現実を駆け抜けよう。

 通り抜けた世界でようこそ!
 と歓迎されたい。





★この春も変われない


 気持ちいい陽気の
 川原をゆっくり歩いている。

 今の悩みが、すべて捨てられそうな気がした。

 春の匂いが胸を痛めるよ。
 季節は巡って、また取り残された気持ちになる。
 変わらない自分がもどかしい。

 みんな平然を装って
 自分の苦悩は胸に秘めているんだろうけどさ。

 大人になれないや。
 そんなに。




★蝶々結び


 ほどけた靴紐を直した。
 ボロボロのスニーカーは
 真剣に生きた証拠に見えた。

 いつも無難にこなして、
 悪魔に魂を売って、
 今の生活を守るよ。

 休日はあっという間だった。
 本音は永遠に出勤したくない。

 帰ったら、ゆっくりビールを飲もう。

 そんなこと忘れて、余韻に浸かろう。
 まどろみが来るまで。





✶始まったばかりだけど

始まったばかりの、
まだ私の中で馴染まない季節は、
前の季節の楽しい思い出の所為で受け入れられていないよ。





✶ずっと夕日を眺めていたい

いつもの寂れた海辺で、
オレンジが深まる、丸が沈むのを君と眺めている。

「別に今さえ、生きれたらいいんだよね」
って君がぽつりとそう言ったから、
僕は君のことを全肯定することにした。





✶優しくて、傷つきやすいのは知っている

君の憂鬱な表情なんて見たくないよ。

君はただ、頑張りすぎて、
周りから、疎まれただけなんだ。

今は、君の優しさで受け取ったすべての毒を抜いてほしい。





✶たまにそういうところも見せてほしい

最弱のエゴイストの君が言うわがままは、
本当にレアだと思うから、
今日は気が済むまで、
君の自由にしてほしい。





✶夜が始まったビル街は夕立で濡れている

夕立で濡れたアスファルトに
夜のビル街のネオン色が反射している。
無数の人が行き交うその中をしっかり歩くたびに
孤独が深まっていくように感じる。

ただ、それでも毎日、
こなし続ければ、
いつか今の状況が好転すると思う。

今はそう信じるしか、
自分を労ることができないから、
「よくやってるほうだよ」って誰かに言われたい。




✶元気だして

春が来たんだから、元気出して仕切り直ししよう。
お気に入り曲聴いて、軽く走って汗をかいて。

新しいドキドキは、環境が変わるからで
変化にいつも弱い自分は
いつもこの時期、臆病になり縮こまりたくなる。

臆病を太陽に浄化してもらって、
オレンジの皮むきみたいに新鮮な酸味で踏み出そう。



✶受動態


僕はスロースターター。

人より生きるのが不器用だから、
いつも肝心なことに気づくのが遅れるんだ。

季節は淡々と過ぎ去っていく。
もう、外の匂いは春なのに。
君との関係もおざなりにして、
僕は一体、何をやっていたんだろう?

そう、ぼやいて。

忘れてしまうんだ。
いつも、肝心なことを。





✶ナーバスに乗って


午後のカフェを出て、眠気さましに歩くよ。
大好きな歌をイヤホンに流して。

こうすると魔法みたいに
嫌なことをすべて忘れられる。

臆病で人見知りの私は
ちょっとしたことでも打たれ弱いから。

こうやって、独りで過ごして、
自分を調律して、奮い立たせるしかない。

明日も新しいこと頑張るよ。




✶ハイジャンプ!


