「白石純恋です、よろしくお願いします。」
転校初日、沢山の人に話しかけられた。正直、凄く迷惑だ。どうせ仲良くなるのに、なんで一気に話しかけてくるのだろうか。
そんな捻くれた事を考えながら、一人一人質問を返していく。
「白石さんの声って、可愛いよね〜」
そうなんだろうか?私は、自分の声が嫌いだ。自分の意思を持っていなくて、個性が無い性格を表しているかのような声が。
「顔も可愛いし、めっちゃモテそう!!」
モテる…なんて、考えた事も無かった。
「告られた事は無いよ?」
恋なんて、私には縁遠い。どうせ高校も、皆の意見に流されたらあっという間に終わっていく。
「うっそだ〜!?」
「ほんとだよー!」
私って、告白されたのかな?自分には分からない。
「純恋ちゃんって、部活どこ入るか決めたー?」
今度は、他の子にそう聞かれた。
「どうしようかな、まだ決めてない…。ここって、何部があるの?」
暇潰しにはうってつけだろうから、部活は入っておきたい。どうせ勉強をしない私は、時間で溢れている。
「テニス、水泳、家庭科…色々あるよ!」
「うちの高校、部活の種類多いよねぇ…」
部活の種類が多いのは、選ぶのが面倒だ。まぁ、人が多くも少なくもない部活に入ろうかな。特に目立ちたくないから。
「部活の中にも人気とか不人気とかあるの?」
「あるよ!」
周りの子達は、まるで自分語りをする時みたいに楽しそうだ。この高校に愛着でもあるのだろうか。
「へぇ…」
適当に相槌を打っておきながら、次の質問をした。
「オススメしない部活は?理由も欲しい!」
我ながら、変な質問だと思う。でも、掘り出し物を見つける感覚で部活選びをする方が楽しいはずだ。
「うーん…バドミントンかな、とにかく練習がキツイ」
「なるほど」
練習がキツイ=部活回数が多い
よし、暇潰しになりそうだ。
「バドミントン、興味あるんだけどなぁ」
「運動とか得意なの?」
「得意ってほどでは無いけど、程々には出来るよ」
きっと世間一般から見た私は、運動が出来る方だと思う。でも、初対面でそんな事言われても困るはずだ。
「私、運動苦手だから羨ましい〜!」
「こればっかりは才能だもんねぇ…」
みんなが嘆いている中、私は教室の様子を伺った。
「あ、そう言えば…成瀬って人、知ってる?」
下駄箱近くでノートを拾ったのを忘れていた。朝の内に渡さないと、困る事があるかも知れない。
まぁ教室入る時に名札を見て、大体目星は付いてるんですけど。
「あの人だよ、どうかしたの?」
指さされた男子は、私が予想していた人と同じ人だった。
「下駄箱の近くでノート落ちてたから拾ったんだ」
そう言うと、みんなは驚いたような、羨ましいとも思っていそうな目を向けてきた。彼はクラスの人気者なのだろうか?
