1度きりの夏の恋


家に帰って、考えた。そして何も思いかなくて空夜に電話した。
「空夜。空夜は女の子の下着見たらどうなる?」
「は?突然何っ?壊れたの?え?どうした。あ、今から綾斗んち行くわ」
「は……?」
「今日おばさんたちいる?」
「いま父さんは出張中で母さんは北海道」
なんでそんなこと聞くんだ?
「おっけ。今行くから、待ってろ」
僕は壊れてないんだけどな。なんでだろう。まぁ電話より話しやすいからいいかな……

ピンポンピンポン

「はぁい」
ドアを開けたらいつもどうり、マスクをつけた空夜が立っていた。手に大きな荷物をもって。
「ん……その荷物何?」
「いやぁ……今日綾斗んちに泊まろうかなって」
いや、なんでそうなるの?
「は……?」
「綾斗が壊れたし、おばさんとおじさんもいないんでしょ?で、明日土曜日だし、泊まろうかなぁ……って」
………………
「まぁ……いいや、とりあえずあがって」
「お邪魔します。」
空夜がしっかり靴をそろえて入ってきた。
そして、僕の部屋に案内した。
「で、話、なんだっけ?」
「……もういいよ」
「わかってるって。女子の話でしょ?」
「……で、どうなの?」
「そりゃ、もちろんびっくりすると思うけど、どうだろう。実際に見てみないと」
実際に見ないとわからないか……
「ねぇ、それを見て、どうも思わなかった僕って異常かな……?」
「……ん、え?どうだろう。人によるんじゃない?」
「そうなんだ……」
「ねぇところで、お風呂借りていい?」
それ、今……?
「いいけど……」
「ありがとう」
といって空夜はお風呂へ向かった。
あれ……確か、シャンプーなかったような……?

「綾斗~シャンプーってある~?」
3分後予想通り空夜が言った。
「ん~今持っていくから~」
詰め替え用のシャンプーをもっていって、お風呂場に行く。
「空夜、ドア開けるよ?」
「ん」
ドアを開けたら、もちろん空夜がいた。マスクを着けていなかった、その顔には口元に大きな傷があった。
「空夜……?」
そして、空夜は気づいたのか、口元を手で覆った。
「…………っ」
僕は何を言ったらいいかわからなかった。
「あ、っとえ、っと、これ、シャンプーね……っ」
「ありがと……」
そのまま空夜は扉を閉めた。

そして僕は部屋に戻り、考えた。空夜の口元にある大きな傷のことを。
そしてどんなに考えてもわからなくて、空夜がお風呂から出てきてしまった。その顔にはマスクはついていなかった。