悪いことばかり見ても
事態は変わる訳ではないよね
だから、好転することだけを
夢の中だけは信じたい。

アイデンティティを
傷つけられる毎日は面倒だけど
週末までやり過ごして
なんとか生きてるよ。

面倒はすべて
チューハイで流そう。
少しハイになって
たまにジャンプして
週明けまで忘れよう。





✶毎日を楽しく過ごすには、鋳銅が必要。


おはよう。
無邪気な子供のように毎日が楽しいのが理想だね。

今日も太陽にピースサインを送りましょう。
多少の摩擦なんて、
微塵も気にしない鋼のメンタルで
ネガティブを宇宙まで飛ばそう。





✶引きちぎって、退治しよう。


泣かないで。
君の気持ちをできるだけ、すべてわかりたい。

マシュマロを引きちぎるくらいの力で、
君の心を伸ばしたい。

君の頬を引っ張って、正気に戻してあげるよ。
悩みを全部、破棄しよう。





✶満たされない。


臆病だから、外に出るのも怖いし、
人にも会いたくない。

これ以上、傷つきたくないし、
自分を犠牲にしたくない。

臆病だけど、なんでだろう。
いつもの寂しいのは。




✶悩みあるときは、シャボン玉でも吹いてよう。


不甲斐ない思いをシャボン玉の中に、すべて吹き込んでしまおう。
ストローから離れ、上昇していくのを眺めた。

虹色に太陽を反射して、
一瞬、きらめいて消えていった。

これと言って、
気持ちは晴れないけれど、
あんなふうにすぐに終わればいいな。





✶楽しいことはキャンディボトルに詰め込んで、
    夢みたいに絶望的な日々を乗り越えていこう。



恐れないで。
楽しいことをキャンディのように便に詰めて過ごそう。
七色のパステルのように、
甘く、傷つかない日々を胸に詰めて過ごそう。

生きるのを諦めないように、
甘酸っぱさを感じて、
正気を取り戻そう。

そうすれば、
今日もきっと上手くいく。





✶天気予報が告げられるように
   自分のコンディションも告げられたらいいのに。


長期的なスランプは今日で止む予報なのに、
未だにローテンションで、
改善される見込みはない。

外は朝から雨だから、
今日はぼんやりとコーヒーを飲んで、
ぼやけた頭ん中をしっかりと空っぽにしよう。



✶微笑んでおこう


夕暮れの堤防を君と歩いている。
少し意識してるから、会話は間延びしがちだ。

新しいスニーカーが足にあまり馴染まなくて、
出来たての靴ずれが鮮やかに痛んでいる。

色々、聞きたいけど引かれるのは怖い。

当たり障りないことが上手く思い付かないから、
とりあえず、微笑んでおこう。




✶今日、生きるための嘘で後悔している君へ。


嘘をついてもいいよ。
生き抜くためのことでしょ?

それで自分を守れるなら、
特売のライムみたいに
絶妙な酸味でお得だよね。

今、自信がないなら、
嘘をついて、
明日から胸を張ればいい。

だけど、嘘にもルールがある。
誰も傷つけないことだよ。





✶ぐるぐる回るくらい、
   心の傷が癒えないのは忙しい所為だね


過去をかき消して。

そう願っても、未だに心の傷が癒えないのは、
自分を大切にできないからなのは、わかっている。

今の自分が好きじゃないから、
誰かに責められたことを思い出す。

朝霧の中に溶け込むように
無になれないから、
生きているという事実だけを噛み締めよう。




✶ポケットいっぱいに好奇心を満たせば、
      ファンタスティックは激動する。


毎日、不思議を追うように好奇心を満たそう。
水瓶をソーダ水で重くするくらい。

幼かった頃は誰でも、
虹色の夢を無限に持っているのに、
大人になるとキャンディみたいに消えるね。

汚くて、憎い気持ちなんて感じなかった頃みたいに、
ファンタジックな日々を過ごしたい。





✶ゼロの天然水。


なぜかわからないけど、
今、心の中を静かに灯されて、
氷のまま冷蔵庫に眠っていた天然水のように
本当の自分らしさが溶け始めたような気がするんだ。

だから、偽ってズレた自分を、
ゼロに戻していくよ。






✶レモネードを飲みあった夏に戻りたい

君とレモネードを飲みあった夏は、
私もこんなことになるなんて思ってなかったよ。

初めて、本当の意味で意気投合できるっておもっていたから、
本音をいっぱい一方的に思わず話してしまったんだ。

もしかしたら、私が甘えすぎた所為で君は引いてしまったのかな。

1年も満たないで君との関係は終わったけど、
君が言ってくれた、
「無理しなくていいよ。頑張り過ぎなんだよ」
って言われたことは、しばらく忘れられそうもないや。





✶社会が大っ嫌いなのは、薄汚れた嘘が嫌で自分を保てないからだ。


素直になれない。
雨の庭を裸足で駆け抜けるように
大人になれない自分が
たまに情けなく思ってしまう。

割り切って笑顔で誤魔化して過ごしていればいい。





✶誰も知らないところで、君が頑張っているのは知っているよ。


もう、頑張る必要なんてないと思うよ。

意味や効率を追求したら、
時間の悪魔に追い立てられて、
自分を見失うだけだから。

だから君のペースで一歩ずつ、歩めばいい。
床いっぱい、こぼしたマーブルチョコみたいに
淡い夢を演じればいい。
それが出来ないから、
自分を保つことができるんだね。





