「メルナセリア、今をもってお前との婚約を破棄するっ!!」
その声がパーティー会場に響き渡る。
「承知いたしました。ラクリウス様、婚約を破棄して頂きありがとうございます」
私は喜んでいた。そう私は女癖の悪い公爵であるラクリウス・カゼムに愛想を尽かしていたからである。
ここまでくるのには色々と苦労があった。どんなことをしてもラクリウスは婚約を解消してくれず色々な方法を使って怒らせてきたのだ。
そして今日……その努力が実った。
だけど婚約破棄と同時に私は家に帰れず平民となる。でも、それでもいいと思った。
だって誰にも束縛されずに自由気ままに暮らせるのですもの。
私はそう思いながらラクリウスに別れを告げると荷物を纏めるため自室に戻った。
勿論、ニコニコしながらである。
★♡★♡★
ここは私の部屋だ。だけど今日ここを出ていく。
まぁ未練なんか全然ないのだけれど……ここに数ヶ月も居たせいか、なんか愛着がわいちゃって出ていき難いのよね。
「あーそうだわ。ラクリウスからもらったブローチ……いらないわね」
私はブローチをテーブルの上に置いた。
「これで心置きなく自由気ままに庶民ライフを送れるわぁ」
そう言いながら荷物を纏める。
「こんなもんかなぁ。大きな荷物は異空間の収納ケースに仕舞ったし……あと何もないわよね?」
私は周囲を見渡してみた。
うん、大丈夫そう。いよいよか……今までとは違う生活、不安がない訳じゃない。でも、ワクワクの方が強いんだよね。
そうだなぁ……町に住み始めたら仕事を探そう。どんな仕事があるんだろうなぁ。
そう思い私は窓の外をみる。
そういえば冒険者ギルドと商業ギルドってあるんだった。
確か冒険者ギルドって結構ガラが悪い人たちが多いって聞くから……間違えないようにしないとね。
そう考えながら私は荷物を持った。
すると扉が、いきなり開き私は驚き荷物を落とす。
「メルナセリア、本当にこれでよかったのですか?」
そう言いながら心配な表情でブロンドで長い髪の女性が歩み寄ってくる。
この女性はフユナリア・カゼム、ラクリウスの姉だ。
「フユナリア様、私は後悔していません。それに好きと思えなくなった今では、ラクリウスを愛することなどできませんので」
「そうなのね……残念だわ。貴女のように、しっかりした人がラクリウスには必要だと思っていたのですけど」
「最初は私もラクリウスを真面な人にしようと試みました。ですが……聞く耳を持たない」
そう言い私は、ハァーっと溜息をついた。
「ごめんなさいね。貴女に苦労をかけてしまって……」
「いえ、フユナリア様……謝らないでください。悪いのはラクリウスなのだから……」
「そうでも……私がもっとちゃんとしていれば、こんなことにならなかったかもしれない」
フユナリア様の表情は、かなりつらそうだ。
「そんなことはありませんわ。フユナリア様も、なんとかしようと頑張っていましたもの」
「どうなのでしょう……それならいいのですが。それはそうと、これからどうするのですか?」
「はい、町に向かい宿屋に泊まります。その後、住む場所をみつけたら仕事を探そうかと」
それを聞きフユナリア様は私を心配そうにみる。
「女性一人で大丈夫ですか? もし護衛が必要であれば誰か雇いますが」
「フユナリア様、そこまで心配して頂きありがとうございます。ですが……一人でやってみたいので」
「そうなのね。ですが無理だと思ったら、いつでも言ってください」
そう言われ私は、コクッと頷いた。
「本当に心遣い……ありがとうございます。その時は、お願いしたいと思いますわ」
そう言い私は軽く頭を下げる。
私はフユナリア様と少し話をしたあと別れを告げ部屋を出た。
その後、屋敷を出るとフェルミゴの城下町の宿屋に向かい歩き出す。
因みに屋敷はフェルミゴ城の東側にある貴族の屋敷街にある。
歩きながら私は色々な事を考えた。
名前……どうしよう? まぁ姓を変えるだけでいいよね。どうせ家には戻れないんだし……。
