俺がカッコいいだって?
これはチャンスじゃねえか?
いけるんじゃねえ?
「サッカーはもうできないんだ。事故って足ケガしてさ。あ、でもあれだぞ、ぜんぜん落ち込んでないから。そりゃ最初は落ち込んだけど、もう立ち直った」
そうだ。
立ち直って恋愛でもしようと意気込んでたら男ばっかでまたちょっと落ち込んだ。
でも白川、お前と出会えた。
「ある意味、白川のおかげかな」
「え?」
白川と目が合った。
今じゃない?
「俺、白川のことが好きだ。毎日白川とおにぎり食べるの本当に楽しみにしてるし、感謝もしてる」
言ったぞ俺。
がんばったぞ俺。
「そんな、ありがとう。僕も好きだよ、黒田くんのこと。だから嬉しいなぁ」
ん?
わかってないなこいつ。
「本当に、白川のこと好きなんだ」
「うん! ありがとう黒田くん! あ、そうだ、じゃあさ、僕もお願いがあるんだけど」
なんだよその甘えたような上目遣いは。
何でも聞いてやるから言ってみろ。
「なに?」
「僕と、あの、僕と友だちになってください!」
「はぁ!?」
と、と、友だち?
「やっぱりダメだよね」
おい、そんながっかりすんなよ白川。
「いいに決まってんじゃん! ていうか、もう俺たち友だちだろ?」
「本当に!?」
ああ、そう、その笑顔だ。
「じゃあこれから毎日一緒に帰ろうぜ」
「いいの?」
「友だちだからな」
「うん! ありがとう黒田くん!」
あー。
なんか力が抜けちまったな。
でもまあいっか。
友だちというポジションを手に入れたんだ。
これでこの白川の笑顔もたくさん見れるだろう。
少しずつ、距離を縮めていくとするか。
まだまだがんばるぞ! 俺!