✶窮屈は嫌だ。


とにかく、外に出て走りたくなったんだ。

深夜の商店街は薄暗い白さで、
誰もいなくて、自分が取り残されたように感じる。

ただ、嫌なことをすべて忘れたい。

だから、気が済んだら、ローソンに入って、
ハーゲンダッツバニラを買って帰ろう。






✾嘘の自分が好きな周りへ

 
 簡単な嘘で周りにあわせて、
 作った自分は本質を見失うから、
 今、周りに微笑む自分はきっとぎこちない。

 小さい嘘が数え切れないほど、
 心の底に降り積もって、
 もう限界だと思ったから、
 そっと、今ある関係から抜けようと思った。





✾季節が巡るたびに大人へ近づく

 
 コーヒーを飲みながら、
 窓から差し込む春の黄色い日差しを眺めている。

 去年を引きずったまま、
 冬は簡単に終わってしまった気がする。

 もう、10代も数本指を折れば終わるけど、
 まだ、コーヒーをブラックで飲めるようになったことくらいしか、
 大人になれていないような気がする。






✾新しいイメージを手に入れたい

 
 まだ空気に馴染めないまま、
 春が深まっていく。

 人見知りの私でも、
 なんとか、心を開く努力をして、
 新しいイメージを作る努力をしている。

 だけど、このままこのイメージで、
 自分を続けられるのか不安だけど、
 行き詰まったら、
 そのとき、また考えることにした。







✾当たり前がわからない


 当たり前や普通がわからなくて、
 いつも上手く立ち振る舞うことができない。

 我慢も、とっさのやり取りも、
 思わず口にした失言も、
 すべてなくなってしまえばいいのに。

 いつもそう思うから、
 今日くらい、ずる休みをして、
 明日からまたへこまず、
 頑張れるように今はひとりになることにした。




✾夜に鬱が現れ始めたから

 
 いつも、夜更けに決まって、
 勝手に出てくる悪い妄想は頭の中で広がり、
 つらい黒さでおかしくなりそうだけど、
 とりあえず、今は、
 帰りにファミマで買った
 コーヒーゼリーの苦みと甘さをしっかり味わおう。




✾別に頑張りたくなんてない


 いつも頑張りたくなんてないのに、
 まわりのことを気にしすぎて、
 頑張りすぎる癖を
 自分でもどうにかしたいって思っているよ。

 だけど、頼まれたり、勝手に期待されたりするのは、
 どうやって断ればいいのか、わからないんだ。

 だから、今日の夜みたいに
 頑張りたくない日は、
 エキナカで買った期間限定の
 桜色のシュークリームとか買って、
 甘さで自分を満たすことにしている。





✾たまに弱い刺激のなかに沈みたい


 電球色で落ち着いた色をしている夜のスタバで、
 一息つきながら、さっき本屋で買った文庫本を読み始めている。

 抹茶ティーラテで甘さを補充して、
 たまにひとりになりたい時間を今、充足している。

 世界って思ったほど、悪くないんだと思うけど、
 人間関係の刺激が強すぎて、
 たまに疲れちゃうんだ。




✾千切りたい思いをページに詰めた


 大嫌いでぐちゃぐちゃな気持ちを、
 手帳にぎっちり書き終わり、
 一息ついてコーヒーを手に取った。
 灰色の街は傷ついた自分自身みたいだ。

 気持ちは晴れない、苦みは身体中に染み渡る。
 食べかけのシナモンロールは、
 ご褒美のはずだったのに、機嫌はなおらないや。

 ひとりきりで気楽に過ごしたいって、
 現実逃避に憧れるけど、
 現実は許してくれなさそうだ。

 少しだけ冷たくなった手に
 そっと息を吹きかけ湿られて、
 カーテンを開け放つように
 次のページを自分で褒めよう。

 そんなことを考えていたら、
 窓越しの世界は雨が降り始めていた。






✾それでも一瞬を楽しみたい


 雨の中、ライトアップされている
 桜は濡れていても綺麗で、
 さしているビニール傘の上に落ちた花びらが
 ワンポイントになって、
 ちょっとだけ奇跡な気持ちになった。