そして、ここから私の新たな生活が始まるのだ。
その声がパーティー会場に響き渡る。
「承知いたしました。ラクリウス様、婚約を破棄して頂きありがとうございます」
私は喜んでいた。そう私は女癖の悪い公爵であるラクリウス・カゼムに愛想を尽かしていたからである。
ここまでくるのには色々と苦労があった。どんなことをしてもラクリウスは婚約を解消してくれず色々な方法を使って怒らせてきたのだ。
そして今日……その努力が実った。
だけど婚約破棄と同時に私は家に帰れず平民となる。でも、それでもいいと思った。
だって誰にも束縛されずに自由気ままに暮らせるのですもの。
私はそう思いながらラクリウスに別れを告げると荷物を纏めるため自室に戻った。
勿論、ニコニコしながらである。
★♡★♡★
ここは私の部屋だ。だけど今日ここを出ていく。
まぁ未練なんか全然ないのだけれど……ここに数ヶ月も居たせいか、なんか愛着がわいちゃって出ていき難いのよね。
「あーそうだわ。ラクリウスからもらったブローチ……いらないわね」
私はブローチをテーブルの上に置いた。
「これで心置きなく自由気ままに庶民ライフを送れるわぁ」
そう言いながら荷物を纏める。
「こんなもんかなぁ。大きな荷物は異空間の収納ケースに仕舞ったし……あと何もないわよね?」
私は周囲を見渡してみた。
うん、大丈夫そう。いよいよか……今までとは違う生活、不安がない訳じゃない。でも、ワクワクの方が強いんだよね。
そうだなぁ……町に住み始めたら仕事を探そう。どんな仕事があるんだろうなぁ。
そう思い私は窓の外をみる。
そういえば冒険者ギルドと商業ギルドってあるんだった。
確か冒険者ギルドって結構ガラが悪い人たちが多いって聞くから……間違えないようにしないとね。
そう考えながら私は荷物を持った。
すると扉が、いきなり開き私は驚き荷物を落とす。
「メルナセリア、本当にこれでよかったのですか?」
そう言いながら心配な表情でブロンドで長い髪の女性が歩み寄ってくる。
この女性はフユナリア・カゼム、ラクリウスの姉だ。
「フユナリア様、私は後悔していません。それに好きと思えなくなった今では、ラクリウスを愛することなどできませんので」
「そうなのね……残念だわ。貴女のように、しっかりした人がラクリウスには必要だと思っていたのですけど」
「最初は私もラクリウスを真面な人にしようと試みました。ですが……聞く耳を持たない」
そう言い私は、ハァーっと溜息をついた。
「ごめんなさいね。貴女に苦労をかけてしまって……」
「いえ、フユナリア様……謝らないでください。悪いのはラクリウスなのだから……」
「そうでも……私がもっとちゃんとしていれば、こんなことにならなかったかもしれない」
フユナリア様の表情は、かなりつらそうだ。
「そんなことはありませんわ。フユナリア様も、なんとかしようと頑張っていましたもの」
「どうなのでしょう……それならいいのですが。それはそうと、これからどうするのですか?」
「はい、町に向かい宿屋に泊まります。その後、住む場所をみつけたら仕事を探そうかと」
それを聞きフユナリア様は私を心配そうにみる。
「女性一人で大丈夫ですか? もし護衛が必要であれば誰か雇いますが」
「フユナリア様、そこまで心配して頂きありがとうございます。ですが……一人でやってみたいので」
「そうなのね。ですが無理だと思ったら、いつでも言ってください」
そう言われ私は、コクッと頷いた。
「本当に心遣い……ありがとうございます。その時は、お願いしたいと思いますわ」
そう言い私は軽く頭を下げる。
私はフユナリア様と少し話をしたあと別れを告げ部屋を出た。
その後、屋敷を出るとフェルミゴの城下町の宿屋に向かい歩き出す。
因みに屋敷はフェルミゴ城の東側にある貴族の屋敷街にある。
歩きながら私は色々な事を考えた。
名前……どうしよう? まぁ姓を変えるだけでいいよね。どうせ家には戻れないんだし……。
そして、ここから私の新たな生活が始まるのだ。