「被害者は、岡野美代さん、24歳。あの家に夫の岡野一(おかの はじめ)さんと一緒に暮らしていた。心臓をナイフで刺されて亡くなっている。鑑識によると、刃渡り20㎝ほどのナイフだと思われる、とのことだ。これからお前たちには、被害者の人間関係、トラブル関わっていなかったかなど、手分けして捜査してもらう。以上」
捜査会議が終わり、神崎は和本と共に犯行に使われた凶器を突き止めるべく現場付近で刃物を取り扱っている店に片っ端から当たっていった。
「ご遺族の方…えっと、夫の岡野一さんが、捜査員と一緒に現場を確認したところ、通帳や印鑑、それに現金などが盗まれていた、ということでしたよね。強盗の犯行なのか、強盗に見せかけた殺人なのか…」
「…まだはっきりとは分からないが、今回の犯行はかなり計画的と言われている。とにかく調べるぞ」
「はい」
その後、いくつかの店を回ったが、何も収穫はなかった。1店だけ、最近サバイバルナイフを買った客がいるという店が見つかり確認したが、刃渡りなどが一致せず、関連性はなさそうだった。