 濡れて落ちていくピンクで、
 黒くなったアスファルトは染められ、
 それを踏むのが少しだけ、嫌だな。

 寒いけど、仕事帰りに寄ってよかったなって、
 ふと思いながら、
 今の面倒なことをすべて捨てたいなって、
 すっと、ため息をひとつ吐いた。





✾見ている世界はきっと良くなる


 指先でそっと曇ったガラスをなぞり、
 これから遠くへ行くバスから、
 雨で濡れた街のファンタジーを眺める。

 嫌な思い出をたくさん作った街は、
 これで見納めなんだって思うと、
 少しだけ傷が癒えたような気がした。

 春は桃色のはずなのに色褪せるくらい
 雨は降り続けている。

 iPhoneを眺めてもきっと、
 いい情報は見つけられない気がするから、
 このまま、見慣れた街を
 なんとなく目に焼き付けて、
 これから始まる遠くの街での暮らしが、
 上手く行けばいいなって、
 ぼんやりした憂鬱をボトルコーヒーを飲んで、
 希望を浄化した。




✾嫌な傷をしっかり癒やしたい


 フラスコ水に水色を足すように
 一滴ずつ、思い出をそっと混ぜていく。
 それを水瓶に移して、
 大好きなロックの周波数をあてて、
 踊る楽しさに増幅させたい。

 アパートの窓越しの世界は、
 今日も雨が降っていて、
 冷たい春は暖まる気配はない。

 フラッシュバックする嫌なことは、
 コーヒーをのむことくらいじゃ、
 消えなさそうだから、
 大好きな曲をiPhoneで流して、
 大嫌いな過去をしっかりと忘れる努力をしよう。





✦しっかりと、熱を感じたい


 しっかりと、熱を感じたい。
 裸足で砂浜を感じ、
 海風と一緒に今持っている、
 すべての憂鬱の毒を足からゆっくり抜きたい。





✦意味不明なまま


 適切かどうかなんて、わからないよ。
 ただ、毎日は思った通りに進まないから、
 ただ、ノートの上で、
 よくわからないけど、いいことが起きる。と、
 確信した自分が意味不明なまま、
 シャープペンで何度も書いた。





✦ピンチな気持ちを楽しくしたいんだよ


 ピンチになった瞬間から、
 チャンスが来たと思い込むようにしているんだ。
 だって、そう思わないと楽しくないじゃん。





✦大人を目指そうとしているけど

 
 大人に手を伸ばしたくて、飲み始めたコーヒーも、
 いつの間に慣れてしまった私は、
 もう、戻れないところまで大人になったんだって、
 LEDのスタンドライトの下で、勉強しながら、ふとそう思った。