「渡してくるね」
1言そう言い、席を立って彼の元に足を運ぶ。彼の横顔は整っていて、「これはモテるな」と確信した。だから皆は羨ましそうにしていたのか…。
「えっと、成瀬さん…だよね?」
「なに?」
随分と淡白な返し方だ。クール男子として人気なのだろう。
「ノート、下駄箱近くで落ちてたから」
一応説明してから渡すと、彼は少し驚いたような顔をしてからノートを受け取った。
「このノート今日使うから助かった、ありがとう」
私はこのとき思った。「このタイプの人って、ありがとうとか言うんだ!?」と。クール系はお礼を言わないというのは、私の偏見なのかもしれない。
「たまたま見つけただけだから、お礼を言われるよえな事じゃないよ。これからよろしくね」
お礼を言われた時の、一番良い返し方…をしたつもりだったが、彼はそっぽを向いてしまった。
「こちらこそ」
反応を見るに、私を嫌ってはいないみたいだ。まぁ、好きでも無さそうだが…。どうだろうか、分からない。
転校初日、沢山の人に話しかけられた。正直、凄く迷惑だ。どうせ仲良くなるのに、なんで一気に話しかけてくるのだろうか。
そんな捻くれた事を考えながら、一人一人質問を返していく。
「白石さんの声って、可愛いよね〜」
そうなんだろうか?私は、自分の声が嫌いだ。自分の意思を持っていなくて、個性が無い性格を表しているかのような声が。
「顔も可愛いし、めっちゃモテそう!!」
モテる…なんて、考えた事も無かった。
「告られた事は無いよ?」
恋なんて、私には縁遠い。どうせ高校も、皆の意見に流されたらあっという間に終わっていく。
「うっそだ〜!?」
「ほんとだよー!」
私って、告白されたのかな?自分には分からない。
「純恋ちゃんって、部活どこ入るか決めたー?」
今度は、他の子にそう聞かれた。
「どうしようかな、まだ決めてない…。ここって、何部があるの?」
暇潰しにはうってつけだろうから、部活は入っておきたい。どうせ勉強をしない私は、時間で溢れている。
「テニス、水泳、家庭科…色々あるよ!」
「うちの高校、部活の種類多いよねぇ…」
部活の種類が多いのは、選ぶのが面倒だ。まぁ、人が多くも少なくもない部活に入ろうかな。特に目立ちたくないから。
「部活の中にも人気とか不人気とかあるの?」
「あるよ!」
周りの子達は、まるで自分語りをする時みたいに楽しそうだ。この高校に愛着でもあるのだろうか。
「へぇ…」
適当に相槌を打っておきながら、次の質問をした。
「オススメしない部活は?理由も欲しい!」
我ながら、変な質問だと思う。でも、掘り出し物を見つける感覚で部活選びをする方が楽しいはずだ。
「うーん…バドミントンかな、とにかく練習がキツイ」
「なるほど」
練習がキツイ=部活回数が多い
よし、暇潰しになりそうだ。
「バドミントン、興味あるんだけどなぁ」
「運動とか得意なの?」
「得意ってほどでは無いけど、程々には出来るよ」
きっと世間一般から見た私は、運動が出来る方だと思う。でも、初対面でそんな事言われても困るはずだ。
「私、運動苦手だから羨ましい〜!」
「こればっかりは才能だもんねぇ…」
みんなが嘆いている中、私は教室の様子を伺った。
「あ、そう言えば…成瀬って人、知ってる?」
下駄箱近くでノートを拾ったのを忘れていた。朝の内に渡さないと、困る事があるかも知れない。
まぁ教室入る時に名札を見て、大体目星は付いてるんですけど。
「あの人だよ、どうかしたの?」
指さされた男子は、私が予想していた人と同じ人だった。
「下駄箱の近くでノート落ちてたから拾ったんだ」
そう言うと、みんなは驚いたような、羨ましいとも思っていそうな目を向けてきた。彼はクラスの人気者なのだろうか?
「渡してくるね」
1言そう言い、席を立って彼の元に足を運ぶ。彼の横顔は整っていて、「これはモテるな」と確信した。だから皆は羨ましそうにしていたのか…。
「えっと、成瀬さん…だよね?」
「なに?」
随分と淡白な返し方だ。クール男子として人気なのだろう。
「ノート、下駄箱近くで落ちてたから」
一応説明してから渡すと、彼は少し驚いたような顔をしてからノートを受け取った。
「このノート今日使うから助かった、ありがとう」
私はこのとき思った。「このタイプの人って、ありがとうとか言うんだ!?」と。クール系はお礼を言わないというのは、私の偏見なのかもしれない。
「たまたま見つけただけだから、お礼を言われるよえな事じゃないよ。これからよろしくね」
お礼を言われた時の、一番良い返し方…をしたつもりだったが、彼はそっぽを向いてしまった。
「こちらこそ」
反応を見るに、私を嫌ってはいないみたいだ。まぁ、好きでも無さそうだが…。どうだろうか、分からない。