プルルルルルルル
変身解除後の服の中、震える携帯を手に取った。

「あー…もしもし?」

『やあ、久しいじゃん!』

「シャイニー…今日はどうした?一応今日は休日だと思うんだけど…」

『それがよぉ〜今さ、世界中で怪人が多発してるんだ。』

「は?フランスはなんとも…」

バアアアアアアアン!!!!!!!!

次の瞬間、パリの白い石で作られた家々の街並みに相応しくない大きく黒い獣の怪獣が現れる。

「あー…出たわ…」

俺は、ベルトにスイッチを差し込み、また変身。
そして、バイクに乗り込むと、パリの朝を駆ける。

「それで?原因は今分析班が分析しているのか?」

バイクのハンドル部分に取り付けた携帯からシャイニーの声。

『それがな…秩序保安委員会にこんなのが届いたんだ。』

「え?」

次の瞬間、携帯の画面がパッと代わり、赤い文字にRIと刻まれた画面が映される。

シャイニー…勝手にハッキングしやがって…

『やあ、秩序保安委員会の皆さん。こんにちわ。今、世界中は同時に怪獣が現れることでとても混乱していることでしょう。なぜそれが分かってるかって?それは、元凶が、僕たちRIによって行われた物だからです。僕たちは怪人や、生きにくい能力者。そして、アルメルク放射線感染者の人たちのために動く集団で、こういった障害を持つ人たちに対して、障害なく生活してほしいと思っているんです!!!なので、怪人たちに関しては、まず第一は捕獲、という形をとってもらいたいのです!!!1が殺すではなく、捕獲。そうして怪人と人間の友好関係を築きたいのです!!!僕たちには悲しき過去を背負った人物がいます。その人達のために、僕は訴えています。僕たち、RIはその事を飲み込んでくれないのであれば…秩序保安委員会を潰します。それでは…って、ライリー!?お前何してんだっ…』

音声はここで切れる…

なんか、最後よくわからんのが入ってたな…?

『というわけだ。まあ、一種のテロ組織というわけだな。今の現状として、このRIによって放たれた怪獣、ブラックモンスターによる世界全体の死傷者は1万を超えている。レベル20がこうもぽんぽんと出てしまったらインフレが起こってしまいそうで怖いな〜』

「お前…そんなこと言って大丈夫なのか?ていうか、委員会側の意見は?」

『NOだってさ。』

「まあ、だろうな。じゃあ、そのRIとかいう組織、潰すか。日本語で語りかけてたよな?」

『ああ。多分RIの本拠地は日本だ。終わったら来てくれないか?』

「はいよ。」

俺はバイクをその場に置くと、目の前に聳え立つエッフェル塔の半分くらいの高さの怪獣を見上げる。

怪獣もこちらの方を覗くように視線が合った。

「よぉ。そんじゃ、行くとするか!!」

「ガアアアアアアア!!!!!!」

俺は拳に火を纏い、怪獣の足元を、一瞬で数発叩く。
そして、後ろ蹴りを入れると、怪獣は、くすぐったかったのか、小蝿を払うように俺を右足で投げ飛ばす。

まあ、そうだろうな。

投げ飛ばされた俺は、空中で体制を整えて、着地。
まあ、ヒットポイントは50を超えているだろう。

「トドメだ。」

腰から青いボタンを取り出し、数回プッシュ。
そして、腰のベルトの機械部分に差し込むと、右足に火が宿る。

3歩走り、一気に真上へとジャンプ。

ピサの斜塔の頂上ぐらいの高さまで一気にジャンプすると、背中や右足に付いているジェットが一気に噴出し、怪人の頭を狙って突撃。

ミサイルの如く、早さで閃光となって、重い一撃を怪獣に浴びさせる。
少し殴られた程度に感じていた怪獣は少しだけ怯むと、体制を立て直す。

そして「グアアアアアアア!!!!!」と周りの家を奮わさせる程度の雄叫び。

俺はそれを背後に、「まだ続けるのか?」と質問する。
言葉が通じたのかは不明だが、もう一度、「グアアアアアアア!!!!!」と声を挙げる怪獣。

そして、馬鹿な奴だなと言葉を漏らした俺は、小声でこう言う。
「もう終わりだ。」

次の瞬間、ヒットポイントがとうに100を超えていつ怪獣の皮膚が、足元から徐々に爆発していき、怪獣は小石程度の肉片達へと化した。

「これは洒落にならんからな。エンタメじゃねぇ。」

バイクに乗った俺は、バイクを飛行モードへと変化させると、日本へと飛ばす。
変身は解除しない。