✦ぼやけたレンズの所為でたまに肝心なこと忘れてしまうよね。



 いつか美しいものも朽ちていくけど、
 星の欠片を集めた瓶は、
 きっと、輝き続けるんだろうね。

 なにかに虚しくなったら、思い出してほしい。
 君が愛されてここまで生きてきたことを。
 
 ただ、ひとつの願いは
 君の笑顔がきらめくことだよ。






✦未来が不安なのは、今がふわふわしてるから


 遠い未来を考えすぎると
 ブルーな気持ちになっちゃうね。

 もう、大丈夫とか、
 無責任な言葉は、
 もう、聞き飽きてしまった。

 花びらが散るように
 じっと待っていられない性分なの。

 さあ、誰か救い出して、面倒な自分を。






✦いつも、あの時を取り戻すことができたら、
 どれだけ今の自分と違うんだろうって、考えすぎるときがあるんだ


 もし、過ぎ去った日々を取り戻すことができるなら、
 素敵なことだね。

 忘れたいことだらけの過去を
 今日もコーヒーを飲み、一緒に胃の中に流し込むよ。
 一瞬、闇が胸に広がるから。

 諦めることを重ねるのが、
 大人になることだって、
 誰かが言っていたのを思い出した。

 諦めが悪いから、
 夢や希望に今日もすがる。





✦雑音は胸に響く。だから、息を思いっきり吸い込む



 つまらないことを、ぐっと力を入れて忘れよう。

 カレンダーが進めば、
 時の流れは残酷だけど、
 胸の痛みは何故か和らぐよ。

 ぼんやりできない日々は続く。
 だから、息を思いっきり吸い込む。
 
 プレッツェルの輪を作るように
 丁寧に優しく、自分を労れたらいいのに。






✦もう二度と変えることが出来ないことは、素直に受け入れると楽になるのはなぜだろう



 無数の雨粒がガラスに当たる。

 引っ込み思案だから、いつも雨になると、
 幼い頃に怯えたことを思い出す。

 クッキーが焼き上がるように
 大人になったら治ると思っていた。

 だけど、内気だけが残った。

 今は別にそれでいいと思っている。
 だって、こうして
 雨粒を見る余裕があるんだから。





✦つい、うつつを抜かしてしまうと、無限に楽しいことが湧いてきてフワフワしちゃう


 壮大なことをつい、
 考えてしまう癖は昔から出
 ハリボーをぎゅっと噛むときくらい、
 爽やかな甘さに浸っている。

 本当に素敵なことは
 誰かに与えられるものではなく、
 自分でてにしなくちゃいけないことはわかっている。

 誰かのためになりたいけど、
 自分の可能性も信じたい。





✦いつも虚しいのは、日常に追われすぎて何かを忘れているからだ



 心の隙間を埋めるには、楽しいことを満たせばいい。
 
 そんなことはわかっている。
 キラキラなことをジュエリーボックスに納めて、
 うっとり眺める時間を作ろう。

 過去は成長痛のように酸っぱく胸が痛むけど、
 いつか微笑むことが、
 できる日が来ることを信じている。





✦毎日、こなすのは簡単なことじゃないから、自分を守って


 憂鬱な日々を星のかけらと一緒にミキサーにかけて、
 爽やかなスムージーを作ろう。

 そうすれば、鉄くずのように錆びた毎日も
 少しはマシになりそう。

 ミルクと砂糖で甘口にしてしまおう。
 社会のつらさは香料にしよう。

 作り笑い、褒められても動じるな。
 会釈で自分を淡々と作り上げろ。






✦朝が来るたび、心躍ることを求めてしまう


 過去に囚われて、ぐるぐる回る頭の中。
 もう何度も嫌を繰り返した。
 
 ゼンマイをキリキリと、
 巻くように自分を蘇生して。
 優しさが痣あざになり、青い朝が来る。

 弱さはコーヒーに溶けて、
 クリープの渦を作る。
 もうやめにしようと決意した。





✦自分を大切にする方法を、たまに忘れるから、穏やかに真ん中に戻す


 昼下がりの木陰の下は、
 少しだけ涼しくて、座っているだけで頭が空になる。

 眼の前に広がる草原は、
 時折、吹く風で線が描かれている。

 流れが早い雲の上に乗ったら、
 きっと簡単に都会まで行けるんだろうね。

 別に翼なんてもってないけど、
 社会で上手くやることなら持っている。

 だけど、もういいよ。
 そんなのは。





✦夜明けは紫で、街にある大好きなことはまだ眠っている


 泣きたいけど、泣けない日々が最近、続いている。

 自分のことが惨めになったら、
