安心して欲しい。
ここに味方がいることを、分かって欲しい。

そう思って抱きしめていたライリーちゃんは、いつの間にか消えていた。

「え?」

私がその事実を知った直後、そのショッピングモールの4階に大きな爆風が巻き上がり、そして、私のいた通路のその先にあった、ショッピンモールの壁に穴が空いていた。

「やあ、死刑執行人(エグゼキューショナーズ)くん!怪人が出たって言われてここにきたけど…怪人ってのはあの少女を装っていたので良かったのかな?」

「え?しゃ、シャイニー…?」
アズりんが後ろでボヤく。
私は信じられないものを見たかのような目をしているのか、「おいおい?大丈夫か?」とシャイニーは一言。
そして、その言葉に続けて
「まさか、洗脳されたりとかしてないよな?抱き合ってた見たいだけど、大丈夫かい?まあ、今すぐ倒してくるから、まあ、そこで待っててな!」
そう言うと、シャイニーはマントの下に隠れたパワードスーツから手錠のようなものを出し、私を床に貼り付けると、壁に空いた穴の方へ、銃の弾丸(たま)のようなスピードで飛び去っていった。

一瞬の出来事で理解ができなかったが、要するに、シャイニーはライリーちゃんを私から引き剥がし、あの壁の向こう側に吹っ飛ばしたと言うこと。
そして、私を拘束し、ライリーちゃんを殺そうとしているのだ。

「ら、ライリーちゃんが危ない!!!!!!」

不意に出た言葉。

私は地面に刺さった拘束具を抜こうと、するが、私の力ではどうにもできない。

「奏音ちゃん!!!!」
すると、アズりんが私の拘束具を床から抜こうと、両手で掴む。

「ま、待って!!!私よりもアズりんは…ライリーちゃんとシャイニーを!!!!」

「んんん〜〜〜〜!!!!!!!はぁはぁはぁ…」
アズりんが汗を流して、私の拘束具を抜こうとするが、もはや、びくともしない拘束具を抜くことは容易ではなさそうだ。

ならば、アズりんを先に向かわせなきゃ、ライリーちゃんが…

「アズりん!!!!!!」

アズりんは私の拘束具を解くのを諦めたのか、「分かった!!!」と言い残すと、階段の方へと向かった。

「お願い…どうにか間に合って!!!!!」



ライリー レベル22
明るく元気な女の子だが、怪物などと言われると心に傷を負う。
RIの前ではわがままな性格なのだが、他人の前では少し臆病。
人間と怪人のハーフで、見た目は人間だが、体の構造などは、怪人に寄っている為、怪力だったり俊敏な動きができたりする。

基本的な装備はナイフだけ。
ナイフの技はユミーから直々に教わったもの。
ナイフにはRIの刻印が施されている。