 「明け方の空を見ればいい」と自分に言い聞かせている。

 宛名のない手紙を書いては捨ててを繰り返す。

 未完成のパズルを漠然と眺めているような不器用さが嫌。
 理由を求めすぎてると絶望するから、
 レモネードでも飲んですっきりしよう。

 もうすぐ来る、絶望的な暑さに耐えられなくなるから。





✦退屈な日々が始まる前に、カフェで気持ちを切り、ため息を今日も防ぐ


 頭の中はクリアにならない。
 そんな日々が続いている。
 
 アイスコーヒーが入ったグラスの水滴を指でそっとなぞる。

 生きているリアルが起きるたびにインストールされて、
 こうして同じような朝を作る。

 読みかけの文庫は半端で、意識は空想に飛ぶ。

 今日も始まる退屈な日々を思い出し、
 濡れたグラスを持ち、ストローを咥くわえた。






▲雨に打たれても


雨に打たれ、
ずぶ濡れでも平気なのは、無心のおかげ。
私はあなたに嘘をついて、
自由を取り戻したように感じた。
自由とは究極の独りぼっち。

商店街のスピーカーから「人にやさしく」が流れている。
私は人の心に寄り添うことを決意した。

あなたにも頑張れ!ってか。






▲そう思うときもあるけど



頭痛がひどくて、保健室のベッドに駆け込んで死にたくなった。
バファリン飲んだけど、全然気分すぐれないし。
学校なんて何のために来ているのかわからないから、今日も早退しよう。

なんでこんなに毎日がつらいのかわからないし、解放されたいしで頭にバグ。

あーあ、世界が終わればいいのに。





▲惰性になれたら

惰性になれたらいいなっていつも思う。
高校生のときにブコウスキーにドハマりして、そこから人生おかしくなった。
夜遊びを覚えて、毎日夜にさまようようになって、
気が付いたら、夜しか生きることができなくなった。

だから、惰性で人生歩むことができなくなった。
とりあえず、ラーク吸うわ。




▲地球は青かった



「地球は青かった」

ガガーリンのように決め台詞を言いたい
なんで感動している最中にあんな言葉が出てくるのだろう

宇宙の冷たさで冷えっ冷えっのコーヒーを飲みながら言うならわかるけれど、
宇宙船の計器を常に確認しながら、孤独の中で言うのだから、尊敬しますわ

地球?青いよ



▲霧雨がじっとりと不快


霧雨がじっとりと不快。
街にガスがかかり、車のヘッドライトが霞んでいる。
自分は優しい人間でありたいと思っていたけど、
時間が経つとともに都会の汚さに染まって薄情で平らになった。

君の言った意味がわかったから、
人間らしくなるために仕事を辞めて、山奥に行くことに決めた。






▲辞めることにした



雑然とするデスクの海で、手を動かす。
ぎこちなくため息ついて、缶コーヒーを飲む。

子供の頃、無限だった集中力が、大人になり、無くなった。

脳みそは肉体であって、フラッシュメモリーじゃない。
情報過多で、時間に追われ、タスクに溺れ。
情報から離れたくなり、会社を辞めることにした。





▲自分が何者でもないと無力を知ったとき



自分が何者でもないと無力を知ったとき、
世界が三回くらいひっくり返った気がした。

都合のいい、一瞬が重なり、今になり、未来になり、
そして自我になり、自分を苦しめる。

怖くて、一瞬をためらうから、
自我が終わる音がする。

人を大切にすることって大変だ。





▲たまに、人間関係で酸素不足になる



たまに、人間関係で酸素不足になる。

海の中に放り込まれて、屈折する日差しが遠くなり、深海に意識が持っていかれる。
深い青さが人と人との繋がりだとしたら、
容赦なく押し寄せる、人の評価、批判が自分をギュッと圧する。

肺と心は潰れ、酸素交換が出来ない私は、
海の底で人間失格を読んだ。



▲初夏と消毒の匂い



外来で点滴を打たれ、硬いベッドで寝転んでいる。
開けた窓から、強い風が入り、白いカーテンが大きくなびく。
初夏と消毒の匂いがまじり、病室に清潔感が増した。

誰もいない病室で、ぼんやりしているだけだった。
輸液バッグが殻になり、身体の重さが和らぎ、薬の偉大さに驚いた。





▲宇宙の儚さについて



宇宙の儚さについての夢を見た朝、気持ち悪い。

恋とか、愛とかではなく、存在を認める一言を誰かが言ってくれたらそれで十分。
しわくちゃになったシャツに軽くアイロンをするように一言、言ってくれたら、穏やかになる。

だけど、他人任せだから、一向に人生が始まらない。
義務感が妙に湧いた。




▲先のことなんて、考えられないけど



自分で作り出した日常に追われ、余裕がないときに隙ができる。

淹れたてだったコーヒーも、温くなるくらい、時間が経ち、
一服するつもりが、結局、胃に流し込むだけになった。

先のことなんて、考えられないけど、
今をそつなくこなして、毎日、一年と過ぎればいいや。





▲バッティングセンターで虚しさを打つ



終わる虚しさと始める新鮮さ。

夜のバッティングセンター。
ナイター聞きながら、ベンチで休憩してたら、
助っ人が逆転満塁ホームラン打った。
歓喜の様子が虚しく流れる。

誰かが力んだ打音が鈍く響く。
悩みを終わらせたくて、
無心になりたくて、
バットを振ったけど、
不甲斐なさで虚しいや。




▲手が付かなくなったから


ひとつの失敗に囚われ、手が付かなくなったから、
仕方なく蒸し暑い夜道を散歩している。

頭を空っぽにすることが難しくなったのは、人のことを気にするようになってからだ。

自販機の光が黒い路地に浮いている。
暑すぎるから、缶コーラ買って、保冷剤代わりに首に当て、ため息をついた。





☆表面張力が今、揺れている。


 目覚めてすぐに涙が溢れたことに
 自分でも驚いてしまった。

 だから、今日はすべてを休むことにした。

 とりあえず、
 コーヒーを淹れて、
 ぼんやりNetflixを見ることにした。

 涙の理由に心当たりはあるけど、
 今はすべてが嫌で探したくない。





☆答えはわからない。


 答えなんて見つかりやしないのに、
 いつも社会は答えを求めようとする。

 だから、その答えをすっと言えるように、
 しっかりと予習するけど、
 たまにその努力に疲れてしまうことがあるんだ。

 本当は窓越しに広がる青空や
 風に乗る雲をぼんやりと眺めていたい。

 だから、
 昨日、君に「無理しないで」って言ってくれたこと、
 現実はなにも変わらないけど、
 なぜかすごく嬉しかった。






☆憂鬱な君を溶かしたい。


 憂鬱そうな表情の君とレモネードを飲む午後は、
 甘酸っぱさで満ちていて、
 僕は胸が締め付けられる気持ちになるよ。
 だけど、君はまだそんな表情をしたままだから、
 君と一緒に時間を溶かして、
 氷みたいに冷たくなった悩みを僕が溶かしてあげる。





☆休日は昔から好きなことをして、現実逃避する。


 夢でたくさん詰まった景色は一瞬で崩壊した。
 現実は上手くいかないのは当たり前だけど、
 受け入れられない自分がいるのが嫌だ。

 やりたいことをやって生きていきたいから、
 とりあえず、来週に向けて、
 気を紛らすためにクッキーの生地をこねる。





☆キャラメルを握りつぶす。


 自分を大切にしなかった日々は不毛だった。
 頑張ったって、世界は変わらないと絶望癖になっていた。
 だけど、頑張ったんだ。

 その間に夏は過ぎ去り、秋の涼しい風に包まれた。
 黄色で鮮やかなイチョウ並木の下で、
 ふと、無力な自分がに嫌になった。

 だから、開き直るきっかけに、
 ポケットに入っていたキャラメルを取り出し、
 右手でそっと握り潰した。





☆張った糸を切りたい。

 
 追い詰められて、張り詰めた気持ちは、
 目隠ししてアイスクリームを食べているときみたいだね。
 現実、そんなに笑っていられないのはわかっているけど、
 こんなどうしようもないことを考えないとやってられないや。





☆忘れてしまったよ、自分のことを。


 他人に合わせるようになったのは、
 もう、小さい時からの癖で、
 それを続けた今、
 自分の存在が消えてしまいそうなことに気がついた。

 人にあわせて、
 好きなことをずっと選ばなかったから、
 これからは自由に生きてみたい。

 涙で濡れたパフェを食べながら、
 そう心の中で誓った。





☆もし、今、君が壁の前に立っていたら


 すべてのことは上手くいくに決まっている。
 君のために困難は用意されているし、
 コンクリート製の灰色の壁は
 容易に超えることができるはずだよ。

 もし、その壁が高すぎたら、
 壁に個性を爆発させたハートをスプレーで描いて、
 君の力でフォトスポットにしてしまおう。





☆もし、時間の前に心が破綻しそうになったら。


 人間関係なんて、どうせ一時的なものに過ぎないよ。

 だから、言われたことも、
 傷をつけられたことも、
 すべて、忘れてしまおうって、
 言うだけなのは簡単なのはわかっているよ。

 時計の針に未来を預けても解決しそうもなければ、
 計画的に逃げてしまおう。

 空を飛ぶように泳ぐペンギンのように、
 海の中で羽を広げよう。

 君の時間は他人のものじゃない。
 君だけのものだ。





☆今は頭の中のごちゃごちゃした悩みを忘れよう。


 もっと、自分はできるはずだと思うけど、
 もう、これ以上、
 頑張ることができないくらい疲れてしまったよ。

 夏の微温い雨の中、
 傘をささないで立つ勇気なんてないから、
 ただ、今日もティラミスを食べに行くためだけに
 雨に濡れた商店街を歩いている。

 駅ビルの中にあるカフェに着いたら、
 雨の街を眺めながら、
 苦味を楽しんで一旦何も考えないようにしよう。




 ☆君だって頑張ってるんだ。


 社会にでるようになってから、
 慣れないことばかりで、
 ここ最近、
 いつも夜になると泣いてしまっている。

 誰かに頼りたいし、甘えたい。
 だから、頼れる君に「頑張ってるね」って、
 先に私が言われたいメッセージを送って、
 今の気持ちを共感してもらおう。




 ☆忙しいのに情報は溢れすぎている。


 QOLを維持するために、
 テラス席でランチにBLTバーガーを食べている。

 ただ、それだけじゃ栄養は足りないのはわかっている。
 じゃあ、プロテインやビタミン剤を大量に飲めばいいのかな。

 いいことだらけの情報で目がまわるから、
 今、しっかりと夏になったばかりの心地よい風を感じながら、
 レタスの水々しさをしっかりと味わおう。




 ☆どうしても一人になりたかった。


 自分を守るためにつき慣れた嘘を言って、
 今日もなんとかひとりの時間を作った。

 遠くの街のカフェまで行き、
 ようやく嘘をついた罪悪感から一息ついた。

 友達と居ると楽しいこともあるけど、
 疲れることのほうが多い。

 理由はわかってるんだ。
 自分が他人に気遣いすぎだってことも。

 だから、今は気にせずひとりで、
 クリームブリュレの表面を
 スプーンでそっとつついた。





 ☆歩き続けるには甘さが必要。


 イオンまで来たのに、
 ひとりでいるとぐるぐると日々のことが頭の中で回る。

 嫌われたくないから、
 必死でアンバランスな人間関係を
 頑張ってバランスを取っている。

 この頑張りなんて誰にも評価されないのかもしれない。
 自分を守るために仕方なくやってるにすぎない。




 ☆ネガティブが回る。


 真夜中に湧き上がったネガティブが我慢できなかったから、
 冷蔵庫からコーヒー牛乳を取り出して、
 それをグラスに入れて、一気に飲み干した。

 自分に足りたいことはたくさんある。
 だけど、あんなにその未熟さを責めなくてもいいのに。

 もし、これから先もずっと歩き続けると、
 きっと、血糖値が下がりすぎるから、
 今後どうするかを考えながら、
 とりあえず、
 フードコートのサーティーワンで、
 ラブポーションをひとつ注文した。




 ☆甘えられるうちに自分を甘やかそう。


 甘さを濃縮する方法はたくさんあるけど、
 自分を簡単に甘やかす魔法なんてないよ。




 ☆昔から一人でなんでもするのが得意だった。


 出会った人に比例して、
 相手にあわせることが増えていった。

 だから、別れを選んだり、
 距離を取るようになった人も増えていった。

 ただ、新しい人との出会いの中で、
 確かに自分は頑張っているけど、
 人に少しずつ、
 心を開いて、
 頑張りすぎて重荷になっていたことが、
 任せられるようになったよ。




☆日常は惰性で進む。


 いつもの川沿いを今日も自転車で通り過ぎていく。
 道沿いの並木は色づきが進んでいる。
 冷えた空気で鼻先は冷たいし、
 吐き出す息は白く、
 黄色の朝日に溶けていく。

 たまにこのままでいいのかって、
 自分に憂鬱で心に膜が纏わりつく。

 だけど、休むのは許されないから、
 惰性で気持ちを抑え、耐え抜くんだ。

 空飛ぶザトウクジラに手を振るように、
 軽くなる経験を今日も待っている。